『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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三話

 

 新人冒険者の彼は初めての仕事として、『ゴブリン退治』に挑み無事、成功させた。そして、納屋でなら宿泊して良いと許可を貰った『辺境の街』近くの牧場まで帰り、そこで幼馴染である牛飼娘の出迎えを受けながら一夜を過ごす。

 

 無論、洞窟内のゴブリンになるべく存在を悟られないように土や泥、ゴブリンの血液で汚す事で金臭さを消した鎧に盾を水を染み込ませて布で丁寧に洗い、乾いた布で拭き取るなどの事をしていった。

 

「それじゃあ、行こっか」

 

「ああ」

 

 翌朝、身支度を整え朝食を済ませると『辺境の街』の冒険者ギルドなど注文を受けたところに牛乳などの配達をしに行くため、荷物を積んだ荷車を引く牛飼娘のそれを後ろから支えて手伝いながら、『辺境の街』へと向かった。

 

 彼は彼で初仕事の『ゴブリン退治』の成功の報告とまた、冒険者の仕事の依頼を受けるために冒険者ギルドへと向かわなければならない。

 

「じゃあ、俺はこのまま『冒険者ギルド』に行ってくるからな。気をつけて帰れよ」

 

「うん、行ってらっしゃい。また、帰ってくるのを待ってるから」

 

「ああ」

 

 荷下ろしなど牛飼娘の仕事の手伝いを済ませた彼は牛飼娘と別れ、『冒険者ギルド』へと向かう。

 

「まあ、当然だな」

 

 兜を小脇に抱えつつ、依頼書を貼りだしている依頼板を見れば、もう大体の冒険者が依頼を受けた後であった。

 

 そうして……。

 

 

 

「あっ……無事戻ってきてくれたんですね。先日はありがとうございました。仕舞い切れていなかった依頼も引き受けて頂いて」

 

 自分の姉に容姿と雰囲気が似ている三つ編みの受付嬢の元へと行けば彼女は安堵の笑みを浮かべ、安堵の息を吐きつつ新人冒険者の彼に言葉をかける。

 

「気にするな、それじゃあ依頼について報告させてもらう」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 そうして、彼は『ゴブリン退治』の依頼について詳細を自分がやった事まで含め、全て報告した。

 

「詳しい報告をありがとうございます……冒険者であっても、一党組む事を推奨されるゴブリン退治を一人でこなすなんて凄いですね」

 

 受付嬢は彼の報告をまとめると評しながら、報酬の金貨が入った袋を渡した。

 

「出来る事を全力で真剣にやった結果だ。さて、依頼板を見たがもう、大体の依頼は取られているな」

 

「はい、そういう事もあるのでなるべく依頼を貼り出す時間帯に来て頂ければ……」

 

「それはそうだな。じゃあ、『ゴブリン退治』の依頼はあるか?」

 

「それは勿論というか、いつも余るくらいありますけど……い、良いんですか?」

 

 

 

「良いもなにも……誰かはやる必要があるだろう。それに世界を救うなら、まずは村を救えないとな。何事も小さな事からこつこつと……そういうのは嫌いじゃないんだ」

 

「へえ、良いこと言うじゃん」

 

 躊躇いがちに言う受付嬢に対し、新人冒険者の彼は自分の考えを言うと隣の方にいた受付嬢の同僚が軽く口笛を吹いてみせた。

 

 

 

「凄く立派な考えだと思います……じゃあ、どうかよろしくお願いします」

 

「ああ」

 

 束となっている『ゴブリン退治』の依頼書の内容を見ながら、その中で緊急性の高い物を選び取り、その依頼を受ける。

 

 

 

「じゃあ、行ってくる」

 

「はい、気をつけて……あ、それと」

 

「それと?」

 

 冒険者ギルドを去ろうとした時、含みのある言い方をされたので問い質してみると……。

 

「私としては貴方の姉と同じように気軽に接して頂いて構いませんから」

 

「~~っ!?」

 

「ふっ……」

 

 三つ編みの受付嬢から言葉による致命的な一撃(クリティカル)を受けた事で彼は唸り声を上げながら自分が致命的な失敗(ファンブル)したのを悟った。

 

 そんな中、堪えきれないとばかりに忍び笑いを漏らし、大きな笑いとして爆発させるのを抑えながら笑う隣の同僚がやはり、主犯であると確信した。

 

 まあ、結局は自分の失敗だ。

 

 

 

 

「ま、まぁよろしく頼む」 

 

「はい」

 

 なんとか返答をすると笑顔を浮かべる三つ編みの受付嬢の姿を見つつ、今度こそ依頼を果たすべく冒険者ギルドから出る。

 

 

 

 

 

 

『GORBB!?』

 

「何事も地道な事からだ」

 

 そうして新人冒険者である投擲手の彼は拳大の石や先のゴブリン退治で収穫していた刃物や凶器を投擲し、必要なら相手をしているゴブリンから武器を投擲用として保持してはまた投擲する。

 

 近距離になると左の盾でゴブリンたちの攻撃を受け流し、弾き逸らし、あるいは打撃武器として振るい、突き出して攻撃し、右手で鷲の頭を模した柄頭の短刀や片手剣で切り裂き、刺し貫く事で今回の『ゴブリン退治』を完了したのであった……。

 

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