『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

139 / 145
百三十八話

 

 訓練場で新人冒険者へ教官として、教導をしているゴブリンスレイヤーの元に指名の依頼が入った。

 

 依頼の内容はゴブリン討伐だ。基本、積極的にゴブリン討伐をしてそれを達成しているゴブリンスレイヤーの名は四方世界において広く知れ渡っている。

 

 それにより、村人がゴブリンスレイヤーを頼って指名する事が多いのだ。なので今回もその指名の依頼を受ける。

 

 今回、指名の依頼が出された経緯としては定型的(テンプレート)と言える内容だ。

 

 村はずれにゴブリンが出てきた。関わってこないならと放置していたら増長したのである。作物は盗まれ、家畜が奪われ、薬草摘みに出た娘が襲われ、攫われた事でゴブリン討伐の依頼は出されたのである。

 

 ゴブリンスレイヤーは森人剣士とゴブリン討伐に行こうとしていたのだが……。

 

 

 

「ねえ、私と変わってくれない? その……お金が無くなっちゃって……」

 

 妖精弓手が恥ずかしそうにしながら、ゴブリンスレイヤーと依頼をしたいと言ったのであった。

 

「前の洞窟と地下遺跡の探索依頼で結構稼いだはずだが……」

 

 ゴブリンスレイヤーは前に森人剣士に牛人戦士、妖精弓手と鉱人道士に蜥蜴僧侶で洞窟探索の依頼を受けたのだがその洞窟には地下遺跡もあり、宝箱を発見した事で結構な価値のある宝を入手する事が出来た。

 

 それを換金して平等に分割した。勿論、かなり稼いだのだが残念ながら妖精弓手はぽんぽんと使ってしまったようである。

 

 

 

「だって、お金はいくら稼いでも使ったらなくなるんだもの。なのに生えてきたりしないし……」

 

「そりゃそうだろう……まあ、そういう事ならいくか」

 

 困っている妖精弓手に対し、ゴブリンスレイヤーは依頼を受ける一党を組む事に決めて二人で向かうのだった。

 

 

 

「今度からはせめて、必要物資を買う分の金は残しておけよ」

 

「はーい……」

 

 ゴブリンに匂いを気づかれないため、妖精弓手のための『匂い消しの香袋』を買って与えながら注意する。

 

 そうして、ゴブリンの巣となっている洞窟の中へと足を踏み入れ……。

 

「ふっ!!」

 

「はあっ!!」

 

 ゴブリンスレイヤーは鋼球を投擲する事でゴブリンを蹴散らし、妖精弓手は矢を放ってゴブリンを射抜く。

 

「ふんっ!!」

 

 進んでいくうちに妖精弓手が不意打ちしようとしていたのに対し、機先を制しながらゴブリンスレイヤーは幾つか携帯している鞘に納めたままの剣を一つ、取り出す。

 

 そして、刃の方を持って土壁へと叩き付ける事で掘削されて薄くなっていた土は崩れ、穴が開く。

 

 驚いて動きが止まっているゴブリン達の間隙に付け込み、ゴブリンスレイヤーは土壁を崩した剣の握りを掴んで鞘から引き抜き、そうして剣舞でゴブリンを斬り殺していった。

 

「さて、娘を探さないとな」

 

「ええ」

 

 その後、ゴブリンスレイヤーと妖精弓手はゴブリンを全滅させつつ、攫われた娘を救出し、依頼を達成したのであった……。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。