『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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百十九話

 

 ゴブリンスレイヤーに蜥蜴僧侶、鉱人道士と森人剣士に牛人戦士、妖精弓手に女神官と令嬢剣士はゴブリン聖騎士が拠点としている神代に鉱人が築き上げた砦へと潜入した。

 

 そうして地下牢にて行動を開始するとまず、ゴブリン達の戦闘力を奪うべく、武具倉庫へと向かった。

 

 すると武具倉庫内には武具よりも鶴嘴に円匙と土を掘り抜くために必要な工具の類がかなり転がっていたので気になった。

 

 ゴブリン聖騎士は覚知神から外法を授けられているのは確実で何かとんでもない事をしようとしているのだとゴブリンスレイヤーは察する。

 

「なにかを採掘しようとしているかもしれない。此処は鉱人による砦だ。鉱床はあるだろうしな」

 

「ああ、それは間違いなく……ゴブリンが学習するのはわしらはかみきり丸との付き合いで身を持って知っておるしのう」

 

 ゴブリンスレイヤーの呟きに鉱人道士が答えた。

 

 ともかく使えそうな武具は回収し終えると残りは……。

 

 

 

「≪白亜の層に眠りし父祖らよ、背負いし時の重みにて、此れ為る物を道連れに≫」

 

 床に触媒である竜牙をばら撒き、奇怪な手つきで合掌をする蜥蜴僧侶が術を行使すれば竜牙が音を立てて沸騰し始め、そして蜥蜴僧侶の言葉で纏めておいた武具が錆び始め、朽ちていく。

 

「良い処理方法だ」

 

「鉱人泣かせな奇跡よ」

 

「初めて見ましたけど、これは≪腐食(ラスト)≫の祈祷ですよね」

 

「お、ご存知でありましたか」

 

 ゴブリンスレイヤーは満足気に言い、武具の鍛造も種族柄、生業とするので鉱人道士は本当に複雑な表情を浮かべる。

 

 女神官は奇跡がどういうものか話には聞いていたようで蜥蜴僧侶に尋ねると彼は「然り」と頷く。

 

 

 

「≪風化(ウェザリング)≫もありますが、それでは朽ちるのに時がかかりますからな。準備にこそ手間取るとはいえ、≪腐食≫はこういうときには重宝しますぞ」

 

 蜥蜴僧侶は更に解説をした。

 

 

 

「大いに助かった……これで地下牢の虜囚を掴み、武具は奪った。予定通りだが、覚知神の加護を得たゴブリン聖騎士が相手だ。最後まで油断せずにいくぞ」

 

 ゴブリンスレイヤーは蜥蜴僧侶に言いながら、状況を整理しつつ雑嚢から水袋を取り出し、栓を抜いて兜の隙間から一口呷った。

 

 他の者達も水袋を取り出して、一口呷る事で水分補給をすることにより一息つく。

 

 そうして、武具倉庫にて自分達の分だけ武装を相手から奪い、残りを腐食させたゴブリンスレイヤーの一党は武具倉庫から出ていよいよ、ゴブリン聖騎士たちの元へとゆっくり向かうのであった……。

 

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