ラブコメがしたいエセ電波VSどうあがいてもオカルトになる本物 作:夏之 夾竹桃
「神様って信じますか?」
目の前の愛らしい彼女、
昼休みの喧騒のなか、彼女は俺の席を占領しなぜか俺に話しかけている。
「幽霊なら信じる。」
「なるほど、神代くんはそう言う質で…あれ不思議ですよね。幽霊って信じてる?って聞いたら、最悪『んなもんいるわけねぇだろ』ってなるのに、神様って信じますか?って聞いたら、最悪逃げられる。なんなんですかね。」
「んまあ…宗教臭いからじゃないか?」
「いいじゃないですか!神様信じたって!!」
「まあ信じる分には構わんだろうな。ただ危ない香りがするから俺は近寄らないが。」
「なんなんですかそれ!!酷いですよ!!」
「酷いって言われても…神様信じてるやつなんてろくでもないやつだし。」
「なっ!敵に回しますよ!!このご時世にそんな言葉!!」
「あぁ、それでいい。あいつら頼るばっかりなもんで本当に重いんだから。自覚しろっての。」
「え…?」
「え…?」
「て、言うか神代くん、実家お寺なんだってね。」
「まあそうだな。」
「なら、なおのことさっきみたいなセリフ言っちゃダメなのでは?」
「だってしょうがないだろ。俺は別に悟なんて開いてないし神でも仏でもないんだから。」
「なんかいろいろアウトな気がするけど。じゃあやっぱり、神代くんは神様は信じてないと。」
「いやまあ…居るだろ。」
「言ってることが違うじゃないですか!?」
「いやあ…だってねぇ。三珠にもついてるじゃん。神様。」
「ふぇ?」
「そんな、なに言ってんだ?みたいな顔すんなよ。最初に言い始めたのは三珠だろ?」
「な、なんか話が飛躍してる…電波系のキャラで通そうと思ったのに格上がいる…。」
「仮に電波系とて神様から聞くのは辞めろ?揉め事の原因になるぞ。」
「むぅ…やっぱりダメか。なら、本物の神代くん。ズバリ答えて、私に幽霊ってついてる?」
「少なくともこの部屋には居ないだろ。」
「ほう、即答だね。」
「俺がいるし。」
「なに、そのなまじ寺生まれだから俺TUEEEEEEみたいなの。」
「いやいや、普通に俺はこれでも行してるから。」
「行してんの?」
「そりゃするだろ。」
「ごめん、寺生まれの普通わからないから。」
「そっかぁ…。」
「え、やっぱりさ、心霊スポットとかって行ったら危ないのかな?」
「むやみやたらに行くもんじゃないだろ。要はよそ様の土地みたいなもんなんだ。普通に迷惑だろ。」
「なんてドライな…。」
「正論と言ってくれ。」
「とか言って、本当は怖いんじゃないの?幽霊。」
「ホラー映画は素直に意味わかんないくらい怖い。あんなもの見るくらいなら心霊スポット巡りしたほうがマシだ。」
「本末転倒って言わない?」
「割りとまじにそう思ってる。」
「んじゃあさ、私と行ってみる?心霊スポット。」
「…なぜ?」
「だってほら…見てみたいもん。いつも澄ました顔してる神代くんのびびってるところ。」
「………あっそ。んで、場所は?」
「ふふん。近場のトンネル。あそこ開通工事中事故があったみたいでね…何人もの人が亡くなったんだって。」
「…ほう。」
「あと北西200メートルの位置に発狂した長女が一家惨殺を起こしたっていう、通称オレンジハウス。南に50メートルの位置に自殺の名所のころげ岬。東に100メートルの位置に手入れを忘れられた墓地があるって。」
「そんなバミューダトライアングルはあってはならん。」
「あとついでに鹿が出る。」
「その情報いるか?」
そう言うわけで、その夜、俺たちはそのスーパークレイジーオカルテックトンネルへと向かうこととなった。