精霊寄生異変〜楽園の素敵な少女達〜   作:ライムα

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第3話 寄生霊

      第3話  寄生霊

 「精霊、、もどき?あいつら精霊じゃないの?」

霊夢がそう尋ねると紫は続けた。

「ええ、あいつらは精霊に似せて作られた精巧な偽精霊よ。その証拠にあいつらの体には生命エネルギーもとい“気”の力が感じられないわ。美鈴なら既に気づいてるんじゃないかしら?」

紫はそう言って美鈴のほうを見た。美鈴は軽く頷いて言った。

「確かにとどめをさしたとき気の力のかけらも感じられませんでした。まるで、、人形を相手にしているように」

紫は満足気に頷き言った。

「ええ、その通りよ。あいつらは寄生した相手を思いのままに操り破壊行動を繰り返す精霊型人形よ。」

魔理沙は疑わしそうな顔で言った。

「人形?あいつらは普通の精霊のように動いたりできてたのぜ。そんな人形が自由に動いたり操ったりできるわけ、、、、。」

魔理沙はそこまで言いかけて言葉を止めた。なぜなら一人思いあたる人物がいたからだ。

「魔理沙も、、同じこと考えてるんでしょ。恐らく今回の異変の黒幕は、、。」

霊夢の言葉を遮って魔理沙は叫んだ。

「あいつなわけない!あいつは、誰よりも人形を愛してるんだ!そんなやつが人形を冒涜するような異変を起こすわけ無い!今回の異変はただ気の力が感じとれない寄生するタイプの精霊が暴れてるだけなのぜ!」

魔理沙は目に涙を浮かべて訴えた。パチュリーは暗い顔で喚く魔理沙をなだめようとした。

「魔理沙、信じたくない気持ちは分かるわ。私だって信じたくない。でも、、でもねここまでの異変を出来る娘は、もう一人しかいないの。」

「違う!絶対に違う!あいつなわけ、、アリスなわけない。私、アリスの家まで行って直接聞いてくるのぜ!」

魔理沙が立ち上がったその時、パチュリーの部屋の方から声がした。

「待ちなさい魔理沙。私も一緒に行くわ。」

そこに立っていたのは幼い見た目の青い髪の吸血鬼。

レミリアだった。咲夜は驚きレミリアのもとまで駆け寄った。

「お嬢様!もうお身体の具合は、よろしいのですか?」

「ええ、もう大丈夫よ。それで、アリスが今回の異変の黒幕とか聞こえてきたのだけど本当なのかしら?」

レミリアの質問に魔理沙を遮ってパチュリーが答えた。

「まだ、確定ではないけれどあんな人形を作れるのはアリスしかいないわ。」

「人形、か。確かに“人形”ならアリスが黒幕と見て間違いなさそうね。それじゃあ私達は、アリスの家に行ってみるわ。霊夢とパチュリーはどうするの?」

暗い顔で霊夢は答えた。

「私は、正直まだ心の整理がついてない、けど本当にアリスが黒幕なら私は博麗の巫女の名にかけてアリスを倒して異変解決するまでよ!」

「つまり、ついてくるってことでいいのね?」

「ええ!」

「お嬢様。もちろん私もついていきますわ。お嬢様になにかあってからでは遅いですから。」

今にも出発しそうな咲夜を止めてレミリアが言った。

「貴女には悪いけれどフランの面倒を見てもらうわ。あの子まだ起きてないから目が覚めたらご飯とか食べさせておいてくれる?紅魔館をもぬけの殻にするわけにもいかないからね。フランと紅魔館をお願いするわ。」

レミリアがそう言うと咲夜は少し不満気な表情で頷いた。

「わかりました。ご武運をお祈りします。」

「ふふ。物わかりの良い従者を持つと私も安心して紅魔館を預けられるわ。」

レミリアはどこか楽しげな表情で言った。

「決まりね。それじゃあ行くわよ。『精霊寄生異変』を解決しに!」

   ーーーーーーーーーーーーーーー

 その頃、幻想郷のとある場所にて。

「ふふふ。これだけ作ってばら撒けば私の手駒も十分だろう。思い知れ博麗の巫女、思い知れ幻想郷の住民共。この私の恐ろしさを!最後にこの最強の寄生霊を幻想郷の賢者『八雲 紫』に寄生させれば完璧だ!」

その手には、紅い寄生霊が握りしめられていた。

   ーーーーーーーーーーーーーーー

レミリア一行はアリスの家に向かうべく魔法の森を目指して歩いていた。道中何度かチルノに絡まれたがその都度霊夢や魔理沙が一撃で倒していた。しばらく歩いたところで魔理沙が口を開いた。

「なあ、なんで紫もついてきたんだ?」

魔理沙の目線の先にはちゃっかりついてきた紫がいた。

「あら〜良いじゃない別に。私だって幻想郷の賢者として何か役にたちたいのよ〜。」

「普段は私に丸投げのくせに。」

霊夢は呟いたが紫は無視して続けた。

「それにもう一つ寄生霊についての情報があるのよ〜。

それについて教える前にことが進んじゃって今まで話す機会無かったのよ。」

紫はそう言って笑った。

「ならさっさと教えなさいよ!」

霊夢はキレて紫に怒鳴った。紫は気にする素振りも見せず笑って続けた。

「今から教えるから。寄生霊はね、強さの階級があるのよ。それによって操った時の対象の強さが大きく変わるわ。そしてその強さは寄生霊の体色で分かるわ。基本的にオレンジ色が最下級、そこから白、黒の順に強いわ。」

「それ以外の種類はいないのかしら?」

パチュリーが尋ねた。

「今のところはね。ただ今後もっと種類が増える可能性は十分あるわ。現に黒の寄生霊もさっき始めて見たのよねえ。もし見たこと無い寄生霊を見かけたら細心の注意を払って退治するのよ。力が未知数だから、、、とそんな話をしてる間に着いたわね。」

一行の前には小洒落た木の家があった。アリスの家だ。

「よし、入るのぜ。」

魔理沙が入ろうとした瞬間 バーン! アリスの家の扉が勢いよく開いた。その先には金髪ショートで頭にはカチューシャをつけた七色の人形使い「アリス·マーガトロイド」が立っていた。

「ア、アリス...なのぜ?」

「……。」

アリスは返事の代わりに無数の弾幕を撃ってきた。魔理沙達は間一髪飛び退いて避けた。

「魔理沙大丈夫!?アリスも操られてるってことは黒幕はアリスじゃなかったの!?」

「そのようね。おそらく黒幕は別にいるわ。」

パチュリーがそう言った瞬間家の裏から一体の人形が飛び出した。その姿は、寄生霊を二回りほど大きくしたような黄色い姿だった。その人形はいきなり攻撃を仕掛けてきた。

「あれも寄生霊なのかしら…?」

「見た目や気配は寄生霊ぽいけど、、寄生せず直接攻撃してくるタイプは聞いたことも見たこともないわねえ。」

レミリアと紫が話してる間にも弾幕はヒートアップしてくる。

「っ!魔理沙!私達でアリスの相手するわよ!」

パチュリーが叫ぶと魔理沙もミニ八卦炉を構えた。

「霊夢、私とレミリアでこの寄生霊の相手をするから貴女と美鈴は近くに真の黒幕や他の寄生霊がいないか確認してきて!」

紫とレミリアが戦闘態勢に入りながら叫んだ!

「わかったわ!」「了解です!」

霊夢と美鈴は飛び上がり周囲の偵察に行った。

   ーーーーーーーーーーーーー

 アリスは魔法陣を次々と描き魔理沙達に容赦のない弾幕攻撃を浴びせた。

「くっ!流石に強いわね…。」

「おいパチュリー!またあの強力な光魔法でアリスから寄生霊を叩き出せないのか!?」

魔理沙が叫ぶとパチュリーは苦い顔で答えた。

「無理よ。あの魔法は事前に地面に特別な魔法薬で魔法陣を描いて置かなければならないの。そして今はその魔法薬を持ち合わせていないのよ……。」

「つまりアリスに真っ向勝負を挑んで倒さなきゃいけないのかよ!ちくしょう!!やってやるのぜ!」

魔理沙の勇ましい姿を見てパチュリーも真剣な顔で言った。

「そうね、、ええそうね!やってやりましょう!」

パチュリーはそう言うと自身の周りに魔法陣をいくつも出現させ弾幕の嵐を浴びせた。アリスは結界を張り弾幕から身を守った。その隙に魔理沙が後ろから弾幕を撃とうとした。しかし、アリスの操り人形が何十体も現れ魔理沙に一斉攻撃をし始めた。

「くそっこいつら!邪魔くさいな!」

そう言って人形たちを振り払ったがきりがない。その間にアリスは魔理沙に狙いを定め弾幕を撃とうとした。

「仕方ない。パチュリー!うまく避けてくれ!」

魔理沙はそう叫ぶとミニ八卦炉を構えた。パチュリーは自身に結界を張って身を守った。

恋符「ノンディレクショナルレーザー!」

細いレーザーがいくつも現れ人形たちを一体残らず焼き払った。しかし、アリスには結界で防がれてしまった。

「…………!」

アリスは一瞬悲しげな顔をしたが直ぐに真顔に戻りスペルカードの発動態勢に移った。

「魔理沙!こっちに来て結界を二人で張るわよ!じゃないと二人共ここで全滅よ!」

「わかったのぜ!」

魔理沙とパチュリーが結界を張った瞬間。

呪符「ストロードールカミカゼ!」

何体もの人形が一列になった弾幕を持って向かってくる。魔理沙とパチュリーは必死に警戒を維持し続けスペルカードを耐えきった。

「なんとか耐えきったな。ん?」

魔理沙はアリスの顔を見て驚いた。操られ自我を失っているはずのアリスの目には涙が浮かんでいた。彼女は苦しんでいるのだ。友人を傷つけてしまっている事実を。彼女は悲しんでいるのだ。罪のない人形たちを戦いの道具として使い、壊してしまっていることを。

「アリス…。お前を必ず助け出してやる!」

魔理沙はそう言うと箒の後ろにミニ八卦炉を構えた。

恋符「ブレイジングスターー!!!!!!!!!!」

魔理沙は流星の如くアリスに突っ込んでいった。

「………!」

アリスは泣きながら自身の前に結界を何枚も張った。そこに魔理沙が目にも止まらぬ速さで突っ込んでいった。

「うおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

結界が一枚また一枚と剥がれていく。魔理沙は結界を剥がしながら呟いた。

「そういえば昔、魔法が使えるだけで恐れられみんなに嫌われた私を救ってくれたのはお前だったな。みんなに虐められて自分の殻に閉じこもった私を殻を剥がして外に連れ出してくれたっけ。今度は私がお前のことをその結界を剥がして外に連れ出す番だな。はああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

最後の結界が剥がれ次の瞬間には青い寄生霊が魔理沙の手で片付けられた。

   ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 「スピア·ザ·グングニル!」

レミリアの放った槍は大寄生霊を貫いた。

「あら、意外と弱いのねえ。」

紫が調子に乗った瞬間大寄生霊に空いた穴から毒霧が噴出した。

「くっ!何よこれ!」

レミリアは口と鼻をふさいでうめいた。毒霧が収まった頃には大寄生霊の穴が塞がってしまった。

「やっぱり一撃では仕留められないか。」

レミリアがそう呟いてもう一度グングニルを放とうとしたとき、大寄生霊が攻撃を仕掛けてきた。両手から弾幕を放った。

「危ない!」

紫はそう叫びレミリアの前にスキマを開け弾幕を全て飲み込み代わりに大寄生霊の後ろにもスキマを開け飲み込んだ弾幕を撃ち込んだ。

「ここまで粉々にすれば流石に再生できないでしょ。」

しかし、また毒霧を放ち再生してしまった。再生し終わった途端スペルカードを放ってきた!

毒符「バイオレントポイズン!」

弾幕が一斉に放たれた。レミリアは槍で弾幕を全て叩き切ろうとした、が即紫が止めた。

「やめなさい!その弾幕一つ一つに毒が仕込まれてるわ!」

レミリアは槍を振り上げたところでギリギリ踏みとどまり槍を消した。

「くっ!ならこれどうやって捌くのよ!」

「貴女は結界を張って自分の身を守りなさい!私はその間にスキマで毒弾幕を移動させるわ。その後に貴女はスペカであいつを消し去るのよ。貴女の弾幕ならあいつを燃やし尽くせるはずよ!」

「分かったわ。」

そう言うとレミリアは結界を張った。しばらくして弾幕はすべて消え去った。

「レミリア今よ!」

レミリアは溜めていた力を一気に解き放つ!

「喰らえ!スカーレットディスティニー!」

幾千ものナイフ弾が大寄生霊に襲いかかり粉々にしてしまった。もう再生もできないだろう。

   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 その頃霊夢たちは真の黒幕が近くにいないか探していた。

「ふむ。こちらの方から気が感じます。恐らく黒幕かと。」

「よし行ってみましょう。」

霊夢は美鈴について行った。たどり着いた場所は綺麗な黄色い花が咲いてる花畑だった。花畑の中心部には幼い金髪の少女が座っていた。

「あら、もうバレちゃった。」

霊夢は険しい顔で言った。

「黒幕はアリスじゃなくて貴女だったのね。メディスン·メランコリー。」

Next phantasm

 

 

 

 

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