『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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百六話

 

 冒険者となったとある令嬢をリーダーにしているという冒険者の一党は冬の時期にゴブリン退治を引き受け、そうして消息不明となった。

 

 その令嬢がゴブリンに捕まっているなら、救出をするし死亡しているなら、遺品の回収をしてほしいという令嬢の両親からの依頼を『水の街』にある『法の神殿』の大司教である剣の乙女からの手紙により、ゴブリンスレイヤーは引き受けた。

 

 そうして森人剣士に女神官、妖精弓手に牛人戦士と鉱人道士に蜥蜴僧侶の七人の一党で令嬢の一党が請けたゴブリン討伐の依頼を出した村へと向かったのである。

 

 すると村はゴブリンの群れに襲撃され、略奪をされているところだった。

 

 しかしてゴブリンは略奪こそするが、本来ならばする事の無い行動をとった。村の中央の広場に村人たちを集めたし、殺した村人の死体も甚振ったりしないなどである。

 

 そんなゴブリンの群れに対し、村の外から逃げられないように外周を捜索しながらのゴブリン討伐を前衛、森人剣士に周囲のゴブリンの捜索を中衛として担当する女神官、短弓にて後衛を務めるゴブリンスレイヤーが担当した。

 

 

 

 中央の広場については鉱人道士が術で一網打尽にすると担当し、建物の屋根からの狙撃を妖精弓手が務め、鉱人道士が術を使うまでの護衛として蜥蜴僧侶と牛人戦士が務め、そうして鉱人道士が≪酩酊(ドランク)≫の術を使う事で人質とゴブリンを眠らせ、後はゴブリンだけを静かに始末した事で片づけたのであった。

 

 しかし、ゴブリンの通常とは異なる行動、数としては二十体だが、この群れは本隊が襲撃する前の偵察であり、先遣隊だろう事をゴブリンスレイヤーは察するし、本体を率いるのは知性を有している何らかの上位種だろうことを予測した。

 

 まあ、そういう問題を片付けるのはまだ後で今は村への対応が先である。

 

 こうして女神官に村の入り口にて助け、一旦、樽の中に避難させた娘を連れて行くように頼むと村長へと近づいた。

 

 

 

「冒険者だ。一応、ゴブリンスレイヤーと呼ばれている」

 

 ゴブリンスレイヤーは胸元に下げている認識票を見せつつ、自己紹介をする。

 

 

 

「っ、銀等級……そして、その名はあの……よくぞ、よくぞ来て下すった」

 

 村長は認識票を見、名を聞くと村の情報網にてゴブリンを倒す英雄として有名な冒険者が来てくれた事を喜び、ゴブリンスレイヤーの手を取った。それに応じて感謝を受け取った。

 

 その後は薬師に治療師、神官がいるかを聞くと神官は巡回者に頼りきりであり、薬師はいるが流行り病で両親が死んだので後を継いだばかりの娘で気との事で技量もそんなにという状態であるとの事。

 

 なので水薬は出せないが治療を手伝う事にし、その中で村唯一の娘は樽に避難させた娘の姉である事が判明したりした。

 

 ともかく、死んだ村人については女神官に地母神式の葬式をさせて弔った。

 

 その後、村長にはゴブリンが夜襲してくる可能性があるので備えのために一晩、宿を借りる事とし、先行した冒険者の一党の情報提供と山の地理を知るために簡素でも良いので山の地図を求めた。

 

 

 

「その、報酬の方は……」

 

「先行した冒険者一党に渡そうとした物、そのままで構わない」

 

 心配する村長に対し、ゴブリンスレイヤーはそう告げたのであった……。

 

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