ゴブリンスレイヤーは魔術師を育てるための学院で優秀な魔術師であったが、冒険者となって早々、ゴブリンに殺された事で馬鹿にされている姉の敵討ちのためにゴブリンを倒す事を望む彼女の弟である少年魔術師にゴブリン退治の依頼を体験させるべく、森人剣士に少年魔術師と共に辺境の街にある冒険者ギルドの中に入ると……。
「あっ、ゴブリンスレイヤーさん。おはようございます」
「おはよう、ゴブリンスレイヤーさん」
「師匠、おはよう」
「おはようございます」
女神官に女武闘家、新米戦士に見習い聖女がそれぞれご機嫌な様子でゴブリンスレイヤーに挨拶をする。
「おはよう。ふっ、皆……おめでとう」
「良かったじゃないか、おめでとう」
『ありがとうございますっ!!』
ゴブリンスレイヤーに森人剣士は直ぐに四人がご機嫌な訳を理解した。
何故なら、四人の首元には鋼鉄製の小板――認識票があったからである。そう、四人は第八位の鋼鉄等級に昇級したのである。
「本当、おめでとう皆……新年早々、幸先が良いわよね」
「耳長娘に同意するのは癪じゃが、幸先が良いのはそうじゃのう。ともあく、おめでとう」
「然り、良かったですな……ただし浮かれ過ぎて失敗しないように気を付けなされ」
妖精弓手に鉱人道士、蜥蜴僧侶等も知り合いの冒険者達の昇給を祝った。
「昇級、おめでとうございます」
牛人戦士もとりあえず、昇給を祝う。
「でも、それもこれもゴブリンスレイヤーさんが面倒を見てくれたおかげです」
「何から何まで丁寧な指導もしてくれましたからね」
「参考になる事ばっかりだったからな」
「ためになりました」
「俺はただ、切っ掛けを与えただけだ。昇級は皆が頑張ったからにすぎない」
「で、今度はその子に切っ掛けを与えようって訳ね。オルクボルグ?」
ゴブリンスレイヤーに対し、妖精弓手は面倒見が良いなと伝えるような表情を浮かべて問いかける。
「ああ、そうだ。ゴブリン退治を教えてほしいらしいからな」
「俺はゴブリンをぶっ殺すんだ」
「オルクボルグの二代目でも産み出す気?」
「そんなつもりはない。ともかく依頼を受けに行く」
「じゃあ私達がパーティになって良いですか?」
「せっかく、鋼鉄等級になったしね」
「新人に色々、俺達も教えたいし」
「こういう事は大事だって、ゴブリンスレイヤーさんから教わりましたし」
「助かる」
ゴブリンスレイヤーはそうして、ゴブリン退治の依頼書を幾つか取った。
「じゃあ、依頼をこなしに行ってくる」
「はい、お気をつけて」
そうして受付嬢に見送られながら、ゴブリンスレイヤーは森人剣士に女神官に女武闘家、新米戦士と見習い聖女と少年魔術師の一党でゴブリン退治の依頼をこなしに向かったのであった……。