『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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百二十一話

 

 ゴブリンスレイヤーの一党はゴブリン聖騎士と彼に率いられるゴブリンの大規模な群れが拠点としている砦に潜入し、そうして隠密行動をしていた。

 

 まず武具倉庫でゴブリンが使う武具をこちらの予備武装として奪い、更には蜥蜴僧侶による≪腐食≫の祈祷で腐らせる事で処分した。これでゴブリン達の戦力を奪ったのである。

 

 次にゴブリン聖騎士たちを始末するために武具倉庫から出ると音が鳴り響いた。

 

 砦の中庭でゴブリン聖騎士がゴブリンの群れの目の元に聖騎士としての称号を得るために叙勲式を行っていたのだ。これはとんでもない好機だった。

 

 なのでゴブリンスレイヤーの一党は回廊から中庭の様子を伺ったのである。そして、叙勲式は只人たちなどの聖職者たちがやるような叙勲式であった。

 

 まあ、ゴブリン聖騎士が覚知神から託宣を賜り、聖職者としての義務を果たすなら必要な事である。しかしてゴブリン聖騎士たちにとってはそれが命取りだった。

 

 知識をつけてしまった事が逆に悪く働いてしまったのである。

 

 叙勲式を行い、ゴブリン聖騎士が油断している中でゴブリンスレイヤーが妖精弓手に弓を構えさせながらゴブリン聖騎士を狙いをつけさせた。

 

 ゴブリン聖騎士でないなら、そのままゴブリンスレイヤーは≪力矢≫によって始末したが聖職者である以上、ゴブリン聖騎士が≪抗魔(カウンターマジック)≫の奇跡で無力化や威力軽減してくる可能性があったので妖精弓手に任せたのである。

 

 叙勲式を見事、終えようとしたのもあって油断していたゴブリン聖騎士の額に魔法の如き、弓の技を有する妖精弓手に射殺させるとゴブリンスレイヤーは驚愕、あるいは混乱して動きを止めているゴブリン司祭とゴブリンの群れに対し、大規模の≪力矢≫によって大半を殲滅。

 

 そのまま流れに乗じてゴブリンスレイヤーの一党は攻め込み、そうして中庭にいたゴブリンの群れを一掃した。

 

「ほら、目的の物だ。取り返せる物もあって良かったな」

 

 ゴブリンスレイヤーは令嬢剣士がゴブリン達に奪われ、ゴブリン聖騎士が腰に佩いていた剣を渡す。

 

 それは雷槌(いかづち)にて赤き宝玉より鍛えられた軽銀製で柔軟かつ鋭い突剣で生家から持ち出してきた宝剣だ。

 

「はい、本当にありがとうございます」 

 

「良かったですね」

 

「良かったわね」

 

 その剣を抱き締めながら、涙を流す令嬢剣士に女神官と妖精弓手が寄り添い、声をかけた。

 

 その後、砦にゴブリンの生き残りが潜んでいないか細部までしっかり探した後、地下牢の虜囚を連れて砦の外に出した後、ゴブリンスレイヤーは鉱人道士に砦の内部を聞きながら、持っている全ての燃える水を撒き散らす。

 

カリブンクルス(火石)……クレスクント(成長)……ヤクタ(投射)!!≫」

 

 超巨大な≪火球≫を放つ事で燃える水に引火し、そうして砦は燃えた。

 

 ゴブリン以外にも悪用される事を防ぐためにこの砦を破壊する事にしたのだ。

 

 こうして、ゴブリンスレイヤーの一党はゴブリン聖騎士と彼が率いるゴブリンの群れを完全に殲滅したのであった……。

 

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