ソードアート・オンライン 孤高の死神   作:AFGYT

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遅くなりましたすみません



攻略会議と再会

デスゲーム開始から一ヶ月。2000人が死んだが、まだ第一層は攻略できていなかった

このままでは100層に到達するのは何年後になるのか、この現状はプレイヤー達の不安を加速させた

この状況を見かねたあるプレイヤーが『攻略会議』なるものを開くらしい

この情報を聞いた俺とミトは会議に参加するため《トールバーナ》の広場へ来ていた

 

「結構プレイヤーがいるわね。」

「ああ、ざっと40人くらいか。」

「でも殆どは…」

「攻略に積極的じゃなさそうだな…」

 

広場には多くの人が集まっていた。しかし、様子を見るにボスを倒したいというよりは最前線に遅れたくない、というプレイヤーが殆どだろう

 

とりあえず近くの空いている席に座る

ふと、広場の反対側を見るとそこには見覚えのある顔があった

 

(女の子のような顔をした片手剣使い…間違いないキリトだ。)

 

そこにいたのはキリトと赤いマントを身につけているプレイヤーだった

 

(あの隣にいるプレイヤー…フードが邪魔で顔見えないな。けど…)

「どうしたの?」

「え?ああ、いやなんでもない。」

 

少し気になったがミトの声で我に帰る

すると広場の中央にある男が立った

 

「みんな!今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう!俺はディアベル、気持ち的にはナイトやってます!」

 

ディアベルの軽いジョークに周りから笑いが生まれる

こういうのをカリスマって言うんだろうな…

会場の雰囲気が良くなるとディアベルは真剣な顔に変わる

 

「先日、俺のパーティーが迷宮区にてボスの部屋を発見した。」

 

先ほどの和んだ雰囲気から一転して会場には緊張が走る

 

「俺たちはボスを倒して、《始まりの街》に待っているみんなにこのゲームはクリアできるって伝えるべきなんだ!そうだろう?みんな!」

 

そうだ、そうだと声が上がり拍手が起こった

その時

 

「ちょお待ってんか!」

 

ディアベルではない声が会場に広まった

声のする方を見るとそこには、トゲのような髪をした男がいた

男は階段を駆け降りるとディアベルの前に立ち席の方を向く

 

「わいはキバオウっちゅう者や。攻略会議の前に、言わせて貰いたいことがある!」

 

男は腕を組み仁王立ちをすると

 

「こん中に、これまで死んでった2000人に詫びぃ入れないかん奴がおるはずや!」

「キバオウさん、君の言う奴とは『βテスター』のことかな。」

 

俺とミトはその言葉に反応する

 

「βテスター共はうまい狩場やクエストを独り占めして、残りの9000人のニュービーは知らんぷりや!やから、奴らから情報や金やアイテムを吐き出して貰わんとパーティメンバーとして命を預けられんし、預かれん!」

 

その発言に一部のプレイヤーが賛同を始める。ミトを見ると顔は強張っており鎌を握る手に力が入っている。

その様子をみて拳を握るが俺もβテスターの一人なため何も言えなかった

その時、俺達の前にいるプレイヤーが声を上げた

 

「ちょっといいか。」

 

キバオウの後ろに大柄な黒人の男性が立っていた

キバオウもその迫力に押されたのか一歩後ろに下がる

 

「なんや、あんたは。」

「俺はエギルだ。あんた、βテスター達はニュービーを見捨てたと言っていたがそれは間違いだ。この攻略本あんたも貰っただろ。」

 

エギルは一冊のメモ帳サイズの小さい本を取り出す

 

「貰ったで?それがなんや。」

「この本を作ったのはあんたが卑怯だと言うβテスター達だ。」

「な!?」

 

エギルはプレイヤー達の方を向き呼びかけるように言う

 

「いいか、アイテムはともかく情報は誰でも手に入ったんだ。それなのに2000人が死んだ、それを踏まえた上でこの会議が開かれていると俺は思っていたんだがな。」

 

エギルの言葉に皆黙ってしまった

キバオウは舌打ちをして席に戻りエギルも席に戻る

 

「さて、会議を進めてもいいかな。さっきエギルさんが言ってくれた攻略本だが、実は昨日この本の最新版が配布された。攻略本によるとボスの名前は《イルファング・ザ・コボルドロード》そしてその取り巻きとして《ルインコボルト・センチネル》が同時に3体まで沸くらしい、武器は斧とバックラーだがHPが減ると武器をタルワールに持ち変えて攻撃パターンも変化するらしい。」

 

「攻略本に間違いはなさそうね。」

「ああ、だが何もかもβテスト通りとは行かないだろうな…」

「変更点があるってこと?」

「あってもおかしくないってだけだ。βテスト通りに行けば一番楽だけどな。」

 

俺とミトが周りに聞こえないよう小声で話していると

 

「よし、それじゃあ皆んなパーティを組んでくれ。」

「なっ!?」

「ど、どうしたの?」

「…いや、なんでもない。」

 

まずい、学校でのトラウマが……

周りのプレイヤーは仲間内が多いのか直ぐにパーティを作っていた

俺がトラウマを思い出し頭を抱えていると

 

「なぁ、あんたら…よかったらパーティを組まないか?」

「え?」

 

隣を見るとそこにはいつ間にかキリトが立っていた、その後ろにはマントのフードを被ったプレイヤーも一緒だった

 

「君…この前の。」

「ああ、覚えててくれたのか。あの時は助かったよ。それより俺たちと組んでいいのか?」

「俺は余り物だからこの子と一緒にパーティに入れてくれないかなって。」

「その子が構わないなら断る理由はないよ。」

「…」

 

後ろのプレイヤーは静かに俯くとその場を去ってしまった

 

「え?ちょ…」

「私…行ってくる。」

 

キリトが止めようとするがミトが立ち上がってその子の背中を追って行った

 

「行っちゃったな…」

「そ、そうだな。どうする?」

「パーティを組むって決めたんだ俺たちだけでも親睦会と行こうぜ、この前のお礼もちゃんとしたいし。」

「…そうだな。けど奢りは申し訳ないから割り勘で頼む。」

 

俺とキリトは近くのレストランに向かって歩いた

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

私は赤いマントのプレイヤーを追いかけた、なんとなく彼女のような気がしたから

街の中央の広場の噴水に近くに彼女は立っていた

 

「アスナ!」

「っ…!」

「ねぇ…アスナなんでしょ。私言いたいことがあって…」

 

その子はフードを外すとその中からはあの日以来の親友の顔があった

また会いたかった。そう言いかけた。けれど…

私にそんなこと言う資格はない。けれど、これだけは言わないといけない

 

「アスナ、私…アスナを守るって行ったのに。なのに逃げ出して、アスナを見捨てた…そんな私が言う資格がないのは分かってるけど…ごめん。あと、生きてて良かった。」

「ミト……私も、直ぐに会えに行けばよかったに…ごめん。」

「また私と一緒に戦ってくれる?」

「もちろん!友達と一緒に戦うのも…」

「「このゲームの醍醐味(だから!)(でしょ?)」」

 

私とアスナは笑って抱き合った。気づけば目からは涙が流れていた

こうして私は親友との再会を果たした

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「お、あっちは終わったみたいだな。キリトそろそろ行くか。」

「ああ、そうだな。あらかた情報交換も終わったしな。」

 

ミトからの『さっきの会場で待ってる』というメッセを見て俺たちは席を立つ

俺たちはいくらか予備のアイテムを買い先程の会場に向かう

そこにいたのはミトと…

 

「アスナ!?」

「あ、シン。」

「君って…あの時の!?」

 

 

俺とキリトは驚きの声をあげる

ミトは気づいてなかったのか…とため息をつく

 

「お前ら仲直り出来たのか?」

「うん、もちろん。」

「そっか、なら良かった。」

「シンも心配かけてごめん…」

「別にいいよ。とにかく、これで三人揃った上にキリトという強力なメンバーが加わった。そして明日はボス戦だ。」

 

先程までの雰囲気とは一転して四人に緊張が走る

 

「これから話すことはとても重要な事だ、シンにはさっき話したが二人にも知って欲しい事なんだ。」

「まぁ、俺たちだけの攻略会議ってわけだ。けど、ここは人が多いからな立ち話もなんだし一旦キリトの宿に行こうと思うんだが…二人とも大丈夫か?」

「うん。」「大丈夫よ。」

 

 

俺たちは街から少し離れたキリトの宿に向かっていた

あたりは草原で牛と思わしき動物もいる

 

「こんなとこに宿があるなんて知らなかったわ。」

「街やフィールドからも少し離れてるしな、農家のNPCが管理している宿なんだが…部屋も広いしミルク飲み放題、さらには風呂のオマケつき…」

『お風呂!?』

 

女性陣がお風呂という単語に反応すると二人はキリトに問い詰める

 

「お風呂があるの?!」

「え?ああ、あるぞ…」

「その宿どこ!?今直ぐ案内して!」

「だから今向かって…『だったら走って!!』…は、はい!」

 

キリトは二人の圧に押されて走り出す、それを追いかけて二人も走って先に行ってしまった…

道の先を見ると立派な二階建ての建物が見えてきた

気づけば俺は一人取り残されており急いで三人を追いかけた

 

 




次回「第一層攻略」


原作よりミトとアスナの再会をちょっと早めにしました…
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