『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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九十九話

 

 『収穫祭』による人の賑わいと祭りで気が緩む人々を生贄として狙った闇人と雑兵として率いたゴブリンの群れに対処したゴブリンスレイヤー。

 

 しかして『収穫祭』が行われる秋の時期というのは収穫した作物が村や町の蔵や倉庫に蓄えられるものだ。

 

 そうした事を略奪種族であるゴブリンが把握していない訳が無い。それに秋は夏から涼しくなっていくので活動しやすい時期である。

 

 必然的にゴブリンの活動も活発になるのだ。それによってゴブリンスレイヤーは森人剣士に妖精弓手、鉱人道士と蜥蜴僧侶でゴブリン討伐の依頼を受け、こなしに向かった。

 

 

 ゴブリンスレイヤーは結構な頻度でゴブリン退治の依頼をこなしており、その確実性に実力、依頼人たちへの配慮などは評判となっている。なのでゴブリンスレイヤー指名のゴブリン退治の依頼が良く出されたりする。

 

 今回の依頼はそのゴブリンスレイヤー指名の依頼で内容は村の周囲にある山に大掛かりなゴブリンの群れが出たのを退治して欲しいという依頼である。

 

 そうして、準備をしつつ依頼場所へと向かったゴブリンスレイヤーは依頼の村まで結構な距離であり、そのため夕方になってきたのもあって一日、森林にて野営をする事になった。

 

 木の実や茸、獣など食料になりそうな物を探している時……。

 

 

 

「あれ、久しぶりですねぇ」

 

「おお、そうだな」

 

 木々の中からゴブリンスレイヤーに対して姿を現したのは長身だが筋骨逞しく、スタイル自体は抜群、その身に纏っているのはビキニアーマー、短髪であるが頭には牛の角があり、足には毛と蹄、臀部には牛の尾があるという牛人(ぎゅうじん)の女戦士である。

 

 右手にはかなり大きく太い刃がある斧を持っていた。

 

 

 

「その様子だと今も冒険者をしながら旅をしているのか?」

 

「ええ、そうですよぉ。それぐらいしかやる事も無いですしぃ。そちらはぁ?」

 

「俺達は依頼をこなしに行くところだ。折角だし協力してくれないか?」

 

「良いですよぉ」

 

 こうしてゴブリンスレイヤーは牛人の女戦士に加勢を頼む、承諾してもらった事で野営地に連れて行く。

 

 

 

「おお、久しぶりだな」

 

「はい、あの時はありがとうございましたぁ」

 

 森人剣士も牛人には覚えがあるようで笑みを浮かべ合う。

 

 

 

「オルクボルグ……その牛人の子は?」

 

「ああ、彼女はな……」

 

 妖精弓手の問いにゴブリンスレイヤーは答える。

 

 今から数年前、ゴブリンスレイヤーが森人剣士と組んで依頼をこなすようになった時に受けた洞窟探索の依頼にて他の冒険者の一党を偶々見かけた。

 

『おいおい!?』

 

 相談しようと思った時、ゴブリンスレイヤーと森人剣士は仰天してしまった。前衛を担当している牛人に対していきなり後ろから仲間のはずの冒険者が襲い掛かろうとしたからだ。

 

 急いで投擲によって阻止し、二人で制圧する。

 

 事情を聞けば『痴情のもつれ』という何とも言えないものだったが……ともかく、牛人を救ったゴブリンスレイヤーと森人剣士は以後、独立した牛人と偶に組んで行動したりするようになった。

 

 

 

 まあ、牛人は大体旅をしているので一党を組むのは辺境の街に彼女が寄ったりした時であるが……。

 

 

 

「皆、よろしくねぇ」

 

 ともかくこうしてゴブリンスレイヤーは一党に新しく牛人を加えたのであった……。

 

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