「ヴィランに襲われていると通報を受け一番近かった私が飛んできたが、そのヴィランがまさか貴様とはな!全てを返してもらうぞ
オールマイトがそう叫ぶとAFOが瓦礫の中から姿をあらわす。
「また僕を殺すか?オールマイト!」
「この少年の個性を奪うつもりだったんだろうがそうはさせんぞAFO!ここでけりをつける!」
「そういうなよ。僕たちの仲じゃないか、あの少年のそばにいた生き物が通報してから約5分、君は先程までたしかを市を跨いだ場所にいたはず、少し衰えたかな?オールマイト!」
目の前の巨悪と睨み合いながらオールマイトは思案する。
(けりをつけるとは言ったものの、この少年を守りながら戦うのは至難の業!どうするオールマイト!)
「少し話をしようかオールマイト、その少年の「個性」についてだ。」
「先ほどから見ていたが彼の個性は彼自身にもコントロールできていない。暴走し、個性で生み出した生き物に攻撃されていた。だから僕が個性を奪って守ろうというのにそれを邪魔するというのか?」
「ぬかせ!彼の個性を奪おうとしたのは貴様自信が欲しいと思ったからだろう!個性を奪ったあとは口封じに殺すつもりだったくせによくも守るなどと...っ!」
そこでオールマイトは気づく、未だ目を覚さない少年の首に茨のようなものが巻きついているのに。
「なっ!shit!いつのまに!」
「僕の話に丁寧に付き合ってくれてありがとう、君は扱いやすくて助かる。お陰で君の気づかないうちに気絶している彼に手が届いた」
「貴様っ!」
AFOは少年の首に巻きついている茨を締め付けていく。
「どうする?僕はこのまま彼を締め殺せる。君が僕を見逃すならその少年の命は助けよう。彼の命は君が握っているんだオールマイト」
オールマイトは数秒逡巡したのち、AFOの提案を渋々飲んだ。
「いい判断だ。それじゃ、この辺で僕は失礼するよ。願わくばしばらく君とは出くわしたくないものだね、このまだまだ治りきっていない体じゃとてもじゃないが太刀打ちできない。」
そういうと、AFOは闇に消えていった。
オールマイトはしばらくして何も反応が無いことを確認すると、気絶したままの少年を抱え、ひとまずは少年の怪我の治療をするために抱えて飛ぶのだった。
目覚めると、無機質なタイルが広がる天井が見えた。
あなたは少しふざけて某アニメの台詞を拝借する。
「知らない天井だ....」
ふと違和感を覚えたあなたは左手を見る、そこには包帯が巻かれ、処置された自身の腕があった。
自分の置かれた状況を整理しようとして過去の記憶を思い出す。
あなたはうしわか丸と共に危機を乗り越えた後、更なる危機が舞い降りてきたのだ。今思い出すだけでも、体の震えが止まらなくなる。
そして、謎の男に殺されそうになったところに、空から降ってきたオールマイトが助けてくれたのだった。
その背中は、貴方の将来の夢をヒーローに固定するには十分すぎるものだった。
と彼が思案していると病室のドアが開く。
「あぁ、起きていたか。初めまして、私は塚内直正、君の事を上から任された警官だ。いきなりで悪いが君の親御さんたちの名前は?自分の名前は覚えているかい?」
と部屋に入ってきた警官に言われ、あなたは思い出す。あなたと過ごしてきたあの暖かい家族は、もうどこにもいないのだ。
しかし、あなたはめげない。
もう決心したのだ。ふたりの分までネコたちと生きてみせると。
「親は、ヴィランに殺された。家も燃やされた。」
「そうか...すまない、辛いことを思い出させてしまったね。」
「いえ、いいんです。もう起きてしまったことは仕方がないですし。」
塚内は内心驚愕していた、この年端もいかない少年の落ち着き具合に。そして恐怖していた、この年のこどもが両親を失ってなお、なぜこんな顔ができるのかと。
塚内にはいろいろ言いたいこと、聞きたいことがあったが、それらを飲み込み話を進行させていく。
「...そうか、分かった。君はこれからどうする?養子になるという手もあるが君はヤツに一度狙われている。もう一度襲ってこないという保証もない、しばらくはこちらの監視下に置かせてもらうが。」
少し迷ったが、あなたは答える。
「いえ、家さえ用意してくださるのなら一人暮らしでもしようかなと」
「それは、大丈夫なのか?」
「はい、僕にはネコたちがいますから。」
「わかった、上に連絡しておこう。」
「ありがとうごさいます。こんな無茶聞いてくださって。」
「いいんだ。このぐらいは大人がしてやらないとね。」
「じゃあ、私はここらで失礼するよ、あと諸々の手続きが必要だから、退院したらロビーで待っていてくれ。」
「はい、ありがとうございました。」
バタン、と扉が音を立てて閉まる。
あなたはおもむろに左手からネコを召喚する。
「やぁ、ひさしぶり。」
「「「にゃ?」」」
あなたは呼び出したネコを抱き枕にする。
「ちょっとこっちきて、ほら、、、よし、これでいい。」
それは寝心地の良さを考えての事なのか、はたまた寂しさを紛らわせるためか。
なんにせよ、彼はネコを抱いて眠りにつくのだった。
それから数ヶ月がたったある日、手配してくれたマイハウスでの一人暮らしにも慣れたころ。学校からの帰り道に古びた祠を見つけた。
「わぁ、こんなにボロボロになっちゃって可哀想に....よし!僕たちが綺麗にしてあげよう!」
あなたはその汚れ、錆びつき、苔むした祠を何を思ったかネコたちと掃除することにした。なんだか普段よりもネコたちがノリノリだった気がしたが、気にせず掃除していくことにした。
・・・・・・・
日も傾き始め、オレンジの影が差す頃、そのピカピカになった祠をみてあなたはやってやったと満足感と充実感を得る。
あなたがついでにと祠に向かって手を合わせ、お辞儀をすると頭痛と目眩が起きる。頭の中に無機質な声が響く。
ーあなたの 敬虔な 精神を 神々は見ています。
ーギガントゼウス が 解放されました
あなたが顔を見上げるとそこには黄金の装飾をした褐色の絶世の美女とでもいうべき姿形の女性が立っていた。
あなたが茫然自失としているとその女性は口を開く。
「あなたの敬虔な精神、しかとこの私に届きました。これからはこの光翼神イシス、あなたと共にありましょう。」
「 」
あなたは自分の個性から人が出てきたことが信じられずに固まったまま動けないでいた。そんなあなたを不思議がったのかイシスがあなたの顔を覗き込みながら話しかける。
「...?どうしたのです?ま、まさかこの私に見惚れてしまったのですか?そ、そんな、気が早いですよ我が主///もっとこういうのは段階を踏んでから.....」
あなたが呆けているとイシスは何を勘違いしたのか自分の世界に入り込んでいった。固まったまま動かない子どもともんもん言いながら体をくねくねさせる絶世の美女という、もし通行人が見たら即写真撮影からのSNSにアップで瞬く間に拡散されるであろう光景が完成していた。
あなたはまだ知らない、これからどんどんとこのにゃんこ軍団はカオスになってゆくことを。
うしわか丸はAFOと遭遇した時点ですでに手に負えない手合いだと判断して通報していました。 えらい。
あとなぜイシスなのかは私が好きだからです