「はわわわわ…。れ、霊夢さん!こいつら倒しても倒してもキリがありませんー!」
早苗は泣きそうな顔で叫んだ。霊夢は弾幕を撃ちながら言った。
「それでもやるしか無いでしょ!」
「人手が足りませんよー!魔理沙さんとか咲夜さんとか呼んできて下さいよー!」
「そんな時間ないわよ!あんたこそ諏訪子とか神奈子とかいないの!?」
「諏訪子様達は今地底の温泉旅行に行ってますのでいらっしゃいません!」
霊夢は呆れた顔で言った。」
「あのバカ神ども、肝心な時にいないわね!他に頼りになりそうな奴いないの!?」
霊夢がそう言っている間にも寄生霊は山の妖怪達に寄生していっている。山が占拠されるのも時間の問題だ。
「うう、他に頼りになりそうな人ー頼りになりそうな人ー…う〜ん、いませんー!」
「早苗さん完全に私のこと忘れてないか?これでも天狗達の上司なんだからそこそこ強いんだぞ?」
「へ??」
早苗達が振り向いた先には蒼い髪に蒼い被り物を被り、藍色の服を着た天狗がいた。天狗達の上司、大天狗
「飯綱丸 龍(めぐむ)」だ。彼女の顔を見た霊夢は信じられない顔をして早苗に尋ねた。
「え…。あんた飯綱丸の存在今の今まで忘れてたの…?」
「あはは〜…そのようですね!」
早苗はケタケタ笑って誤魔化した。飯綱丸はほんの少し悲しそうな顔をして言った。
「まあ、今は寄生された部下達を倒して回るとしよう。三人なら手分けすればこの程度なら直ぐに終わるはずだろう。」
飯綱丸はそう言うと直ぐに討伐に向かった。
「まあ普通の強さの寄生霊だったら大丈夫ね。」
霊夢がそう言うと早苗が尋ねた。
「え?寄生霊にも強さのランクあるんですか?」
「ええそうよ。まあ見た感じ最低ランクがほとんどっぽいから大丈夫ね。詳しくは終わってから話すから今は倒す事だけに集中しなさい。」
「わかりましたー!」
二人は反対方向に飛んで行った。
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ー1時間後。ほとんどの寄生霊を倒した霊夢達。残りの寄生された妖怪は数体となった。
「はぁ、はぁ…。やっとゴールが見えてきたわね。」
「そうですね…、霊夢さん。残りの方はええと…文さんと…。」
「ふんふん。」
「椛さんと…。」
「ほうほう。」
「飯綱丸さんと…。」
「ふんふ…ん?」
「アリスさんですね!残り四人、頑張りましょう!」
「ちょいちょいちょいちょいちょい待って?」
霊夢は目を白黒させて言った。
「えーとね、まず椛は分かる、んで文もまあ分かる、飯綱丸は百歩譲ってまあまあ分かる。でもね、なんでアリスいるの?」
「ええとですね~、アリスさん妖怪の山に群がる寄生霊の群れを見てこりゃ大変だと直ぐに飛んできてくれたんですけど速攻操られたんですよ馬鹿ですよね〜(笑)」
「あんたには馬鹿呼ばわりされたくないでしょうね。 しっかしありがた迷惑がここまで似合う人も珍しいわね…。」
霊夢は呆れた顔で言った。
「まあ寄生されちゃったもんはしょうがないですよ。サクッと倒しましょ!とりあえず二手に別れて敵を分断しましょ!」
「わかったわ、貴女はあっちへ行って。私はこっちに行くから。」
霊夢達は二手に別れた。霊夢の方には文とアリスが、
早苗の方には椛と飯綱丸がついていった。
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ー霊夢はしばらく飛んでから振り向き呟いた。
「私の方には…文とアリスか。寄生してるのがオレンジの奴ならいいけど黒とか水色とかなら厄介ね。」
文達は霊夢が止まったのを見て戦闘態勢に入る。始めに文が手に持つ扇で強風を巻き起こした。霊夢は吹き飛ばされないように踏ん張った。
「くっ、忘れがちだけど文も結構強いのよね。それに加えて今はアリスも寄生されてるし…意外とピンチかもしれないわね。」
霊夢は呟きながらお祓い棒を構えた。アリスは周りに魔法陣を創り出し弾幕を撃ち出した。文は霊夢の周りを飛び回りながら弾幕を撃ち込んだ。霊夢は反撃する間もなく弾幕を避けた。
「これは…かなりやばいわね。おそらく寄生霊のレベルは白…いやそれ以上かもしれない。スペルカードで一人一人狙い撃ちでトドメをさす!まずは文から!」
霊符「夢想封印!」
霊夢の周りにいくつもの色とりどりの大きな弾幕が現れた。それは文目掛けて飛んで行った。文は持ち前の速さで避けようとしたが弾幕は文を追尾し、そのうちの一つが当たった。
「…!」
文はよろけたが直ぐに扇を構え直した。
「流石に一回じゃ仕留めきれないか…。」
霊夢はもう一度スペルカードを放とうとした。しかしその隙に文は鋭い弾幕を撃ち込んだ。霊夢は避けるのに精一杯で次の攻撃に移れない。その隙にアリスは魔法で刃物弾幕を創り出し、文は扇を一振りする。文の扇により生み出された竜巻にアリスの刃物弾幕が巻き込まれ霊夢に襲いかかる。
「ヤバい…。あんなのに巻き込まれたら確実に…!」
霊夢は全速力で逃げた。しかし範囲が広い上竜巻の速さは霊夢の全速力より速かった。
「いや…やだ…誰か…誰か助けて!」
霊夢は目に涙を溜めて叫んだ。竜巻は霊夢の直ぐ後ろまで迫ったその時。スカーレット姉妹が各々の武器を手に飛んできた。
神槍「スピア·ザ·グングニル!」
禁忌「レーヴァテイン!」
レミリアとフランが手にした武器を全力で振り回す。
すると竜巻に巻き込まれた刃物弾幕は一つ残らず叩き落された。レミリアはくすくす笑った。
「ふふ、博麗の巫女でも泣くことはあるのね。私達スカーレット姉妹を見習ったほうがいいわよ?」
「うるさいわね。でもありがとうね。レミリアにフラン。」
霊夢は慌てて涙を拭って言った。レミリアはアリス達に向き直した。
「あら、またアリスは寄生されたの?仕方ないね…。 それじゃあ反撃するとしましょう。」
「ええ、お姉様!私達の力を見せてあげるわ!」
レミリアとフランは武器を構えて同時に攻撃を仕掛けた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ー一方その頃早苗は。
「うわぁ…やっぱりこちらにも二人来ちゃいましたか…。あわよくば霊夢さんの方に三人くらい行けば私も楽々倒せるんですけどね。」
早苗は面倒そうな顔をしてお祓い棒を構えた。
「まあ、仕方ないですね。私の奇跡の力を見せてあげましょう!」
早苗は弾幕を☆マークに並べたものをいくつも創り出し一斉に飯綱丸達に放った。椛は弾幕を剣で払いながら避け、飯綱丸は弾幕を避けながら攻撃を仕掛けた。
「うわ、流石に天狗達の上司ともなるとお強いですね。これは早速スペルカードを使うとしますか!」
奇跡「神の風!」
早苗を中心に多くの弾幕が撒き散らされる。それはまるで早苗を目とした台風のようだ。流石の飯綱丸達もこれは捌き切れず幾つか被弾してしまったようだ。
「勝負ありましたかね〜。あれ?寄生霊がまだ出てきてな…?」
早苗が調子に乗り出した瞬間椛が斬り掛かってきた。
「うわ!まだやる気ですか!?しかも刀って…殺意マシマシじゃないですか〜!」
早苗は殺る気まんまんの椛から必死に逃げた。その隙に飯綱丸もスペルカードを放った。
星風「虹彩陸離の舞!」
幾つものレーザー弾が周囲に放たれる。早苗は避けるので精一杯だ。
「わわ、レーザー弾とレーザー弾の隙間がまあまあ狭い!こんなことならもう少し痩せておくんでした…。」
早苗はレーザー弾を避けるのに集中してもう一人、
椛が居ることを忘れていた。椛は逃げ回る早苗に狙いを定め、スペルカードを放つ。
狗符「レイビーズバイト!」
赤と黄色の弾幕が口のような形になり中に早苗が囚われた。
「ふぇ!?これは…避けきれません!」
早苗は目を閉じ、歯を食いしばんだ。口のような弾幕が早苗を食い千切ろうとしたその瞬間。数本の柱が早苗を囲い守った。
「早苗、大丈夫かい?」
「…え?か、神奈子様!?」
そこには早苗の神社で祀っている神、紫の髪に楓と銀杏の飾りを付け、しめ縄を輪にした物を後ろに浮かした「八坂 神奈子」がいた。
「私もいるよ〜。」
神奈子の後ろからは幼い見た目に金髪、頭には二つの目がついた帽子を被り白の袖を付けた紫の服を着た早苗の神社で祀っているもう一柱の神「洩矢 諏訪子」だ。
「諏訪子様まで…温泉旅行ではなかったんですか?」
「今さっき帰ってきたんだよ。そしたら妖怪の山の方から煙が出ているもんだから慌てて飛んできたんだよ。それで…。」
神奈子は椛達を睨んで言った。
「なんで大天狗と白狼天狗が早苗を襲ってるんだい?」
「あ、えと…簡単に説明しますと彼女達は操られてるんです。でもダメージ与えると操ってる本体が出てくるんでそれ倒したら解決って感じです。」
「おっしゃー分かった!諏訪子、あんたは椛の相手をしな!私は飯綱丸をぶっ倒す!早苗は先に神社で休んでな!」
神奈子はそう叫ぶと諏訪子は呆れ顔で言った。
「全く神奈子は早苗の為となると相変わらず暴走するねぇ。まあ…、私も早苗が痛い目に遭わされて黙ってるわけにもいかないからここは神奈子の言う通りゆっくり神社で休んでなよ。」
早苗は申し訳無さそうに言った。
「そんな、諏訪子様達が戦ってるのに私も神社で休むわけには行きません!私は遠くで応援しながら見守ってます!」
「……一緒に戦うわけではないんだね。まあいいさ、早苗は巻き込まれないところにいな!」
そう言って諏訪子は椛のところに飛んで行った。
Next Phantosm
おまけ
〜紅魔の素敵な住民たち〜
がんばれ小悪魔!の巻
「こあー、ちょっとお茶持ってきて〜。」
地下図書館にパチュリーの声が響く。
「ちょっと待ってくださいよー。私今パチュリー様が読んでそのままにした本を片してるんですから。」
「やかまし!いいから片付けは後回しにして私の為に一刻も早くお茶を持ってきなさい!」
「全く…パチュリー様は人使いが荒いんだから。」
こあは溜め息をついてキッチンに向かった。
「私図書館の従業員として呼ばれたはずなんだけどなぁ。ここ最近ほんの整理よりパチュリー様のお世話の方が多い気がするんだよなぁ…。」
そう言いながらも主の為に紅茶を淹れた。こあの主な仕事は書庫の整理である、がその中にパチュリーのお世話というのもしれっと入ってきている。おそらく仕事量だけで言えば咲夜の三分の二程度である。三分の二と言えば少なく聞こえるかもしれない。しかしこあの仕事はこれだけではない。
「ちょっと〜こあー来てー。」
「パチュリー様ーなんですか?」
「新しい魔法開発したからモルモットになんなさい。」
これもこあの仕事の一つ、外の世界で言う治験的なことを週4のペースでやらされる。
「で、何の魔法なんですか?」
「ああ、それはね『髪と羽が全部抜け落ちる魔法』よ。」
「絶対に私にかけないでください!戻らなくなったらどうするんですか!」
「大丈夫よ。大体八割くらいの確率でもとに戻るから。」
「二割引いたらどうするんですか!」
こうしてこあは魔法の実験台にされた。翌日無事に八割を引き当てられた。
「あああ~昨日は生きた心地がしなかった。戻ったから良かったけど…。さてと今日の業務はこれで終わりだしゆっくりしよう。」
こあが本棚の整理を終えて自室に戻ろうとした時。
「パチュリー!今日も本をもらってくぜー!」
そう叫び声が聞こえて箒に乗った魔理沙が飛んできた。魔理沙は本を何冊も抱えて逃げようとした。
「魔理沙ー!待ちなさい!」
パチュリーが必死に魔理沙を追いかける。その反動で本棚がバッタバッタとなぎ倒される。そんな様子をこあはぼんやり見つめて呟いた。
「……今日も残業か。」
こあは今日もパチュリーたちのせいで残業するのだった。