春の季節となり、活動しやすくなった今において冒険者達はそれぞれが受けた依頼をこなしに冒険者ギルドを個人や一党で出発していく。
無論、その中にはゴブリンスレイヤーもいて、彼は森人剣士に牛人戦士と妖精弓手に鉱人道士と蜥蜴僧侶で自分を含めた六人の銀等級の一党でとある村の周辺に突如、現れたという大きな洞窟の探索依頼をこなしに向かった。
「ふふふ、洞窟探検は何があるか楽しみよね。陰湿や悪辣な手を使ったり、残虐な事ばっかりするゴブリンの相手はしんどいもの。それにゴブリンだけじゃなく、時にはオーガや闇人だったり、ゴブリン聖騎士だったりなんて厄介な手合いを相手したりすることになったり、妙な事が続いているしね」
妖精弓手はご機嫌な様子で目的地へと向かう道中、洞窟探検への期待を口に出しつつ、溜息を吐きながら、ゴブリン退治の件について振り返った。
「ゴブリン聖騎士以外にも皆さんは厄介な相手と戦っていたんですね、それは大変だったでしょう」
牛人戦士が妖精弓手の意見にそう、返した。
「拙僧としては中々、身を震わせる戦いもあったので良かったのですがな」
「そうした苦難を皆で乗り越えるのが一党の良さというものじゃしのう。苦難続きは勘弁じゃが」
蜥蜴僧侶は自分の意見をしっかりと述べ、鉱人道士も苦笑を浮かべながら自分の感想を言った。
「逆に楽しい事ばかりだとやり甲斐無くて、飽きるものだから困ったものよなぁ」
森人剣士も苦笑を浮かべて鉱人道士の意見に言葉を続ける。
「楽しい事も苦難も色々経験していけること自体、『生きている』と実感できるものだ。というわけで今回の依頼も色々体験しながら、達成しよう」
ゴブリンスレイヤーが自分と一党を組んでいる者達へと言葉をかけると皆が頷く。
そうして依頼場所へと向かっている中……。
「なぁ、冒険者ギルドを出ようとしてすれ違った時に見かけたあの魔術師の少年……」
「気づいていたか、俺もそう思っていた。あの二人を助けられた中で逆にゴブリンから助けられなかった魔術師の少女の面影があったからな。多分、そういう事だろう」
森人剣士も女神官に女武闘家を助ける事になったゴブリン退治の依頼に関わっているので魔術師の少年の事に気づいていたようだ。
「それで、どうする気だ?」
「結局は様子を見ながらの対応だな。他人の空似という事も無いでは無いし……」
「だな」
今はどうにもできないのでともかく、依頼をこなす事にゴブリンスレイヤーと森人剣士は集中する事にしたのであった……。