悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

84 / 90
ここらでケジメをつけましょうか

 小夜に夕飯をご馳走して大絶賛を頂いた翌日、トレスマジアで集まりはるかの家に集まっていた。

 と言うのもあの後帰ってきたこりすちゃんに話を聞くと、予想通りイミタシオを倒してパーティーをしたのだとか。

 たくさんお肉を食べて来たみたいなので、数日の間は野菜多めの献立に変更する予定です。

 

「逃げ帰ったイミタシオとパンタノペスカはともかくベルゼルガがエノルミータに捕まったことは問題ね……」

 

「このままじゃエノルミータに酷いことされちゃうよね……」

 

 いや、大丈夫だと思いますよ。あの後目が覚めたベルゼルガにもお肉お裾分けしてレオと恋バナ楽しんで仲良くなったみたいですし。

 多分普通に解放されるんじゃないでしょうか?

 

「まぁそれはそれとして、ベルゼルガについては私に責任ありますからね。批判は甘んじて受けますよ」

 

「お説教は昨日したでしょ? だから私から言う事はないわ」

 

「エノルミータを憎みきれてへんアンタにとっては、シオちゃんズのほうがよっぽど敵って認識やしなぁ。まぁ、しゃあないんやないの?」

 

「薫子ちゃんに同感。でももう後頭部を殴ったり、エノルミータのアジトに放置したりはしちゃダメだよ?」

 

「み、みなさん……」

 

 な、なんていい人達なんですか……それに比べて私は…………。

 批判されても反省する気は微塵もなかったのにそんな事を言われてしまったら猛省するしかないじゃないですか……!!

 

「本っ当に申し訳ありませんでした。次からはもう少し魔法少女らしさを意識します……」

 

 小夜達に心の底から反省の意を込めて土下座をすると、出されたスイカを咀嚼し飲み込んでから薫子が話し出す。

 

「いくら復讐の為とはいえ、カーネリアン狙ってうちら妨害して挙げ句の果てにはうてなはん達まで巻き込み腐ったからなぁ。因果応報やろ。別にこのまま殺されたとしてもなんとも思わへんなぁ」

 

「いくらなんでもそれは……でもシオちゃんズは魔法少女狩りの被害者なのよ?」

 

「復讐が理由だとしても周りに迷惑をかけすぎ、恨みを買いすぎたんや。少なくともウチは可哀想とは思わへん「そんな……ひどいよ薫子ちゃん!」……わけでもないけどなぁ…………」

 

「「薫子……」」

 

 絶賛片想い中のはるかの一言であっさり折れてしまった薫子であった。

 ま、まぁこれは惚れた弱みでしょうし仕方がないと思いますよ。私も小夜やこりすちゃんにそんな事を言われたら折れる自信はありますし。

 

「……と言うかそもそもアイツら魔法少女狩りの復讐で動いているのでしょうか?」

 

「え、どう言う事?」

 

「前から思ってたんです。もし仮に魔法少女狩りの復讐に付け狙ってるなら、イミタシオはエノルミータに専念するはずなんですよ。魔法少女狩りに関与していない上に光落ちした私なんか相手にせずね」

 

「それは……エノルミータがトレスマジアになった事が許せなかったからとか?」

 

「まぁそれもあるでしょう。しかしどうも私を敵視しすぎてる気がするんですよねぇ。まるで私個人に恨みがあると言った感じで……私、パンタノペスカ以外に一般人に恨み買ってる記憶はありませんし」

 

「アイツもただの逆恨みやけどな」

 

 まぁパンタノペスカのあれはね……。それを聞いてバカらしくなったから何回も相対してると言うのに、徹底的に追い込まずに適当にあしらってるわけですし。

 あと小夜と結ばれてからお赤飯を送ってくれるくらいにはいい人ではありますしね。変態ですけど。

 

 話は戻しますがイミタシオについておかしい件は他にもあります。

 たまに追い込んだときに現れる本性……あのときの口調、どこかで聞いた事があるんですよねぇ。

 しかし()()とイミタシオでは見た目も年齢もあまりに違いすぎる……。しかし真化すれば見た目が変わると仮定すれば……?

 

「そして私がノワールとして……いやマジアカーネリアンとして戦って来た相手は……だとするとイミタシオの正体はやはり…………」

 

「ん、あのガキの正体について心当たりがあるんか?」

 

「えぇ。彼女は『グッフッフ……! 凡百な群衆どもよご機嫌よう……!! 私はエノルミータの総帥、マジアベーゼ様だァ……!』……え?」

 

 直後、急に外から見知った声が聞こえたため外を見てみると、そこには邪悪な顔を浮かべたマジアベーゼが映し出されたモニターが浮かんでいた。

 魔法ってあんな事も出来るんですねぇ……っていやいや、あの人は何をやってるんですかねぇ!?

 

『この映像は魔法少女組織シオちゃんズに向けて放送されているゥ……! 聞こえているかイミタシオォ! ヒャ〜ッハッハッハッハッ〜ァ!! 我らエノルミータに逆らう愚かなシオちゃんズ……! その一人がこの魔法少女ベルゼルガだぁ!』

 

 ゲヘヘヘとベーゼらしくない笑い方をしながら、蜘蛛の巣のようなもので拘束されたベルゼルガが映し出される。

 

『よく聞けイミタシオォ、これは見せしめだぁ……! 我々はこれより……ベルゼルガの公開処刑を執り行うぞぉ!! ヒャ〜ハッハッハッハッハッハッハッハッ〜!!』

 

「なんやあれ……」

 

「ベーゼってば変なキャラになってる……」

 

「ベルゼルガと仲良くなったって言ってたのに公開処刑するんですか? これは予想外でしたねぇ……近くの電気屋で高性能カメラ買ってきてベルゼルガの息の止まる瞬間を撮影しなければ……!!」ハァハァ

 

「ちょ、流石にそれは我慢して! ベルゼルガを助けなきゃ……!!」

 

 小夜はそう言ってますけど、助ける価値ありますかねぇ?

 パンタノペスカ曰く私達はもう攻撃対象外になってるとしても、彼女らが私たちにしたことは消えませんし、先ほど薫子の言った通り恨みを買いすぎてるんです。

 

『魔法少女ベルゼルガの公開処刑……これはすなわち魔法少女が悪の組織に完全屈服し……! 敗北することを意味しているのだァ……!』

 

 …………。

 スマホを取り出して操作……そしてスマホを耳に当てると、それとほぼ同時に空中に浮かび上がったモニターに映っているベーゼから音楽が鳴り出し、『ちょ……、ちょっと失礼』と言って電話に出る。

 

『ちょっとちょっとえりすちゃん……流石にこう言うタイミングで電話して来ないでよ、狙ってやってるでしょ!?』

 

「いやだって、ベルゼルガ一人を地獄に落としたら何故魔法少女そのものが完全屈服するのか意味分からないんですもん。巴マミが頭からパックンチョされてお亡くなりになった際も魔女が完全勝利したわけじゃ…………チッ、切りやがりましたか」

 

「変なちょっかい出すなや……」

 

『……と、と言うわけなので初回は本日正午なので、シオちゃんズ、トレスマジアの方々はぜひ止めてみて『ベーゼちゃん! 演技解けてるよ!!』あ"…………こほん……。処刑は本日午後だァ!! 震えて待つがいいわァ!!』

 

 そう言ってモニターが消えると、はるかと小夜は深刻な表情を浮かべる。

 

「さ、流石に処刑はやりすぎだよ……行くよ三人とも!!」

 

「えぇ! 絶対にベーゼを止めましょう……!!」

 

「気乗りせえへんけど……ま、貸しを作ると思えばええか…………」

 

 彼女達が行くなら私も行かなければですね。そもそもベルゼルガが処刑のきっかけ作ったのは私ですし、参加しないのは流石にアウトでしょう……。

 …………ですが

 

「私、これから一つ、やる事ができたので先に行きますね」

 

「……えりす、お前またなんか企んどるな?」

 

「ソンナコトナイデスヨ?」

 

「おいこっち見ろや」

 

「……えっと。えりす、何をするつもりなの?」

 

 えぇ、言ったら確実に止められそうだから言いたくは……いえ、むしろこれは理由を説明して同行して貰った方がいいですかね? 流石に引かれてしまうでしょうが今更ですし。

 

「……イミタシオと共闘するならば、ここらでしっかりとケジメをつけて因縁を終わらせてしまおうと思いましてね…………。申し訳ありませんが、私に付き合ってはくれませんか?」

 

 

 ◇

 

 

 エノルミータの反応が出たと同時に転移門を利用してそこまで一気に移動した私達は、敢えてベーゼ達からは離れて人気のない所でイミタシオを待ち構えていた。

 やがて暫くするとパンタノペスカといつものような作り笑いでなく、深刻な表情をしたイミタシオがベーゼの所へ向かっている姿が見える。

 そんな彼女の前に姿を現すと、作り笑いを浮かべて手を振る。

 

「はぁい♪ お久しぶりですねぇ、イミタシオ?」

 

「あ、あなたは……」

 

「っ、き、貴様らは……トレスマジア!! ……だが今はお前の相手なんてしていられない、そこをどけ!!」

 

「え〜、釣れないですねぇ。ナハトベースに居合わせた私がベルゼルガに不意打ちをかけてこの状況を作ったと言うのに何も言わないのですか〜?」

 

「ちょ、カーネリアン……!!」

 

「……っ!!」

 

「っ! き、貴様……!!」

 

 憤怒の表情を浮かべ大剣を取り出そうとしたイミタシオ。しかしすぐに深呼吸をすると「貴様の相手は後だ」と言って私を無視してベーゼの元へ向かおうとする。

 

「行かせませんよ〜。ノワールサンクチュアリ♡」

 

「な……!?」

 

「へぇ!?」

 

 イミタシオが私を横切ろうとした瞬間、即座に真化した私は結界を生成。

 かつてロコムジカやルベルブルーメを甚振った特殊空間にイミタシオとパンタノペスカ。そして着いて来てしまったマゼンタ達を案内して差し上げた。

 

「き、貴様ァ! どう言うつもりだァ!!」

 

「我が身をつねって人の痛さを知れと言うでしょう? だから体験させて差し上げようと思いましてね。あの夜のことを………… あなたは行かせませんよ。ここで指を咥えてベルゼルガが処刑されるサマを見てるといい♡」

 

「っ!!」

 

 そう。これはトレスマジアとエノルミータの全面戦争の夜、トレスマジアに加勢しようと弓を引いてた私を不意打ちしたイミタシオが言ったセリフです。

 

「……わ、わたくし達を向かわせないつもりですのね…………?」

 

「えぇ、それに私個人、聞きたい事があるんですよイミタシオ……いえ、ロードエノルメ?」

 

「っ!?」

 

 かつてのあなたの部下、ロコムジカとルベルブルーメを散々甚振ったこの空間で、私とお話ししましょうよ?




 〜おまけ〜

「あなたは行かせませんよ。ここで指を咥えてベルゼルガが処刑されるサマを見ているといい♡」

「っ!!」


「……うっわー、さすがは元エノルミータ。悪役顔が板についてんねぇ……」

「ダメよサルファ、カーネリアンはエノルミータとして活動してないんだからそもそも構成員じゃないわ」

「そうだよ……ってアズール顔が真っ赤だけどどうしたの、熱!?」

「いえ、ごめんなさい。たまにカーネリアンに頼まれてこの空間に入るんだけど、そこでのことを思い出して……////」ハァハァ

「……アンタらやる事やってんねやなぁ。はよ籍入れてしまえ」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。