『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

111 / 116
百十話

 

 ゴブリンスレイヤーと森人剣士と女神官に妖精弓手と牛人戦士、蜥蜴僧侶に鉱人道士による一党は雪山にあったゴブリンの巣穴を見つけ、体をほぐし暖め、休憩を挟んで侵入を開始した。

 

 そうして、中を探りながら進んでいけば丁字路にて右の方がゴブリンの足跡が多いので右側がゴブリンの寝床と察し、左の方は武器庫か倉庫、あるいは便所と判断しつつ、ゴブリンの寝床へと突撃をする事とした。

 

 前衛として魔法の剣を構える森人剣士に洞窟用に調整した中途半端な長さの剣を構える牛人戦士、中衛には牙の刀を構える蜥蜴僧侶と小弓の弦に矢を番えるゴブリンスレイヤー、後衛として大弓の弦に矢を番える妖精弓手と触媒の詰まった鞄に手を入れる鉱人道士、錫杖をしっかり握る女神官。

 

 そうして一党は素早く洞窟の右側を駆け抜けていき、大きく掘り抜かれた広間。

 

 

 

 『GOB!?』

 

 奇襲用の穴を穿つべく、円匙と鶴嘴を担いだゴブリンの群れが冒険者の一党が現れた事で一瞬、驚愕して動きを止め……。

 

「≪いと慈悲深き地母神よ、闇に迷える私どもに、迷える私どもに、聖なる光をお恵みください≫!!」

 

 女神官が素早く行動し、たかだかと揚げた錫杖の先に神為る奇跡を宿し、燦然と洞を照らし出す。

 

聖光(ホーリーライト)≫の奇跡だ。

 

「数は十七、ホブ無し、術無し、弓ありだ」

 

 ゴブリンの群れが≪聖光≫の輝きによって一時的に視界を眩ませられた中、光を背負った事で視界に影響はなく、ゴブリン達の数に武器などを確認したゴブリンスレイヤーはしっかり告げて情報を共有する。

 

 

 

「一番、もらいっ!!」

 

「ふっ!!」

 

 妖精弓手が先に手にしていた三本の木芽鏃の矢を大弓に番えながら、引き絞りその三本の矢を一度に放つ事で三体を射止める。

 

 それに続いてゴブリンスレイヤーが三本の矢を一度に放ったとしか思えない程に流麗な動作と速度で矢を放つ。

 

「≪仕事だ仕事だ、土精(ノーム)ども。砂粒一粒、転がり廻せば石となる≫!!」

 

 鉱人道士が一つかみの砂を宙へ投じるとそれが礫に転じて降り注がせる。

 

 鉱人道士による≪石弾(ストーンブラスト)≫の術だ。

 

 

「でいやああっ!!」

 

「はああっ!!」

 

「ふっ!!」

 そして、機先を制する中で蜥蜴僧侶に森人剣士に牛人戦士がゴブリンに猛襲を仕掛ける事で全滅させたのであった。

 

 そうして一応、ゴブリンの死体が本当に死んでいるかの確認をしつつ、ゴブリンスレイヤーは大広間を探索しながら腐りかけた扉を蹴る事で破壊し、中に入れば祭壇であり、礼拝堂を見つけた。

 

 

「とりあえず、生きてはいたか」

 

 冷たい石の上に無造作に横たわった一糸まとわぬ少女の姿――蜂蜜にも似た黄金の色の髪も確認し、それは剣の乙女が伝えてきた令嬢の冒険者である。

 

 ゴブリンスレイヤーは生きている事を確認してそう呟くのであった……。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。