完全な完成はまだだが、本当に最低限の訓練は出来るくらいにはなった冒険者の訓練場にてゴブリンスレイヤーは教官として新人冒険者達への教導を始めた。
他にも森人剣士に牛人戦士、若い戦士に槍使いに女騎士、重戦士が新人冒険者達への教導を手伝っていく。
当たり前だが、冒険者が等級を上げるためには人格面も重要になる。必然的に等級が高い者ほど、面倒見が良くなるのだ。
訓練場で教導をしているのはゴブリンスレイヤーに森人剣士に牛人戦士、若い戦士に槍使いに女騎士であり、重戦士は自分の一党である少年斥候に半森人剣士と共に洞窟での行動の仕方を教えていた。
「まあ、こんな感じで魔術も臨機応変に戦う事が出来る。色々と自分の持つ手札を活かせ」
「ああ、分かった」
「良し、じゃあ昼からは魔術以外の後衛としての戦い方を鍛えていくぞ。体力が重要なのは間違いないけどな」
そう、少年魔術師に魔術についての知識や工夫のやり方を教え、午後についての教導内容を言って他の者達の元へと移動しようとしていると……。
「ふふふ、皆さん熱心ですね。教える側も教わる側も……」
「教導というのはどっちにとっても得る物があるからな」
日傘を持って訓練の様子を見に来た三つ編みの受付嬢がやってきた。
「それにしても暑いですね」
「俺は慣れているが、確かに前の時よりは暑いな」
初夏の陽気には暑く、額に汗を滲ませながら言う受付嬢にゴブリンスレイヤーは答える。
「みなさーん、お昼にしましょーう」
「近くの村と牧場からの差し入れだよー」
荷車を何台か押して牧場の牛飼娘に女神官と女武闘家、ゴブリンスレイヤーの姉に農夫が軽く腹を満たせる軽食と井戸で冷やされたレモン水の瓶を運んできた。
そうして皆へと休憩である事を呼びかけていきながら、軽食と瓶の配給を手伝いに行く。
「姉さんも来たのか……」
「貴方の仕事の様子を見にね……貴方、冒険の事は簡単なことくらいしか、話してくれないじゃない」
「勘弁してくれ」
姉にゴブリンスレイヤーは言葉をかけるとウインクしながら、彼の姉は自分の気持ちを話し、ゴブリンスレイヤーは軽く頭を抱えた。
「(あー、なるほど……それでなんとなく、似てる感じがしたのか)」
少年魔術師は姉に対するゴブリンスレイヤーの態度に彼に出会ってから感じていた共感は同じ弟という立場によるものだと察した。
そうして昼休憩をした後……。
「そうそう、そういう感じだ」
「えへへ、ありがとうございます(こういうのを望んでたんだよなぁ)」
圃人剣士と軽い手合わせをしながら、剣と盾の使い方をゴブリンスレイヤーは教導したり……。
「投擲というのは只人の武器だ。術の節約をしたいときにも使えるからな」
「とはいえ、難しいな」
少年魔術師に投石紐での投擲術を教えたりもした。
「おい、たまには男四人で飲みにいくぞ」
「分かった」
夕暮れになっていく時間帯、訓練も終わろうという時に槍使いから重戦士に若い戦士、ゴブリンスレイヤーの四人で酒を飲み交わそうと誘われたので応じたのであった……。