『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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百二話

 

 ゴブリンスレイヤーに対して『水の街』にある『法の神殿』に大司教として務めている剣の乙女からの文が贈られた。

 

 内容はかなり情熱的な物で恋文のようであったが、それとは別にゴブリンスレイヤーに対する依頼も書かれていた。

 

親元を飛び出し、冒険者となった令嬢がゴブリン退治の依頼を受けて一党と共に向かったきり、消息不明となってしまった。

 

 そして辺境の街とは違うギルドにて冒険者となった令嬢に対し、彼女の両親が捜索依頼を出しのである。

 

 

 

 とはいえ、ゴブリンが関わっている依頼を受けようとする冒険者はただでさえ、少ない上に等級の高い冒険者などよほどのことが無い限り、皆無である。

 

 よってギルドは剣の乙女に相談した事で彼女はゴブリンスレイヤーを頼ったのである。

 

 そして、ゴブリンスレイヤーは彼女からの依頼を受ける事にした。後で返事の手紙を書く事も決めて……。

 

 とはいえ、今の時期は冬だ。令嬢の一党が依頼を受けたのは山、つまり雪山である。

 

 冬において一番問題となるのは当然、食糧、そして燃料である。

 

 とりあえず、ゴブリンスレイヤーは人数を絞って令嬢捜索しつつ、ゴブリン討伐をする事にする。

 

 ゴブリン退治の依頼を受けて消息不明なら、可能性高いものとしてゴブリン達に捉われ、嬲り者にされている事が予想できる。

 

 

 

 冬においてゴブリンは女を殺したり、喰ったりという事はしない。

 

 冬は長い事をゴブリン達も理解しており、その結果としてストレスなどを解消するための娯楽を求めるのだ。

 

 なのでその身が無事かどうかは別として生きている可能性が高いとはゴブリンスレイヤーは思考しているのだ。

 

 そして、依頼をこなすための一党としては森人剣士に妖精弓手と鉱人道士に蜥蜴僧侶と牛人戦士と本来なら六人の一党であったが、お告げがあったという事で女神官が一党加入を希望したので受け入れた。

 

 その後、十分な量と思えるだけの食糧や水、燃料を購入して準備を済ませるとゴブリンスレイヤーの一党は依頼の場所へと出発した。

 

 

 

「只人の手紙って皆、こんなに情熱的なの?」

 

「さ、さぁ……」

 

 その道中においてゴブリンスレイヤーは依頼内容の共有のために一党の皆へと剣の乙女の手紙を見せる。妖精弓手は女神官に手紙を渡しつつ、問いかけるも女神官は曖昧な返答を返した。

 

 

 

「……」

 

 女神官も恋文のようだなと思い、照れながらもさっと依頼内容の部分を読んで森人剣士に渡す。

 

 

 

「ふふ、確かに情熱的だ。かの英雄にこうも思われるとは流石だな、君は」

 

「ゴブリンスレイヤーさん、本当に優しいですからねぇ」

 

「嬉しい評価をどうも」

 

 森人剣士は愉快気にゴブリンスレイヤーに言い、牛人戦士も微笑みながら言う。

 

 ともかく、全員大なり小なり、冬の寒さに備えた格好もしつつ、依頼場所へと向かうのであった……。

 

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