『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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本編五巻
百一話


 

 ゴブリンスレイヤーは自分を指名した依頼で村の周囲にある山に出た大掛かりな群れのゴブリン討伐を達成した。

 

 その依頼前に大体は旅をしているので組んだ事は少ないがそれでも密接な関係にある牛人戦士と再会し、一党を組みつつ少しの間、辺境の街に留まらないかと誘えば冬も訪れ始めているからと牛人戦士は承諾したのであった。

 

 しかしてゴブリン討伐を完了した事を受付嬢に報告しに行けば水の街にある『法の神殿』に大司教として勤めている剣の乙女からの手紙を渡された。

 

 その手紙の内容はというと……。

 

 

 

 

 

 拝啓、ゴブリンスレイヤー様へ。

 

 氷雪の精霊が舞い踊る時節となり、寒さも身に染みる頃、いかがお過ごしでしょうか?

 

 冒険者は危険に挑む、身体が資本のお仕事です。お風邪などひかれておりませんか?

 

 私の方は貴方様のおかげで夢にも小鬼共は現れず、穏やかに過ごしております。

 

 本当に心からお礼を申し上げます。本来ならば、もっと早くにお手紙を差し上げるべきかと思いましたが……。

 

 

用もないのでは恥ずかしく、それにお手を煩わせてはいけないと、自嘲しておりました。

 

 どうかお許し下さいましね。

 

 さて今回、こうして筆を執ったのは、他でもありません。

 

 折り入って貴方様にご依頼したい件があるのです。

 

事の起こりは、さる令嬢が親元を飛び出して冒険者になったという、良くある話でした。

 

 依頼を受けて出立して以降、消息を絶ったという事も、不幸な、珍しくもない話でしょう。

 

 ご両親が捜索の依頼をギルドに持ち込んだ事も、決して特別な事では御座いません。

 

 ただ問題は件の令嬢が請けた依頼が、ゴブリン退治であった、という事です。

 

 後はもうお分かりですね?

 

 捜索依頼には、「最も信頼のおける上位冒険者を」と条件が付与されました。

 

 しかしゴブリン退治を引き受ける、等級の高い冒険者は皆無でしょう。

 

 ギルドの者から相談を受けた私には、もう、貴方様の事以外思い浮かびませんでした。

 

 貴方様の事ですからお忙しいとは思います(収穫祭の件は、私も耳にしました)。

 

 ですがもしも余裕が御座いましたら、哀れな娘に手を差し伸べてやっては頂けませんか?

 

 そしていずれにせよ、貴方様のご無事を、心よりお祈りしております。

 

 かしこ。

 

 剣の乙女より祈りを込めて。

 

 

 

 

 手紙には剣の乙女によるゴブリンスレイヤーへの想いもであるが、ご令嬢捜索を依頼が書かれていたのだ。

 

「雪山になると、食糧が大量にいるな」

 

 ゴブリンスレイヤーは依頼を受けるのは当然として、冬の季節のために食糧を大量に用意する事を決める。

 

 そして一党の人数でも自分と森人剣士に妖精弓手、牛人戦士、鉱人道士に蜥蜴僧侶、そして収穫祭の時のようにお告げがあったとかで一党の参加を希望した女神官にて依頼をこなすべくまずは準備を始めるのであった……。

 

 

 

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