今は夏の時期――銀等級の妖精弓手の元へ彼女が住んでいた
そして、妖精弓手は一党を組んでいる者達、一党のリーダーであり、男女の仲にもなっているゴブリンスレイヤーを始め、森人剣士に牛人戦士、女神官に女武闘家と鉱人道士と蜥蜴僧侶を自分の姉と従兄の結婚式に客として、招待する事にした。
そして、更に……。
「貴女も来てよね、友達だし」
妖精弓手は三つ編みの受付嬢も結婚式に招待する。
「え、ええっと私は……」
「いや、行きなさいよ。招待されてるんだから……休暇もそんなに取ってないでしょ。この前だって、有休消化してほしいって言われてたでしょ。丁度良い機会じゃない」
悩む受付嬢に同僚である監督官がはっきりと言った。
「まあ、だからほら……ゴブリンスレイヤーさん達に溜まってる仕事を片付けてもらって休む事」
「はい……」
監督官は受付嬢の手元から書類を取り上げながら、彼女に休みを取るための段取りまで付けてしまったのであった。
受付嬢の手元に会ったのはゴブリン退治の依頼である。
ゴブリンは春先から夏にかけては苛立っている分、手強い。
しかして、夏においてゴブリン退治が依頼されるのは少ない。夏はゴブリンにとっても実りが多くなる秋じゃない。
田畑には青々とした麦穂があって、収穫はされていないしそももそも麦穂を得ても食えたものじゃないので村を襲おうとは思わない。
なので狙いは旅人や放牧に遊牧を行う家畜飼いに薬草師となるのだ。
そうした面もあるが、ゴブリンが苛立つのは春はともかく、夏になれば雨は増えて忌々しい日差しは強く、穴倉暮らしは辛いのだ。
ゴブリンは居住環境を気にはしないが、そもそも何かに対してもゴブリンは怒っている。怒る理由が増えれば当然、凶暴性も増していく。
なので襲った旅人に対して、男ならば蹂躙する。女であっても凌辱した後、夏は食べ物が腐りやすくなるのであっという間に食いつくしてしまうだろう。
まあ、危険なのは夏だけじゃない。他の季節でも危ないし、危険なのは怪物だけじゃない。
この四方世界には祈らぬ者や山賊、盗賊、野盗となった傭兵集団もいて、危険が多い。
ただでさえ、魔神王の残党が残っていてそれと国が争っている状態でもある。
しかし、今は戦乱と戦乱の狭間とはいえ平和という状況ではあった。
ともかく、そんな中での結婚式というめでたい状況。
ゴブリンスレイヤーはそれに参加するべく、ゴブリン退治の依頼を解決する事にしたのであった……。