悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!? 作:蒼天 極
マジすみませんでした(土下座)
コンビニで予想外の人物らと別れて、改めてキウィのお家へ遊びに来た私達であるが、キウィのお家に私達は絶句していた。
「こ、ここがキウィちゃんのお家……!」
「ま〜つつましい我が家だけどくつろいでってよ〜」
「いやつつましいって……マンションの最上階じゃないですか……。キウィあなたお嬢様だったんですね……」
キウィの事だからうてなや私達と似たような家なんだろうなぁと思ってましたが、まさかお嬢様だったとは……そんな環境でどうしてキウィみたいな子が育ったのか少しばかり想像が……いえ、家の豊かさと性格に因果関係はないのでそう言うことを考えるのは失礼ですね。
「キ〜ウィちゃ〜ん!!」
キウィの家に呆然としていると背後から幼い声と共に軽々しい足音が聞こえる。
「おっかえり〜っ!!」
背後を見るとキウィをそのまま小さくしたような女の子。
あらあらキウィったら妹がいたんですね。見た感じこりすちゃんと同じ歳っぽいですし紹介してくれても良かったのに……。
「
「わ〜い! たかいたか〜い!」
キウィはママを見るなり満面の笑みで高い高いを始める。
「ま……ママさん……キウィちゃんの……」
「仲のいい母娘なんですねぇ」
「「…………え"?」」
えっとキウィは先ほどなんと言いましたっけ?
確かママ〜! たっだいま〜! だったような……え、この子妹ではなくキウィのお母さんなんですか!?
「ママ!? 妹さんじゃなくて!?」
「ママだよ〜」
「これは……お若くしてらっしゃいますね…………」
「あら嬉し〜い♡ うてなちゃんにえりすちゃん、そしてこりすちゃんね〜。キウィちゃんからいーっぱいお話聞いてるよ〜! キウィちゃんがウチにお友達連れて来るなんて初めて〜。ママすっごく嬉しいな〜♡」
「ま〜今まで呼ぶに値するヤツなんていなかったかんね〜」
そう言ってわははは〜と笑うキウィ。
それはつまり友達がいなかったと言うわけではないのですか? と言うか転校して来る前の話聞いた事がありませんでしたね〜。
……それにしても
「あら、と言うことは私は呼ぶに値するヤツだったんですか。いや〜、感動ですね〜」
「オメ〜はこりすのついでだよ」
「あら酷い」
「え〜、でもキウィちゃん、えりすちゃんの事は絶対に負けたくないライバルだって認めてたでしょ〜?」
「ちょ、ママ!? ……おい、ニマニマ笑いながらこっち見んな!」
へぇ〜、そんな風に思ってくれてたんですね〜。これはいい事聞けました〜。
しかしあんまり追求してキウィをブチギレさせても後が面倒臭いので、キウィへのダル絡みを止めるとキウィママはうてなの方を向いた。
「そしてうてなちゃんは確か……お友達じゃなくてキウィちゃんのフィアンセだったよね〜♡」
「キ、キウィちゃん!? なんて説明をしたのかな!?」
顔を真っ赤に染めるうてなだが、間違ってはいないでしょう?
私と小夜のように正式に付き合っていると言うわけではないですが、たまに二人きりでデートしてるのを知ってるんですからね?
「キウィちゃんのウェディングドレス楽しみ〜♡」
「も〜違うってママ〜。アタシ白無垢派だって言ったでしょ〜?」
「あ、そっか〜♡」
「キ、キウィちゃん……」
…………。
「はぁ、キウィあなたねぇ。そんな事ではうてなの気持ちは離れてしまいますよ?」
「え!? なになに、アタシなんかやった!?」
「えぇ、盛大にやらかしてますよ」
顔を真っ青にしながら私に詰め寄って来るキウィ。
本当は私に聞かず自分で気づかなければならないでしょうが、以前キッカケを作ってくれたお礼に特別に教えて差し上げましょう。
「あなたと出会う前にうてなとウィンドウショッピングしてた時なんですが……その時うてなはウェディングドレスを見てました!! 白無垢には目もくれずウェディングドレスだけをねぇ!!」
「な……なんだってぇええええっ!!??」
「え、えりすちゃぁん!?」
更に顔を赤くするうてなの隣でキウィはよほどショックだったのかフラリと膝をつく。
「ま、まさかうてなちゃんはウェディングドレス派だったとは……ならウェディングドレスで……いやでも白無垢も捨てがたいし……なによりうてなちゃんの紋付袴は見ておきたい……でもうてなちゃんの願いは叶えてあげたいし一体どうすれば…………」
ブツブツと呟き続けるキウィ。
だがそんな彼女の肩を「大丈夫!」と言いながらキウィママさんがポンと手を置く。
「なら二回結婚式をすれば良いんだよ! それならうてなちゃんのウェディングドレスもキウィちゃんの白無垢とどっちも見れるよ♡」(サムズアップ)
「ママ天才〜!」
「と言う事で家族ともどもよろしくお願いします〜♡」
「いたします〜♡」
「あ、阿良河家……」
あまりにグイグイ行きすぎて引いてしまったうてなであった。
え、さっきから会話に入ってないこりすちゃん? 興味なさすぎて呑気にコンビニで買った飲み物を飲み干してますよ。
◇
その後キウィの自室で各々持ち込んだ宿題をやる事になった私達。
「あら、こりすちゃん。ここの問題間違えてますよ。ここは割り算を使うんですが……7に何をかけたら28になります?」
「!」ビシッ
こりすちゃんは親指以外の四つの指を開く。つまりこりすちゃんは4と答えたと言うこと……正解ですね。
「良くできました」
「♪」エッヘン
賢いこりすちゃんの頭を撫でてあげると、彼女は気持ちよさそうに目を細める。本当に可愛い子です。エノルミータなんてやらずに良い子でいてくれたら最高なんですが……流石にしつこいですかね?
こりすちゃんの宿題を見てあげている私の横で、学年トップのキウィはうてなの勉強を見ていた。
「うんうん、だからここはさ〜……ここの公式をギャッ! そしたらここのxの増加率をヤッ! んで解がダァッって感じに出るのよ〜。分かった〜?」
「……う、うん。そう言えばキウィちゃんとえりすちゃんの宿題は……」
感覚派なキウィの説明は難しすぎたようで、頭にハテナマークを浮かべながらも話題を変えようとそんなことを言い出すうてな。
「アタシはやらないよ。だってめんどいからね」
「そ、そっか。えりすちゃんは……?」
「夏休みの宿題なんてもう終わりましたよ」
「えぇ、は、早い……!」
そりゃあ面倒臭い事は早めに片付けておいたほうがいいですからね。
キウィみたくやらないと言うのも二学期に放課後残されてやらされるパターンなので、しっかりと終わらせておいて損はないんです。
「キウィも二学期に泣きついて来ても知りませんからね?」
「別に無視して帰ればいいじゃん」
「……あなたはそう言う人ですよね…………」
ある意味堂々としているキウィに内心呆れていると、キウィは自由工作のぬいぐるみ製作を始めたこりすちゃんに絡み始める。
「こりすはこれから自由工作か〜。いいじゃんいいじゃ〜ん。どれ、どんなの作ってんだ〜?」
そう言いながらこりすちゃんの作品を覗き込むキウィ。
こりすちゃんの人形はウサギの特徴はあれどよく分からない代物。しかし私自身裁縫は得意ではない……と言うか本当に出来ないタイプなので良く出来ていると思います。
「……っしゃ〜アタシがもっとカッコよくしてやんよ〜。ツメとかキバとかつけようぜ〜」
何処からともなくスパナやドライバーなんかの工具を取り出してこりすちゃんに詰め寄るキウィ。
いや、人形って布と綿ですよ? その手に持ってる工具でどうこう出来るものではないでしょう?
後、こりすちゃんと普段仲良くしてくれているから見逃してますけど、あまり嫌がる事をするなら首へし折ってママさんにあなたの死体見せますからね?
「っ!? え、えりすの方から殺気が……」
「気のせいではないですか?」ニコニコ
「そ、そっか。……ってンだよ親切で言ってやってんのに〜。お前コノヤロー針をしまえ」
だが私が目を光らせて無くても自分で対策できると言わんばかりに、キウィに針を突きつけるこりすちゃん。
流石のキウィも針で刺されるのは嫌だったようで、冷や汗を流しながら数歩後ろへ下がる。
「わ……わかった。アタシが悪かった! だから落ち着くんだ……! おいねーちゃん妹止めてくれよ!!」
「分かりました!」
「……おい? アタシを羽交締めにしろなんて言ってねぇだ「今です! やっておしまいなさいこりすちゃん!!」「ん!」チクショウ、お前そっち側かよ!! ちょ、やめろこりすアタシのお団子は針山じゃねぇから針刺そうとすんなぁ!!」
そりゃあお姉ちゃんとして妹の敵は排除しなければいけないので。大丈夫、あまりやり過ぎならば流石に止めるので諦めて全身針で刺されてしまいなさい♡
「アハハ、やめろってこりす〜! ……ん?」
戯れていると言う感覚だったのか笑いながら抵抗していたキウィであるが、うてなの方を見て動きが止まる。
私もキウィの後を追ってうてなを見てみると、彼女は目を瞑り静かに寝息を立てているところだった。
「あ〜、疲れたんだなうてなちゃん〜。最近大変だったからな〜」
「ですねぇ。それに先ほども私と割と本気でやり合ってましたし、そりゃそうなりますよ」
「?」
「どうしましたこりすちゃん……え、寝させてあげよう? ……ですね」
「だな〜」
いくらエノルミータとは言え総帥としてロコムジカやルベルブルーメを救出してその後休まずにロードエノルメの解散の機会を与えてたんです。今日くらい平和に休ませてあげたほうがいいでしょう。
無言でキウィのベッドの毛布をうてなに被せてやっていると、こりすちゃんがキウィの服をクイクイと引っ張る。
「ん? どしたんこりす。……あ〜のど渇いたって? 冷蔵庫からテキトーに取ってきていいぞ〜。えりすも一緒に行ってこいよ〜」
「分かりました。それでは行ってきますね」
こりすちゃんを連れて冷蔵庫を物色する私とこりすちゃん。
ん〜、いくら本人から許可をいただいてるとはいえ、他人の冷蔵庫を開けるのって罪悪感湧きますよね〜……。
「ん!」
「これがいいんですね? 丁度四人分ありますし持って行きましょうか」
手早く人数分の飲み物を入手した私達姉妹はすぐにキウィのお部屋へと帰還。
そんな私達の目に飛び込んで来たのは、熟睡中のうてなの首筋に色っぽい表情で顔を埋めようとするキウィの姿……。
いや、部屋を出てからほんの一分程度で一体何があったんですかあなたは……?
「……こりすちゃん、このままではうてなの貞操が危ないんで起こしてあげてください」
「? ん」コクリ
こりすちゃんは頭にハテナマークを浮かべつつも、うてなの首筋にキンキンに冷えたペットボトルを押し当てる。
直後うてなは「ひゃっ!?」と女の子らしい声を上げながら飛び起き、私達の存在にようやく気がついたキウィもビックリしたようにうてなから離れた。
「えっ……あれ……? わ、わたし……ごめん寝てた?」
「そ、そうそう〜! 疲れてたんだよねうてなちゃんってば〜!!」
必死に誤魔化しながらも私達に恨みがましい視線をぶつけるキウィ。
申し訳ありませんね。あなた方が本格的に付き合っているなら用事を思い出したと言って帰るんですが、付き合っていない中途半端な関係でここから先に進ませる訳には行かないんです。
そう言う事をしたければ本格的に付き合ってからにして下さいな。
私の伝えたい事をなんと無く察したのか、キウィは血の涙を流しながらも「やっぱりありがとなえりすぅ〜、こりすぅ〜」と伝えて来る。
「はい、どういたしまして」
「?」
「え……えっと、私が寝てる間に何があったの?」
その後、キウィママさんの提案で今晩夕飯を食べていく事になり、家庭的ながらも洗練された夕飯に舌鼓を打ってから帰宅したのだった。
〜おまけ〜
「どんどん食べていってね〜♡」
「うめ〜だろママの料理は〜?」
「うん。美味しい」
「ん」コクリ
「……キウィママさん、この唐揚げの隠し味ってなんですかね? すり下ろしたリンゴを使ってるのは分かったんですが、後もう一品……隠し味に入れてますよね?」
「あ、分かる? 実は生姜もすりおろして入れてるの。割合としては一対一ね」
「ほうほう……流石はママさん。料理に関しては私では足下にも及びませんね」
「照れちゃうわ〜。でもキウィちゃんからえりすちゃん料理上手って聞いてるわよ〜、もっと自信持っても良いんじゃないかしら?」
「いえいえ……まだまだ若輩の身なのでこんなんで満足せず更に高みに登りたいんですよ。出来れば他のコツやイロハなんかも聞かせていただきたいです!」
「良いよ〜。それじゃあね〜……」
「良かったな、こりす〜。えりすのメシもっと美味くなるかもよ?」
「ん♪」
「えりすちゃんしっかりメモなんかも取ってる。…………はぁ、トレスマジアもいつもこれくらい真面目なら良いんだけどな〜……」