ゴブリンスレイヤーは新しく出来た訓練場にて、少年魔術師や圃人剣士の少女など新人冒険者達の教官として教導を務め、夕暮れとなったので今日の教導を終えた。
すると教導を手伝った槍使いが若い戦士とゴブリンスレイヤー達とは別に洞窟探索を新人冒険者へ自分の一党である少年斥候と半森人剣士に教えていた重戦士にゴブリンスレイヤーで飲みに行こうと誘ってきた。
特に断る理由も無いので槍使いの誘いに応じて同期である冒険者達で酒場へと繰り出した。
「いつにもまして賑やかだな」
「冒険者だけでなく、旅客や訓練場建設の人足もいるからな。そりゃ多くなるだろう」
「まあ、賑やかなのは良い事じゃないか」
「そりゃそうだ」
宵の口特有な繁華街の混雑を眺めながら、ゴブリンスレイヤーは言うと重戦士が言い、若い戦士に槍使いが感想を言っていく。
そうして男四人で『親しき友の斧亭』という数字の刻まれた斧の看板が目印の酒場へと向かい、自在扉を開けて中に入る。
「良い感じだ」
「だな」
「正に酒場って感じだ」
「席が空いてると良いがな」
広い店内に並んだ円卓の多くは既に客に座られている中、ゴブリンスレイヤー達は周囲を見回していく。
『親しき友の斧亭』は一階を酒場、二階を宿とした古式ゆかしい冒険者達の宿でもある。
運が良い事に四人で座れる席があったのでゴブリンスレイヤー達は座り、槍使いが代表してエールを四つ、若い
そうして、女給はエールをなみなみ注いだ杯を四つ持ってきた。
「さて、乾杯するか」
「何にするんだ?」
「こういうのは定番で良いだろう」
「だな」
それぞれエールを持ち上げ……。
「我が街に!!」
「神々の
「冒険者に」
「乾杯!!」
四人は冒険者として、定番の乾杯をするとエールを飲み始める。
「美味しいな」
「新人たちを鍛えてやったばかりで喉も乾いているし、腹も減っているからな」
「さあて、料理も頼んでいこうぜ」
「酒が美味いんだから料理も美味いだろうな」
そうして、ゴブリンスレイヤー達は品書きを見てそれぞれ、料理を頼んでいく。
「この四人で酒飲みなんかいつぶりだ?」
「普段は一党と飲んでいたりするからなぁ」
「だからこそ、気兼ねなく男達で飲もうと思ったんだよ」
「そういうのも大事だ」
ふと思い返しながらゴブリンスレイヤー達は食事をし、酒を飲み交わしていった。
「俺は最強になりたかった」
「俺は王になりたかった」
「俺は偉大な冒険者を目指していたから、叶っていると言えば叶ってる」
「俺もまあ、それなりに叶ってるな」
飲み交わしを終えるとふと自分達がなろうとした事について槍使いに重戦士は話し出したがゴブリンスレイヤーと若い戦士だけ、叶ってはいた。
「お前ら二人だけ狡いな」
「狡いとかではないと思うがな」
酒場の外に出て歩きながら、他愛もない話をしている。
「新人たちがやりたい事をやらせられると良いな」
『ああ』
そんな話を熟練の冒険者となっているゴブリンスレイヤー達は語っていくのであった……。