メディスンは不敵な笑みを浮かべて言った。
「私の作った『巨大人形』は、もう倒されたようね。」
霊夢は叫んだ。
「あんた、何が目的であんなのばら撒いたのよ!」
メディスンはため息をついて言った。
「そんなこともわからないのね…。人形を大切にしない人間達への復讐よ!どいつもこいつも古くなって壊れたらすぐ捨てて新しいのを買う…。だから思い知らせてやるのよ、人形達の怒りを!あんた達も私の計画の邪魔をするなら容赦しないわ!出てきなさい、私の最高傑作『レッドデビル』!」
メディスンが叫ぶと空から紅く巨大な寄生霊らしきものが飛んできた。それは、霊夢達の前に急降下してきた。 「これが、『レッドデビル』…ですか。安直な名前ですね~。」
美鈴が苦笑いを浮かべて言った。霊夢も付け加えた。
「確かに名前はダサいけど油断したらだめよ。案外強いかもしれないんだから。」
メディスンは顔を赤くして怒った。
「あんた達!そんなにダサいダサい言うこと無いじゃない!」
「私は、ダサいとは言ってないですけどね…。」
美鈴は、呟いたがメディスンには聞こえてなかったようだ。メディスンの怒りは収まらず喚き散らした。
「もう怒った!レッドデビル!さっさとあいつらを倒して、二度とあなたの事をダサいと言えないようにしてやんなさい!」
レッドデビルは腕を前に突き出し、手の先から無数の弾幕を打ち出した。霊夢達はなんとか全ての弾幕を避けきった。
「名前負けしてると思ったけど案外強いのね。」
霊夢はそう言ってお祓い棒を構えた。
「あはははは!良いわ!その調子で二人をコテンパンにしてやんなさい!」
メディスンは、いつの間にか弾幕の届かないところまで逃げていた。
「あの人逃げ足は速いですねえ。」
美鈴はそう言いながらレッドデビルに気弾を打った。
戦いの音は辺り一帯に激しく響き渡った。
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レミリア達の前には、粉になった巨大人形が落ちていた。
「流石にもう再生しないわよね。」
しかし、レミリアの苦労も虚しく巨大人形はまだ戻ろうとしている。
「まだ、戻れるの!?……ん?」
紫は人形が戻ろうとしている中心に丸い物体が落ちているのを見つけた。
「もしかして。」
紫はそうつぶやき丸い物体をこわした。すると人形は光りに包まれ跡形もなく消え去った。
「終わった…の?」
レミリアはそう呟くと膝から崩れ落ちた。紫が壊した丸い物体を見ながら言った。
「おそらくこの物体が人間で言う心臓の役割をしていたのね。そしてそれを壊したことで人形自体の機能が停止したのね。」
「なるほどね。それにしても一体どうやってそんな機能の物質が出来ているのかしら。」
レミリアが呟くと紫はこう言った。
「もしかしたらあなたのところの図書館の司書のパチュリーに調べてもらえばわかるんじゃないかしら?この破片を預けるからあなたから調べてもらえるように頼んでくれない?」
紫がそう言いながら破片をレミリアに渡した。
「それじゃあ私は、一旦藍達のところに帰るわ。その破片について何かわかったらこれを使って私を呼んで。」
紫が差し出したのは薄くて四角い鉄の塊だった。表と思わしきところにはガラスが貼ってある。
「これは?」
レミリアがそう尋ねると、紫は自信満々に説明した。
「これは、外の世界の『スマホ』と言うものでね。河童に再現してもらったのよ。ここをこうしてこうすると…。」
紫は、スマホの使い方を簡単に説明した。
「このスマホの使い方は大体わかったわ。要は通信装置ってわけね。」
「その通りよ。それじゃあ私は帰るわね。バイバ〜イ。」
紫は、手を振りながらスキマの中に消えていった。
「さて、私はパチェの様子でも…。」
レミリアがパチュリー達のもとに行こうとした瞬間森の奥から激しい音が鳴り響いた。
「美鈴たちのほうからだわ!行ってみましょう!」
レミリアは翼を広げて森の奥へ飛んで行った。
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「くっ!こいつ攻撃してもすぐに再生するわ!」
霊夢は弾幕を撃ちながら叫んだ。
「霊夢さん!今は口より手を動かしてください!」
「うるさいわね!弾幕も撃ってるわよ!」
霊夢と美鈴は言い争いながらも連携を取って背後を取ろうとしている。しかし、いくら背後から撃っても再生してきりがない。それに加え、レミリア達が相手していた人形と同じように毒もばら撒いてくる。
「くっ!毒も結構厄介ね!こうなったら!霊符…。」
霊夢がスペルカードを使おうとした瞬間、レッドデビルの目からレーザーが放たれた。霊夢が気付いた時にはもう遅い。
「な…!よ、よけられな…。」
霊夢が覚悟を決め、目を閉じた。が、いつまで経ってもレーザーは飛んでこない。霊夢は恐る恐る目を開けた。
視界の先にはコウモリのような翼を生やし右手に紅い槍を持ったレミリアがいた。
「ふふ。霊夢危なかったわね。油断大敵、よ。」
「うるさいわね…。まあ、ありがとう。」
霊夢はバツが悪そうに言った。そこに美鈴が割って入った。
「お嬢様!ご無事だったんですね!…紫さんは、ご一緒ではないんですか?」
レミリアは、弾幕を捌きながら言った。
「紫なら帰ったわ。」
「帰った!?え、帰ったの!?」
霊夢は度肝を抜かれた。そのまま霊夢は喚き散らした。
「あいつ普通まだ戦ってるかもしれない仲間置いて自分だけ帰る!?しかもあいつがこの異変に首突っ込んだ理由私だけだと心配だからとかほざいてたよねえ!?どうせまた興味あっただけとかそんなしょうもない理由なんだろうけど、大体あいつは…。」
どんどんヒートアップする霊夢を美鈴が必死になだめてなんとか収まった。その間にもレッドデビルは弾幕を撃ちまくってくる。
「霊夢、美鈴よく聞いて。あいつの中には核が埋まってるわ。貴女達二人であいつをなんとかひきつけて。その間に私がグングニルであいつの核を貫く。」
「わかったわ!」「承知しました!」
霊夢と美鈴はレッドデビルをひきつけるために威力を最小限に抑えた弾幕を撃ちまくった。
「こっちですよー。」「こっちよ。こっち〜。」
その間にレミリアは背後に回り込みグングニルを構えた。
「我が神槍、汝を貫かん!」
神槍「スピア·ザ·グングニル!!」
紅い槍がレッドデビルの頭の核を貫く。レッドデビルは跡形もなく消え去った。
「ああー!!私の最高傑作のレッドデビルがあ!うう
待ってなさい!また巨大人形を作って今度こそあんた達をやっつけてやる!」
メディスンは、そう叫び何処かに飛び去った。
「くっ…。逃げ足は速いわね。」
霊夢は悔しそうに唇を噛んだ。
「まあ良いじゃないですか。誰も欠けることなく勝てたんですし。それに…アリスさんが黒幕じゃなかったんですから。」
美鈴はそう言って慰めた。
「それもそうね。それじゃ魔理沙達のところに行ってみましょう。流石にもう寄生霊も倒せてるでしょ。」
一行は、魔理沙達のもとに向かった。
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「うう…。魔理…沙?どうしてここに…?」
アリスは、ベッドに横たわりゆっくりと目を開け言った。
「アリス?大丈夫なのぜ?」
魔理沙は、心配そうに覗き込み言った。
「ええ、もう大丈夫よ…。」
起き上がろうとするアリスをパチュリーが止めて言った。
「まだ起き上がらないほうが良いわ。横になりながらで良いから何があったか教えてくれる?」
アリスは、頷きゆっくりと話し始めた。
「あれは、私がいつものように魔導書を読んでいた時のことよ。窓の隙間から水色の寄生霊が入り込んだの。
寄生霊については知っていたから距離をとって捕まえようとしたの。でも後ろから何者かに羽交い締めにされて、そのまま…。誰が羽交い締めにしたのかは今でも分かってないわ。」
話を聞き終えると魔理沙は口を開いた。
「分かったのぜ。色々教えてくれてありがとうな。」
しばらくして霊夢達が到着した。レミリアは、パチュリー達に事の顛末を説明して核の破片をパチュリーに預けた。
「それじゃあしばらくあなたもゆっくり寝てなさいね。さようなら。」
霊夢を先頭に一行はアリスの家をあとにした。最後に魔理沙が出ようとしたときアリスが呼び止めた。
「待って魔理沙ちょっと耳貸して。」
「ん?なんだ?」
アリスは魔理沙の耳元で囁いた。
「私を外に連れ出してくれてありがとうね。」
「………お互い様なんだぜ!」
「魔理沙ー。早くしなさいよ。」
「おう霊夢!それじゃアリス、またな!」
二人は少し頬を赤らめて手を振った。みんなを見送ったあとアリスは一人で呟いた。
「ふふ。魔理沙は普段はガサツだけどいざという時には頼りになるようになったわね。あのときの泣き虫が、感慨深いわね。」
アリスは魔理沙との思い出に浸っていて気づかなかった。机の下にある水色の抜け毛に。
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その頃幻想郷のとある場所にて。
「紫に寄生させるなら今ね。行きなさい、私の可愛い寄生霊·紅!」
紅い寄生霊は驚くことにスキマを開けて紫の下に向かった。
「ふふふふふ。ハハハハハハハハハハハ!」
不穏な笑い声が辺りに響き渡った。
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紫は家に着くなり眠りこけた。そんな紫を見て紫の式神「八雲 藍」が呆れたように言った。
「紫様…。帰ってくるなり寝るのは幻想郷の賢者としてどうなんですか。」
紫は悪びれもせず言った。
「あらあ〜。別にいいじゃない。私だってさっきまで戦ってたのよ~。じゃあ夕飯の時間に起こしてね~。」
言い終わると紫はすぐにいびきをかきだした。
「全く、しょうがないですね。」
藍は呆れて部屋を出ていった。そして一人になった紫に完全に気配を消した寄生霊·紅が近寄り、寄生した。
紫は起き上がりスキマを通ってどこかに行ってしまった。しばらくして藍が様子を見に来た。
「紫様ー。ご飯ですよー。……紫様?」
しかし、藍の呼びかけに応える声は無かった。
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