悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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高熱で寝込んでおり投稿をお休みしておりました。
申し訳ありません(土下座)


思いつきで自由自在に使用できるほど現実は甘くありませんでしたね

 エノルミータのベルゼルガ公開処刑未遂から数日後、ようやくシオちゃんズも大人しくなり私に平穏が訪れた…………

 

「魔法少女が魔法少女に不意打ちをするのはやってはいけない事、正義のヒロインとしてあってはならない姿……」

 

 パシィンッ!

 

「あいた! ……それはあなたが勝手に決めた指標……そんなもので私を計れると思わない事ですね……」

 

 ……わけではなかった。

 と言うのも今回の公開処刑未遂の発端は私がベルゼルガに不意打ちをしてナハトベースに放置して帰った事であり、ベーゼはそれが大層気に入らなかったらしく呼び出されたかと思うと、真化状態で拘束されて鞭でお尻ペンペンされていたのだ。

 

「それにネット見てたらあなたがイミタシオを結界に引き摺り込んだ動画がありましたが、一分以内に出て来たから説得してたってコメントありましたけど騙されませんよ。あなたイミタシオを甚振ってましたね?」

 

「はい!!」

 

「良い返事ですねぇ! なぜよりにも寄ってベルゼルガを救援に向かうタイミングなんですか。やるならやるで他にタイミングがあるでしょう!?」

 

「そりゃあのタイミングだからこそ良いんじゃないですか。痛くて苦しい、早くしないとベルゼルガは殺される。苦痛と焦燥感のダブルコンボ……狙わない手はないじゃないですか!!」

 

 バシィィンッ!!

 

「いったー! あなた今メナスヴァルナーで打ちましたね!? 別にイミタシオみたいにお尻弱点じゃないですが、アズールのように痛みを快楽に変換する特殊技能はないんですからちょっとは手加減して欲しいものですねぇ!!」

 

「こんなんじゃ全然足りないですよ! なんでカーネリアンはこうなんですかねぇ……! やはりエノルミータの変身アイテムは没収した方がいいんじゃないですか!? どうせ取ったところでマジアモードがありますもんね!!」

 

「え、流石に嫌ですよ。具現化の能力失うのは惜しいですし」

 

「しかしそう言う使い方しか出来ないなら必要ないでしょう!?」

 

「そういう使い方以外にもスイーツとかあなた達をしばき回すのにも使っていますが? というか変身アイテムを没収ってそれこそイミタシオ……ロードエノルメの魔法少女狩りと同じ行為ではないですかねぇ?」

 

「ぐっ……で、ですが光落ちしたのに闇のアイテム使うなんて異常な事なんですし、それをあるべき姿にするだけですよ!!」

 

「ウルトラマン見てみなさいよ。昨今のウルトラマン光と闇使ってますよ!」

 

「ウルトラマンと魔法少女は違うでしょうが! というかそのウルトラマンだって光と闇の共存であって使い分けてるわけではないですからね!?」

 

 ぐ……それを言われるとキツイですねぇ……。

 確かに私の戦い方はウルトラマンとは違うし流石に言い訳に使うのは無理がありましたか。と言うか何気に特撮も嗜むんですねベーゼ…………。

 

 …………ん? 光と闇の共存? ……共存と言うことは同時に使う…………

 

 

 

 脳裏で閃きの電球が点灯した。

 

「あ、そうだ!!」テーン!

 

「なんか素敵なこと考えたっぽいですが、今日という今日は許しませんよ! 今回こそは絶対に没収しますからね!!」

 

 そう言って私の体を弄ろうとするベーゼ。

 あ、これ本気で没収しようとしてますね。お仕置きだからこそ甘んじて受け入れて来ましたがそう言う事なら話は別。

 光真化でベーゼのマリスネストを焼き尽くして華麗に着地すると即座にベーゼから距離を取る。

 

「やはりワザと捕まってましたね? いいでしょう! 今日という今日こそ、本当の意味で敗北を叩きつけて差し上げますよマジアカーネリアン!!」

 

「上等……! 良い加減こりすちゃんの将来も心配になっていたところですし、そっちがその気なら今この場でエノルミータ滅ぼしてやろうじゃないですか。私の新たな力を冥土の土産に見せて差し上げましょう!! 混沌真化(クロス・ラ・ヴェリタ)ッ!!」

 

「な、なんですってぇ!?」

 

 二つの変身アイテムを取り出して同時に真化を発動、その直後私の身体に光と闇の魔力が纏わりつき新たな姿へと姿を変える。

 

「……うん、成功ですね。さぁ、泣いて喜びながら逝きなさいな♡」

 

「こ、このタイミングで覚醒だなんて……涙が出るくらいに素晴らしいですが、しかしそれとこれとは話が別! ここでの覚醒が負けフラグだろうが知ったことか!! お仕置きしてエノルミータの変身アイテムは没収します!!」

 

「「はぁあああああああッッ!!!!」」

 

 私とベーゼの得物がぶつかり合うと、辺りに凄まじい激震が走る。

 さぁ、これで最後ですよマジアベーゼェ!!

 

「……お、いたいた。おーい、ベーゼちゃーん。アタシも加勢するからトレスマジアとっととぶっ倒してあーそーぼー……ってなんだこの状況!?」

 

 

 ◇

 

 

「ちょ、ベーゼちゃん大丈夫〜?」

 

「な……なんとか…………」

 

「ぐっ……こ、これ制御できないパターンでしたか…………」

 

 数分後、私とベーゼは二人仲良くボロボロになって地面を舐めていた。

 と言うのも私のこの新形態……凄まじい出力で真化したベーゼの能力や搦手をゴリ押しで押し込めるのだが、コントロールが非常に難しい上に身体への負荷が凄まじすぎるのだ。

 

「これは制御出来るようになるまでは実戦では使えませんね……」

 

「そうした方がいいと思う……。悪の総帥が言うのもなんだと思うけど、これ味方巻き込むタイプだよ…………」

 

 流石に光と闇の相反する力を思いつきで自由自在に使用できるほど現実は甘くありませんでしたね。

 当分は小夜に協力してもらって制御出来るように努めましょう。本格的な力のお披露目は制御出来るようになるまではお預けです。

 

「ですがまぁ、引き分けならば変身アイテムをくれてやるわけにはいきませんねぇ……」

 

「……ちくしょう」

 

 と言うわけで今回もなんとかエノルミータの変身アイテムを死守した私であった。

 その後いい加減レオ……キウィも待ちくたびれていると言う事でさっさと変身解除した私達。

 

「終わった〜?」

 

「うん、おまたせキウィちゃん」

 

「律儀に待ってましたけど、別にベーゼに加勢しても良かったんですよ? 運も実力のうちと言いますし」

 

「いや、流石にアレは入っていけねぇだろ?」

 

 なんでも混沌真化状態の私とベーゼの戦いは途中で入る隙がなかった上に、愛しのベーゼも私と一対一ならば別に重症は負わないだろうから無茶して助ける必要はないと確信したのだとか。

 甘いですねぇ。一応私トレスマジアですよ?

 

「終わったならうてなちゃん遊ぼ〜?」

 

「え、う、うん。それじゃあこりすちゃんも呼ぼっか?」

 

「あ、今日珍しくお母さんいるんで今日はお母さんと遊ばせてあげてくれませんか?」

 

「え〜……」

 

 不満そうなキウィ。子供っぽい性格だからこりすちゃんとは仲良いですもんね。

 

「……オメェ今失礼なこと考えなかったか?」

 

「子供っぽい性格だからこりすちゃんと仲良しだとは思いましたね。「おい」私も今日は遠慮するのでお二人はデートでもして下さ──」

 

 〜♪ 〜♪

 

 直後スマホから着信が鳴る。えっと……お母さんから?

 

「もしもし、どうしました?」

 

『あ、聞いてよえりす〜! お母さん急にお仕事入っちゃったからこりすの事お願いしてもいい〜!?』

 

 …………。

 

「前言撤回、やはりこりすちゃんも誘ってあげて下さいな」

 

「マジで? んじゃ今日は久しぶりに四人でだな〜」

 

 

 ◇

 

 

 その後転移で帰宅して大急ぎで出かける準備を整えたうてなと合流してから三人で帰宅。

 こりすちゃんには出かける準備をしておくように言っておいた為、自宅に到着する頃には既に外で待っていてくれていた。

 

「こりすちゃ〜ん」

 

「よ〜、来たぞ〜」

 

「……」ビシッ!

 

 キウィとうてなに気がついたこりすちゃんは二人の元に駆け寄ると手を挙げて挨拶をする。

 こりすちゃんもお世辞にも友人は多くはないので、年齢は違えど仲良くしてくれている二人を見たお母さんはニコニコしながら二人は駆け寄る。

 

「うてなちゃんにキウィちゃん、今日はえりすとこりすをよろしくね〜!」

 

「まっかせて〜、こりすママ〜」

 

「ごめんねこりす……ママ急にお仕事入っちゃって〜。でもえりすと良いお姉ちゃん達がいてくれるから安心ね!!」

 

 …………良いお姉ちゃん? 悪いお姉ちゃんの間違いでは?

 うてなも自覚があるようで微妙な表情で明後日の方を向いていた。

 そんなうてなに対してキウィは「や〜それほどでも〜」と言った顔で頭をかいており…………

 

「…………」ジー

 

「こっち見んな」

 

 図太いキウィをジト目で睨んでいると、お母さんはこりすちゃんを抱き上げる。

 

「お仕事終わったらすぐに帰ってくるわね。今晩はみんなでお外に食べにいきましょ?」

 

「ん!」コクン

 

「分かりました。値段と雰囲気の良い店調べておきますね?」

 

「流石はえりす! それじゃあ三人とも、こりすをお願いね〜」

 

「は〜い!!」

 

「お預かりします〜」

 

「それでは言ってきますね〜」

 

 お母さんと別れた私達。

 この面子では頻繁に遊ぶが、普段ならば公園で遊んだりゲーセンのクレーンゲームでトレスマジアのフィギュアを取ったりするのだが、今日は暑いと言う事でキウィの家にお邪魔する事になった。

 

「そういやうてなちゃん達がウチに来んの何気に初だよね〜」

 

「ね、そうだね」

 

「普段家と言うとウチかうてなの家ですからね〜」

 

「……」グイグイ

 

「ん、どうしました? ……え、喉乾いた? まぁ今日は暑いですもんねぇ」

 

「あ、ならちょうどコンビニあるし寄っていこうぜ〜」

 

「い、いいね……」

 

 丁度いいです。

 ネットで手頃な価格でトレスマジアのフィギュア(私含む)があってついつい注文してしまいましたし、ここで支払いまで済ませてしまいましょう。

 

「あ"〜すずし〜」

 

「今日暑いもんね……」

 

「いらっしゃいませーっ!!!!」

 

 うわっと!? 声大きいですねぇ……!!

 という事で支払いも兼ねてコンビニに入った私達に大声で挨拶するやたら気合いの入った店員さん。だが彼女は私達を見た瞬間にピタリと動きを止めてしまった。

 はて? まるで因縁の相手に微妙な所で鉢合わせてしまったと言った雰囲気ですが、どこかで会ったで……あぁ、彼女の顔の傷とイミタシオの顔の傷の箇所が一致してますし多分ロードエノルメ……イミタシオの真の正体でしょうね。




 〜おまけ〜

「そういや、うてなちゃんとえりす喧嘩してたけどこのまま遊んで大丈夫なん?」

「私は別に適当に受け流してたから構いませんが……不満なら私今回は抜けますよ?」

「うぅん、喧嘩したから気が済んだし大丈夫。……変身アイテムを手に入れられなかったのは不満だけど」

「いや、頬を膨らませられても……。そもそもあなた変身アイテムを没収する口実にしてるだけじゃないですか? やったらまた卑怯な手段で取り返しますからね?」

「……そう言えばアレも魔法少女らしくないよね? 奪われたなら純粋な実力で取り返すべきなのに前回も友人関係って立場に甘えてあんな手段をとってくるなんて…………」

「卑怯も実力のうちです。私が嫌なやつって知ってるのに対策を取らなかったうてなが悪いですね」

「……よし、もう一回戦おっか。奪い取って壊しちゃえば取り返すことも出来ないよね?」

「壊したならあなたの貰うだけですが上等です。もう一度新能力の実験台にして差し上げますよ」

「いや、こりす待ってるから早く行こーぜ〜?」
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