『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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五十話

 

  冒険者の等級は第一位の白金、第二位が金、第三位が銀、第四位が銅、第五位が紅玉、第六位が翠玉、第七位が青玉、第八位が鋼鉄、第九位が黒曜、第十位が白磁という十の等級がある。

 

 大体、三等級で分類され、第一位は規格外の実力者という事を表し、第二位から第四位までが冒険者としては実力と信用を兼ね備えた最優秀の者という評価だ。

 

 第五位から第七位までが中堅の者という評価であり、第八位から第十位までが新人という分類だ。

 

 そして、ゴブリンスレイヤーと彼の相棒である森人剣士は第三位の銀であるが実力的には金である。あえて銀のままでいるだけなのだ。

 

 何故、金等級にならないのかと言えば金等級になれば、国が対処するような悪魔の相手や魔神、幹部などの相手にそれに付き従う魔術師や邪教集団、遺跡などの対処を優先しなければならず、辺境の街からも離れなければならないからだ。

 

 ある程度、自由が利く限界が銀等級なのである。

 

 そんな昇級しない我儘のようなそれを通すため、ゴブリンスレイヤーに森人剣士は新人冒険者の教育を率先して引き受けていたりもする。

 

 とはいえ、国としても金等級の実力を有する二人を遊ばせておきたくないと周期的みたいなもので金等級が担当するような依頼をゴブリンスレイヤーと森人剣士に出し、引き受けさせるのを条件として許している。

 

 

 

 そうして……。

 

「はあっ!!」

 

『GUGYA!!』

 

 巨大な上級悪魔の頭部へとゴブリンスレイヤーは魔法の盾を投擲して炸裂させる事で大きく仰け反らせると……。

 

「しっ!!」

 

「おおっ!!」

 

 森人剣士が魔法の剣による壮絶な剣閃を炸裂させるに続いてゴブリンスレイヤーも又、魔法の剣による壮絶な剣閃を炸裂させる事によって斬滅したのであった。

 

「魔神の影響か随分と悪魔が手強くなってきているな」

 

「ああ、下級悪魔も増えてきている。そのうち、大戦争でもありそうだ」

 

 そんな評価をしながら悪魔が邪教集団を束ねて集めていた財宝などをゴブリンスレイヤーと森人剣士はしっかりと頂いた。

 

 

 

 

 そんなかなりの案件を引き受けながらも……。

 

 

 

 

「燃やすのが一番だ」

 

 とある村の周辺にあったかつて森人が古木で築いた山砦をゴブリンの群れが自分たちの住処とした。そうして、村娘を攫ったのである。

 

 それを何とかしようと通りすがりの冒険者の一党がゴブリン退治を善意で引き受けたがそれから何日も経っていた。そして、ゴブリンが退治されていたなら、結果は当然……。

 

 ともあれ、ゴブリンスレイヤーは幾つかのゴブリン退治の依頼の最初に規模も考えてこの山砦に巣くったゴブリンを討伐する事にし、エルフがいれば砦に火除けを精霊に嘆願する事で対処するのでうまくいかない火攻めをする事とした。

 

 ただ、今回一党はゴブリンスレイヤーと森人剣士に聖職者としての務めで三日ほど前まで神殿に籠っていた女神官の三人だった。

 

 ゴブリンスレイヤーが面倒を見ていた残りの新人は休み中である。

 

 そうして、三人で砦へと向かい……。

 

 

 

「ふっ!!」

 

 長弓にメディアの油に浸された布が巻かれた鏃に女神官が火打石を打って、着火したそれをゴブリンスレイヤーは番えて、そうして火矢を放つ。

 

 それは古木の砦に突き刺さり、火が木造の砦を燃やし始めた。

 

「次だ」

 

「はい」

 

 そうして、複数の火矢を女神官の協力で放って、砦を燃やしていき……。

 

「頼む」

 

「≪いと慈悲深き地母神(ちぼしん)よ、か弱き我らを、どうか大地の御力でお守りください≫」

 

 砦を燃やされた事でその炎から逃げようと砦の入口に殺到するゴブリンの群れに対し、女神官が新たに授かった≪聖壁(プロテクション)≫の奇跡を行使し、砦の入口に不可視の壁が展開され、ゴブリンの群れが砦から脱出するのを防いで閉じ込めた。

 

 そうして、後はゴブリンの群れは炎により、燃やされていく。

 

「悪いな、神の奇跡を悪用するような真似をした。だが、万が一にも失敗しないようなやり方はこういうのしか思いつかないんだ」

 

「いえ、私は大丈夫です。それにこれは必要な事ですから……」

 

「少なくとも、ゴブリンの被害に遭った者たちの弔いにはなるさ」

 

 そんな事を言いながら、ゴブリンが燃やされていくのを眺め、ある程度のところで消火して生き残りがいる可能性をも考えて捜索などして出来得る限り、依頼を完璧にこなしたのであった……。

 

 

 

 

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