ソードアート・オンライン 孤高の死神   作:AFGYT

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少しだけオリキャラとキャラ崩壊があります
そしてシリアス回です


死神の覚悟と討伐会議

saoに囚われて2年が経った。リアルでは夏休みに真っ只中だろう。

 

「杏奈は元気にしてるかな…」

 

妹の杏奈とも、もう2年も会えていない。saoに囚われた頃は毎日のように家族のことを思い出していたが、今となっては時々存在すら忘れそうになる。

みんなそうだ、俺たちはこの世界に慣れ過ぎた。最初は血気盛んだった攻略組も、モチベーションが下がり始めているらしい。

 

そんな攻略組に、とある情報が舞い込んだ。

『笑う棺桶』のアジトの情報だ。

殺人ギルドの彼等の被害は中層、下層だけでなく攻略組にも広がり始めた。これらの被害と有力な情報を受けて、KoBを中心としたラフコフ討伐の計画が立てられた。今日はその会議の日、ラフコフ殲滅活動をしていた俺はどこから情報が漏れたのかKoBから招集を受け、KoBの本拠地へと赴いた。

 

「相変わらずでかいな…」

 

アインクラッド55層 グランザム

その中心にそびえ立つ荘厳な建物こそ、最強ギルド『血盟騎士団』の本拠地である。本来なら近づきもしない場所だが、まさか呼ばれることになるとは。

因みに、ラフコフの殲滅を行なっていることは、アスナやミトはおろかキリトすら知らない。知っているのはアルゴだけのはずだが…

そんな疑問を抱えながら門の前に行くと、二人の人影が見えた。

 

「あなたが『死神』ですか?」

「ああ…」

「今回は招集を受けてくださり、ありがとうございます。私は今回の討伐戦のリーダーのリヒトと申します。そしてこちらが…」

「血盟騎士団第二副団長のミトです。」

「……よろしく頼む。」

 

よりによってミトか…アルゴから貰った変声機の装備のお陰でバレずにはいるが。いつまで持つか。

その装備は所謂チョークみたいなもので隠しやすく、顔も狐のお面で隠しているため簡単にはバレない…はずだ。

何故狐なのかって?好きだから。

 

 

 

会議室に案内される途中、リヒトさんは団長に用事があるとどこかに行ってしまい、ミトと二人きりになってしまった。

俺は黙ったままミトに付いて行っていた。その時、

 

「貴方は、どうしてラフコフを殺しているの?」

 

そんななんともない質問に俺は一拍おいて答える

 

「…友を殺されたからだ。」

「友?」

「友と呼ぶ資格も俺にはないのかもしれない。俺は彼等を危険に晒しておきながら、彼等を誰一人守れなかった。その時、衝動でラフコフの奴らを何人か殺した。最初は後悔しか無かった。だが、その後も奴らと相対し、また殺した時に感じたのた。俺はもう、戻れないのだと。そして、奴らを一人でも多く葬ることこそ、俺に科せられた罰であるとな。」

「…人を殺すことに罪悪感とかないの?」

 

「あるさ、俺は善悪も分からぬ殺人鬼になるつもりはない。しかし、けじめはつけねばならない。だから俺は誓った、もしこの世界から現実に帰還したなら、自ら命を絶つ。」

 

「……そう。」

 

ミトは黙ってしまった。今の言葉に一切の嘘偽りはない。俺の命は、この世界が終わる瞬間。それか、このHPが無くなった瞬間に…終わるのだ。

それが俺の覚悟であり、俺ができるせめてもの贖罪だ。

 

 

少しして、会議室に着き、そこにはリヒトさんとよく見る攻略組の面々にアスナやキリトの姿もあった。俺のことは気づいて無いっぽいが。

 

「じゃあ全員そろったし、会議を始める。まず、彼等の武器や注意点は……」

 

リヒトさんが会議をしきり、戦闘法や拘束の仕方。その他の情報を全て共有した。

 

「これで、我々が掴んでいる情報は全てだ。『死神』さん何か意見や付け加えはあるかな?」

「…そうだな、一つだけある。」

「おお!それはいった…「この情報は全て信じるな。」…え?」

 

困惑の声が部屋中に広がり視線が俺に集まる。その目には疑いや不満が見えた。

しかし、周りを無視して俺は続ける。

 

「俺は半年くらい前から奴らを追っているが。アジトの情報はおろか、さっき言っていた幹部達の詳細な情報も手に入らなかった。そして、奴らは狡猾だ。こんな重大な情報をそう簡単に流すはずがない。ならばこの情報漏洩も罠と考えるべきだ。」

「つまり、奴らは俺たちを誘い出して皆殺しに…?」

 

何人かの顔がみるみる青ざめていく。奴らは人殺しを快楽とする怪物だ、楽には死ねないだろう。その事実を知っていれば恐怖するのも尚更だ。 

 

「このまま作戦を実行すれば、そうだったろうな。作戦も一度見直した方がいい。集団で戦うというのは有効だが、幹部級になると厳しいだろうな。」

「というと?」

「俺はソロで動くが、集団ってのは余程統率が取れていなければ、あまり恐れなくていい。敵と敵の対角線上にいれば、同仕打ちを狙えるからだ。そして、敵が攻撃を躊躇えばこっちのものだ。」

「つまり、幹部には一対一で対抗するしかないってことね。」

「ああ、リーダーのPhoは俺がやる。幹部はあと二人、できればソロの戦闘に慣れてる奴がいい。」

 

俺は視線をキリトに送る、キリトは驚いた様子だったが視線の意味を理解したようで。

 

「なら、ソロの俺がやるよ…相手は、確定じゃないけど、やり慣れてるしレイピアの奴がいいな。」

「……」ムッ

 

やり慣れてるという言葉に反応したアスナが視線を送るが、キリトはあからさまに目を逸らす。こらそこ、いちゃつくな。

 

「じゃあもう一人の…毒使いは私かやるわ。」

 

ここで声を上げたのは、意外にもミトだった。

 

「な!?副団長様!何も貴方がやらなくても…!貴方の代わりに私が!」

 

そうやってミトを宥めたのは、同じKoBの女性プレイヤーだった。

アスナとミト以外にも女性プレイヤーがいたことにも驚いたが、彼女の目…どうもおかしい気がする…

 

「リン、気持ちは嬉しいけど。副団長という立場上、危険な戦場に向かうのは当たり前よ。それとも…私じゃラフコフに勝てないと?」

「っ…そうゆう訳では。…おい!死神!」

 

おっと、ヘイトがこっちに向いたようだ。

 

「ミト様に、万が一!奴らが卑怯な手を使って!!傷一つでもついてみろ!!!私はお前を殺すからな!!!」

「…勝手にしろ。だが、俺はお前ごときに殺されるつもりはないし。精々頑張って生き残ってくれよ。」

 

彼女の顔は怒りに満ちて此方を睨みつける。正直、何故俺のせいにされなければならないのか。

だがまあ、ミトを殺させるつもりは毛頭ないがな。

 

「さて…大体決まったかな。実行日は明後日!皆それぞれ準備しておくように!」

 

 

 

 

さて、そんなこんなで会議も終わり、皆が部屋から出て行く中。

 

「おい、あんた。」

 

俺はキリトに肩を掴まれて呼び止められた。後ろにはアスナとミトもいるようで。正直、今すぐにでも出ていきたいが…STRはキリトの方が上なので振り切れない。

 

「なんだ、黒の剣士よ。」

「お前、何故俺に幹部の相手を任せた?」

「…なぁに、簡単なことさ。お前から強者のオーラを感じたからさ。」

「なんだその説明は。なぁ死神さん…いや、シン。」

 

…何故バレた?口調から?佇まいか?…いや、キリトの目には迷いや不安がみえる。つまりは勘か?…本当、こいつの勘は鋭いな。だか、ここで馬鹿正直に晒す訳にはいかない。

 

「シン?誰の名だ、人違いじゃないか?」

「…認めないか。だが、俺にはわかる。あそこまでラフコフを恨んでたあいつが、この会議に出席しないのはおかしい。そして、そこに現れたシンと同じようにローブを被り、あいつと同じ異名をもつ『死神』。偶然なんて思えない。なぁシン!教えてくれ!お前は一体なにを…」

「アルゴからメール?え…はぁぁぁ!?!?」

 

ミトがメールを開くや否や叫んだと思うと、手をワナワナして震えだした。

アスナがメールを覗き込むと口を手で押さえて「あっ…」と声をこぼす。

キリトも流石に気になったのか俺を掴んだまま振り返る。

 

「ど、どうしたミト?」

「シンが…シンが…」

「え?」

 

ミトはその場に倒れ込むと枯れそうな声で呟く

 

 

「アルゴとデートしてる…」

「はぁ!?」

 

流石のキリトも困惑も隠せないようで、俺から手を離す。その隙を見て俺は部屋を出る。

 

「あ!ちょ…え?ってことはあいつは?」

「…シン君じゃないみたい。」

「……俺はなんて事を。」ガクッ

 

そうして、部屋にはコミュ障が加速する剣士と、唐突なNTR(未遂)に脳を焼かれた副団長と、親友と思い人の情けない姿を見るしかない副団長その2が残された。

 

 

俺はKoB本部を脱出し、アルゴにメッセージを送る。

 

『偽装工作ありがとよ。効果は抜群だったけど。何故にデート?』

 

例のメールはもちろん嘘である。もし、キリトやアスナ、ミトにバレそうになったらアルゴに合図を送り、アルゴの近くにいるかの様なメッセージを送って欲しい。と俺があらかじめ頼んでおいたのだ。

メッセージを送るとすぐに返信が返ってきた。

 

『ミーちゃんにはこれが一番キクからな!これからどんな顔でミーちゃんに会えばいいのやら…あと!今回のは高くつくからな!!今度なんか奢れよ!最後に、今夜から背後には気をつけな。鈍感死神さん。』

「え?」

 

最後の言葉に疑問を持ちつつ、俺は明後日の準備を急ぐのだった。

その途中、何故が背筋が冷たくなった…この世界って風邪ひくのか?

 




ミトは好きな人に対してはポンコツであってほしい。
我、ギャップ大好き侍なり…

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