悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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今作メインヒロインのマジアアズールこと小夜とのお話です。


共闘ですね? 合点承知です!

 今日は日曜日。こう言う日は家事の合間にゲームとかアニメとかこりすちゃんと遊んだりとかで時間を潰すのだが、私は一人神社にやって来ていた。

 と言うのも先週……正確にはヴェナリータに絡まれてから、トラックに轢き飛ばされたり銀行強盗に鉢合わせたりと割と悪い事が続いている。

 挙げ句の果てにその二回ともトレスマジアに絡まれてるし。

 

 と言うわけで……

 

「神様……もし実在するのならば私の人生に難易度下方修正パッチの一つや二つ適用してください。いや、マジで……。本当に頼みます。ぶっちゃけ非日常はいらないんです。普通の日常を謳歌したいんです……。非日常は全部うてなにでも押し付けてやってください…………」

 

 そう、神頼みだ。

 これで効果があるかどうかは分からないがまぁ気休めにもなるだろう。お賽銭も私のお小遣いから五百円を入れたしもし神様がいるなら確実に助けてくれるはずだ……。

 

「ふぅ、一応念のために近場の教会とかにも足を運んでおきます「あれ、杜乃さん?」……おや、小夜さんじゃないですか」

 

 参拝も終えたため神社を後にしようと振り返ると、境内に巫女服姿のクラスメイトの水神小夜さんがいた。

 

「こんにちは。アルバイトですか?」

 

「いいえ、実はここ私の実家でね。よく神社でお手伝いしてるの。……と言うか校則でアルバイトは禁止されてるわよ?」

 

「確かに。ですが実際には校則を破る悪い子は一人や二人……なんなら108人位は軽くいると思いますよ」

 

「108……煩悩の数…………煩悩………………うぅ」

 

 あれ、なんか急に落ち込み始めた?

 まるで神社の娘なのに煩悩に溢れてる自分って……っと言った感じの顔で頭を抑えて……一体彼女に何があったんだ? あ、いや別に教えなくていいです。

 

「と、所で杜乃さんはどうしてここに? ……ってここに来る理由なんて一つしかないわね」

 

「えぇ、最近やたらとトラブルに巻き込まれるんで、神様に私の人生に難易度下方修正パッチを適用するようにとお願いしていた所でした」

 

「難易度下方修正パッチがなにかは分からないけど、トラブル続きって気が滅入るわよね。私も最近色々と上手くいかなくって、それが理由なのか眠れない日が続いてるの」

 

「あぁ、昨日居眠りして先生に怒られていたのはそれででしたか」

 

「それは……ごめんなさい。次から気をつけるわ」

 

「いえいえ、私も先生の目を盗んで居眠りとかしますので」

 

 小夜さんは私の発言を聞いてジト目でこちらを向く。

 

「流石にそれは如何かと思うわよ? 昨日寝てしまって怒られた私が言うのも違うと思うけど、そもそも寝ないように努力をしないと……」

 

「私丁寧なのは言葉遣いだけって言われてるんで、そこら辺の常識を期待してはダメですよ。授業に対する不真面目さははるかさんやうてなに負けるつもりは無いので」

 

「サムズアップして言う事じゃ無いから」

 

 ちなみにはるかさんは基本真面目に授業を受けるけど、午後になると人目も憚らずに昼寝して怒られるタイプであり、うてなは授業中に変な妄想して「ウヘヘヘヘ……」って言ってるところを先生が若干引きながらも注意するタイプだ。

 

「フフ……」

 

「小夜さん?」

 

 急に笑い始めた小夜さん。

 彼女は「ごめんなさい」と謝りながら続ける。

 

「杜乃さんって普段敬語だから相手と距離をとる感じかなと思ったけど、話しやすい人だったのね」

 

「言葉遣いだけで人を決めるなんて失礼じゃ無いですかね? 私が敬語なのはデフォルト、親や妹に対しても敬語ですよ?」

 

「え、そうなの?」

 

「えぇ。いちいち先生や友人とかで言葉遣いを変えるのが面倒くさかったから、低学年のときに敬語で話すように言葉遣いを自ら矯正したんです!!」

 

「意外とくだらない理由だった!?」

 

 その後休みの日に偶然クラスメイトに会うとなんだかテンションが上がるの法則で十数分くらい会話を楽しんでいると、突如小夜さんはピクンと反応をする。

 

「……ごめんなさい、私ちょっと急用が出来ちゃったみたい。またお話ししましょう、それじゃ!!」

 

「え、あ、分かりました。それではまた明日ー!」

 

 回れ右して巫女服の姿で境内を駆け降りていった小夜さん。

 急用が出来たって電話とかで呼び出されたわけでも無いのになんで……あぁ、もしかして急用があったのを思い出したって言いたかったのかな?

 

「それでは私も教会の方に足を……あ、そういえば今日スーパーのポイント10倍デーでしたっけ?」

 

 買い出しは明日の特売日に特売品とまとめて済ませようと思ってたけど、今日行った方がお得だよね。

 急遽予定変更、参拝はここらで切り上げてスーパーで買い出しして帰ろう。

 

 

 ◇

 

 

 …………参拝という神様に祈る神聖な儀式を中途半端で済ませてしまったのが悪かったのかもしれない。

 

「グォオオオオオオ!!」

 

「きゃぁあああああ! エノルミータよぉおおおお!!」

 

 スーパーの近くでなんともありきたりな怪人に鉢合わせてしまいました。

 いやいや……流石にここまでのトラブルを引き寄せる体質だとは思わないじゃん。一体なんなんですか私の運命!?

 

「トレスマジア! トレスマジアはまだなのぉおおお!!!!」

 

 ん? よく見たらこいつスーパーを襲撃しようとしてる?

 ちょっとちょっと勘弁してくださいよ。私今からこのスーパーで色々とお買い物する予定だったんですけど!?

 ポイント10倍や特売という主婦に嬉しいサービスを提供してくれるこのスーパーをメチャクチャにしようだなんて、お天道様やトレスマジアが許しても……このノワールカーネリアンが許しませんよ!!

 

 というわけで近くにヴェナリータがいない事を確認してから、すっかりみんな逃げて誰もいなくなったスーパーの近くの証明写真ボックスに入るとエンブレムを取り出す。

 

変身(トランスマジア)!!」

 

 せっかくトランスアイテムをゲットしたんだから、証明写真ボックスでの変身(ウルトラマンオーブの真似)してみたかったんですよね〜。って今はそれどころじゃありませんね。

 証明写真ボックスを出て、まもなくスーパーに到達しようとした怪人と相対する私。

 

「ここはこれから私が買い物をするんです。暴れるなら別のところで暴れてくれませんか!?」

 

「…………グォオオオオ!!」

 

「って理性があればそもそもこんなメチャクチャに暴れませんよねぇ」

 

 良いでしょう。そっちがその気なら、私がぶち転がして差し上げますよ。

 ヴェナリータが何か言って来そうではありますが、それは私に変身能力を与えたからと諦めて貰えば良い話ですね。

 

「グォオオオオオオ!!」

 

「随分と大ぶりな攻撃ですねぇ! これなら落ち着いて行動すれば躱せますよ!!」

 

 そのまま剣を具現化して怪人を叩っ斬ろうとして……剣が折れた。

 

「おっと意外と身体硬いんですねぇ」

 

「ォオオオ!!」

 

「させませんよ?」

 

 剣が折れた事で体勢が崩れてしまった隙を突いて掴み掛かろうとして来たが、いつも通り巨大な手を具現化してやつの腕を遮る。

 そのまま今度は小さめのパイルバンカーを具現化すると、槍の先端を怪人につけようとして……

 

「あ、これ重いですねぇ……」

 

 予想外の重さに驚きつつも、なんとか腹部に槍の先端をつけるとそのままパイルバンカーを射出する。

 

「ぐぉほ!?」

 

「丈夫な身体を持っていても、流石に装甲を一点突破で破壊する武器には弱かったみたいですねぇ」

 

 だが怪人の腹に穴は空かず遠くにぶっ飛んだだけだから怪人はまだ動けるだろう。でも腹部に甚大な負荷がかかったはずなので、あと一回撃てば勝てるはず「そこまでよ!!」おや?

 

「まさか三体同時に暴れるなんて思わなかったけどここまでよ! ってあなた昨日の……もしかしてこの一件、あなたが!!」

 

「違います。私このスーパーでお買い物しようとしてたんですけど、こいつがスーパー壊そうとしてたからぶち転がそうとしてただけです」

 

「え、そうだったの?」

 

 いやまぁ悪の組織の女の話なんて信じる事は出来ないと思いますけど、せめて狙うなら怪人から狙って頂いても良いですかね?

 私らがやり合ってその隙に怪人がスーパーを破壊したなんて絶対に迎えたく無い結末ですか「……分かったわ」え?

 

「マジアベーゼならともかく、あなたなら大丈夫でしょう。怪人に街を壊させないように力を貸して頂戴!!」

 

「え? ……共闘ですね? 合点承知です!」

 

 一瞬何を言ってるのか分からなかったが、どうやら私の言い分を信じてくれたようだ。

 奇跡的に共同戦線を張ることに成功した私達は腹に強大な負荷がかかるもフラフラと起き上がった怪人を取り囲む。

 それを見た怪人は焦ったようにキョロキョロとするも、ヤケクソだと言わんばかりにアズールに襲いかかる。

 

「させませんよ」

 

「ぐお!?」

 

 だが手袋で怪人の腕を押さえつけると、そのまま更に複数の腕を具現化して、やつを動かないように取り押さえる。

 さぁアズール、あとはよろしくお願いしますよ!!

 

「はぁああああ!!」

 

 動けなくなり必死にもがく怪人に対して、アズールは手に持っていたステッキに氷の刃を纏わせて剣に変化させて、それを怪人の腹に突き刺した!!

 

 

 ◇

 

 

 その後怪人を倒した私達はお互い向き直っていた。

 

「あなたのおかげで怪人に街を壊されずに済んだわ。ありがとう」

 

「いえお気になさらず。……ところでなぜ私の言い分を信じたんですか? 私が嘘をついてる可能性はあったでしょう?」

 

 少し気になったため尋ねてみると、アズールは真っ直ぐ私を見据えて応える。

 

「あなたは一昨日銀行強盗を捕まえてくれたでしょう? それにサルファからも聞いたけど、あのときは轢かれかけてた女の子を助けたと聞いた。だからもしかしたら信じられるかもって思ったの」

 

「……そうですか。良い事はしておくものですね」

 

 正直これ以上面倒ごとは勘弁ではあるが、出来る限り魔法少女と敵対しないようにすればいつかは信じて……いや、よく考えたらマゼンタにあれだけビンタしたのにそれは虫がいい話かな?

 

「……ねぇあなたは「おーい、アズールー」あ」

 

「っ! 流石にこれ以上の戦闘は面倒です、私はこれにて失礼します」

 

「あ、待って! あなたの名前は?」

 

「ノワールカーネリアンです。次会うときあなた方が敵として立ち塞がらない事を祈ります!!」

 

 私はそう言うと全力ダッシュでその場から撤退した。

 ……スーパーには少し時間を置いてからまた行きましょう。




 マジアアズールとの共闘回でした。
 因みにアズールの到着が遅れた理由は、怪人が三体同時に悪さをしており補足するのに時間がかかったからです。
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