前に上げたのいつだろうね?ハッハッハ!
ごめんなさい。
時刻はとっくに深夜の2時を回り、本来なら俺らのような子供はさっさと寝るべきだろう。
しかし、俺とミトはベッドに横になりながらもなかなか寝付けずにいた。
なぜかって?その理由は簡単だ…
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「(自主規制)」 「(自主規制)」
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両隣から絶えず聞こえる男女の声だよ!!
もう少し静かにできねぇのか!?やったことないからわかんないけど!
どうやらこの宿()は相当簡素な作りらしい。まあこの宿がある50層はモチーフがスラム街っぽいし、値段もかなり安価だったからしょうがないけど。
ミトはなんとか説得できたが、思春期の男女にこれは刺激が強すぎる……
部屋から出ようとしたら何故かロックがかかっていた。扉の上を見ると…
『この扉は朝の6時に開錠します、ぜひ朝までお楽しみ下さい。^^』
この宿燃やしてやろうかな?
しかも、ベットも一つしかないので俺らは今背中合わせで寝ている訳で…
正直、耐えるだけで精一杯だ…
俺は今非常に危険な状態だ。ここ最近、クリスマスのボス対策やレベリング、あと情報屋やミトのファンへの対処のせいでストレスや色んな物が溜まっている。
例えるなら俺は火薬庫だ、そして隣には起爆剤がある。最悪の場合……いや考えるのも危険な気がする。
「ねぇ…」
俺が苦悩していると起爆剤ことミトが普段聞かないような女の子の声で話しかけてきた
俺は内側で沸騰する火薬を必死に抑えながら答える
「な、なんだ…」
「…手、握ってくれない?」
「……」
あ、やばい…起爆剤に火がついた…
「…どうして?」
「その…ここ最近不安で眠れなくて。今も…隣からこ、声が聞こえてくるし。ちょっと怖くて…」
恥ずかしいのか段々と弱くなる声に俺の火薬は刺激される。
しかし起爆剤は膨張し続ける
「それに、今日シンが殺されかけたって聞いて…怖くて、居なくなっちゃうんじゃないかって…」
気づけばミトの声は恥じらいから涙声に変わり、そこで俺は少し正気に戻った。
前も思ったが俺は女の涙にとことん弱いらしい。
「…(深呼吸)…ほら!」
「え?」
俺は半ば投げ槍で体はミトの反対側を向いたまま左手をミトに向けた
「左手貸してやっから…早く寝ろ!」
「…ありがとう。」
数分後、ミトは俺の手を握るとすんなり寝てしまった。
背中から聞こえる穏やかな寝息に安心しつつも…
俺は爆発寸前の火薬を必死に鎮火していた
一山超えたか…そう思っていた時期が俺にもありました
数時間後、午前の5時を少し回った頃に、事件は起きた。
ぐっすり寝るミトと対照的に、俺は一睡もできなかった。しかしあと数十分耐えれば勝ち…
その時
「んー…」ギュ
「!?!?!?!!??」
寝相のせいか、ミトが背中からハグをしてきた。
背中に何か当たってる気がする……いや!枕だうん!ちょっと人肌みたいであったかいけど!枕にしては弾力がありすぎけど!!なんかちょっと先っぽが当たってる気がするけども!!!
この瞬間、俺の火薬庫は過去最高に熱が高まっていた。
「ミトさん…離してもらえますか」ボソッ
「んー…ま…だ……」
くそが、完全に寝ぼけてやがる。女の子っぽい声だしやがって可愛いなちきしょう!?
しかし、ミトは攻撃の手を緩めない。
「えへ…シ…ン……」
(『えへ』ってなんだよ!!あと俺の名を呼ぶなぁぁ!俺の側に近寄るなぁぁ!!?)
「好……き……」
(………)
何かが…爆発する音がした…
俺はミトの方へと向き直り、真っ直ぐに彼女を見た。その目は純粋な気持ちは一切なく、獣の様な目をしていただろう。
穏やかな寝顔と俺の胸に当たる柔らかい感触。間近でみる彼女の顔は今まで見たどの女の子より美しく、その唇は柔らかそうだった。
心臓の音がうるさい。仮想世界のはずなのに脈打つ鼓動が速くなるのを感じる。
気づけば俺は右手でウィンドウを操作し、最深部にある禁断の項目を操作しようとした……
「っは!?」
とそこで正気に戻り、俺は強引にでもミトからの拘束を解いてベッドから出る。
あっっぶねぇぇぇえええ!?!?もう少しで牢獄送りだった……まったく、コイツは自分の魅力を自覚して欲しい。
冷静になった俺は今一度ミトの顔を見つめる。そしてまた邪な気持ちが昂って来たのを感じた。
……これ以上気が動転する前にさっさと処理しよう
こうして俺はトイレに向かう…前に
ミトの右手に……
「これは詫びとして受け取っておく。」
俺は恥ずかしさで唇を押さえながらトイレへと逃げるように入った。
バタンと扉の閉まる音がした。
私はベットの中で状況を飲み込めずにいた。
え?今、手のひらにキスされた??しかもなんかキザな台詞吐いてトイレ行ったんだけど!?
起きたらベッドからシンが出てるわ、キスはされるわでよく分からない寝起きだった。
ただ分かるのは…
「心臓、止まんないんだけど…」
偽物の体は脈打ち、頬は焼けるように熱かった。本来なら、寝ているのを良いことに手のひらにキスされるのは良くないことの筈だ。
実際、ギルドの中にはそういうことをする人もいたし。その先もしようとする人まで現れた。そういう時には嫌悪感しか湧かないが、今回は違った。
心の底から溢れ出す気持ちは、私の頭に『好き』という2文字を思い浮かばせた。
「好き…シンのことが?」
シンの名前を呼ぶだけで私の心は軽く跳ねた。ああ、そうか…
「私、シンのことが好きだったんだ。」
その日、皆に慕われ、敬われる騎士は、皆に恨まれ、妬まれた死神に恋をした
今回もちょっと危ない回でしたね。俺もこんな状況になってみたい。
さてヒロインは恋愛モードに入りますが、主人公はどうなるんだ?
そんな二人の恋路に思わぬ障害が!?
次回 死神、失踪(多分)