この世界は神々の遊戯盤とも言われ、四方世界という名で呼ばれている。
そんな四方世界のとある大陸にある、とある王国の、そのまた西の隅っこであり辺境のとある村。
猟師、あるいは
正確には皆を手当てしようと励んだ母が感染し、精のつくものをと野山を走り回った父もまた倒れてしまったのだ。
だが、少年は孤児ではなく一人の家族として姉がいた。その姉によって野伏と薬師としての技術や学問を教わったりもした。
もっとも少年には未知の遺跡を探検して、宝を見つけたり、魔物やドラゴンを倒したりして姫を助けるなどの『冒険者』となる夢を持っていたのでその空想をしたり、幼馴染で二歳年下の少女と遊んだりするのに夢中であったりしたが……。
そんなある日、少年が十歳となり幼馴染の少女が八歳の時……少女の伯父が牧場を持っていて、牛が産気づいているから手伝いに来てほしいと馬車で牧場へと行く事になった。
その牧場の近くには街があって、少女は街に行く事も出来るとの事。
「良いでしょ、君、街になんて行った事ないもんね?」
赤い髪の少女が自慢げに言いながら、からかってもきた。
正直、羨ましかった。何なら一緒に連れて行ってほしかったがしかし、少年には姉がいて大好きだったから、姉を一人残して村を出たくはなかったし、それに男の意地とかもあって、少女を怒鳴ってしまった。
そうして口論となって、大泣きの大喧嘩となり……結局、少年は迎えに来た姉に手を引かれながら少女の元を去る事に……。
「あの子が戻ってきたら、謝らなくちゃ駄目よ?」
自分も傍についていてあげるからと優しく微笑まれて言われた言葉に少年は頷く。もっとも次の日、幼馴染の少女が馬車に乗って旅立つのを見送る勇気は出なかったが……。
それに少年にはやる事があった。その一つは冒険者になるための鍛錬だ。
実は数年前、山の中で自分なりに大きく重い木の枝を剣に見立てて素振りしようとしていると村にいた冒険者も鍛錬中であり、姉には冒険者にはあまり近づくなと言われていたのだが『一緒にやるか?』と優しく言われ、頷き冒険者に教えてもらいながら素振りしたり、軽い手合わせのような事をしてもらったりもした。
参考になる教えを受けた事で、冒険者が村から去った後も本格的な鍛錬をする事が出来た。
また、街での祭りが行われるようになると村にもガマの像の口に銀玉を放り込む出店が来たりしたのだが、少年は投擲において才能があり、そうした物が上手かった。
姉に狩りを習う時、弓の手ほどきを受けたりもしたのだがそれよりは拳大の石を投げたり、包丁などを投擲して獲物を倒す方が少年は上手く、よって投擲の技術を磨き続けたのである。
そして、やる事のもう一つ……鍛錬しようと山を歩いていると明らかに獣などとは違う足跡を見つけた。おそらくだが、村を襲ったりする怪物にして小鬼と呼ばれるゴブリンだと予想がついた。
少年はそれを見つけると姉を通して村に伝えつつ、こういう時のために用意していた自分の拠点に数多くの拳大の大きさの石、中には尖り気味のもの、あるいは村の人から頼んで貰ったもう使えなくなった包丁やナイフ、鉈に桑や斧などの長柄から先端を短く切り取ったものなどを集めていたそれを持ち出す。
そうして、月明かりが照らす森の中にて……。
『GOBORR!!』
体格に身長は八歳くらいの子供であり、頭に小さな角の生えた怪物ことゴブリンの群れが村に向けて進んでいくのをゴブリンの斥候が残した足跡からゴブリンたちの進路を割り出し、その近くの森の中に潜みながら、少年は待ち受けた。
「ふっ!!」
そうして、少年投擲手は持ち出し手元に置いた石や刃物などの凶器を投擲し、それは投擲の鍛錬で鍛えられた剛肩と磨き抜かれた技術もあって遠くの距離を飛来し、石ならば変幻自在な軌道と共に一匹のゴブリンに炸裂したそれが跳ねて別のゴブリンへと向かって、炸裂したり、凶器なら回転しながらゴブリンに突き立ち、断ち割り、突き刺さったりする事で死亡させていく。
「はは、何やら面白い者がおるわい」
次から次へと手に持った物を投擲する事でゴブリンを仕留めていると酷くしわくちゃで醜い
「ありがとうございました」
「ほう、あれをやったのはお前さんか……見所のあるガキだわい」
ゴブリンが全滅し、圃人の老爺に礼を言うと村に泊まらせろと言われたので応じ、ゴブリンから村を救った英雄としてもてなす事に……。
「冒険者になりたいなら、鍛えてやるぞ」
自分についてこいと言われ、姉には貴方が決めなさいと言われたので少年は圃人についていく事にした。旅の品として父の形見だという鷲の頭を模した柄頭の短刀を持ち出して……。
「戦うだけなら馬鹿でも出来る。必要なのは考える事だ。そら、わしのポケットには何がある?」
「(これ、虐待ってやつなんじゃ……)」
圃人の老爺は少年に対し
少年は圃人の老爺についていった事を後悔しながらも生きるために考え、その時、その時の状況を切り抜けていくのであった……。