『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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五十六話

 

 

 森人の里にある古代遺跡がゴブリンの群れによる巣穴となっていたのだが、実はこの四方世界においては伝説の怪物の一体とも言えるオーガがその背景にいた。

 

 ゴブリンを雑兵とし、古代遺跡を四方世界蹂躙のための『砦』に使おうとしていたのだ。

 

 そんなオーガに対しゴブリンスレイヤーは切り札の一つを使って対処した。

 

 ≪転移(ゲート)≫が記されている巻物に転移先を海底とする事で巻物を開いた瞬間、高水圧の海水を放出するようにしたものを使ったのだ。

 

 まともに高水圧の海水を浴びたオーガの肉体は耐え切れず、上半身と下半身を分断される重傷を負い、そのままゴブリンスレイヤーはとどめをさして勝利したのである。

 

 その後、ゴブリンスレイヤー達はゴブリンの生き残りがいないか探しつつ、オーガが蓄えていた財宝を見つけ、それを分配すると古代遺跡を出て……。

 

「お疲れ様でした。中の様子、ゴブリン共はどうなりました?」

 

「ゴブリンもそして、ゴブリンを雑兵に使おうとしていたオーガも全て対処した」

 

 ゴブリンの虜囚となっていた森人の冒険者を彼女の居住地まで手紙を持たせて、蜥蜴僧侶による竜牙兵に送り届けさせたのだが、それによって木と革と石による煌びやかな武具を纏った森人の戦士たちが馬車を用立て、遺跡の入り口にて待っておりゴブリンスレイヤー達に質問する。

 

 それに対し、ゴブリンスレイヤーは報告した。

 

 

 

「オーガ!? それは本当にお疲れ様です。確認のため、遺跡に入らせてもらいますのでどうぞ、街まではゆっくりお休みください」

 

「それはありがたい、お言葉に甘えさせてもらう。それじゃあな」

 

「はい、それでは」

 

 ゴブリンスレイヤーが手を差し出すと森人の戦士も手を差し出して握手を交わし、そうしてゴブリンスレイヤー達は馬車へと入る。

 

 

 

 

 

 

 少しして御者が馬へ声をかけ、馬車を走らせたのだった……。

 

「……それにしてもかみきり丸よ、お主の実力も戦法もとんでもないのぅ」

 

「思えばほとんど小鬼殺し殿、一人で片づけてしまわれましたな」

 

「そ、そういえばそうね……あなた一人でもこの依頼達成出来たんじゃない?」

 

 鉱人道士、蜥蜴僧侶、妖精弓手の三人がそれぞれゴブリンスレイヤーに声をかける。

 

「偶々、結果がそうだっただけだ。どこで失敗するかも分からないのに単身でああいう遺跡に挑む気は無い」

 

「でも、単身で挑まなければならなかったら、挑むんだよな君は……」

 

「状況による」

 

「今更、私に嘘つくなよ」

 

 ゴブリンスレイヤーの答えに隣に寄り添っていた森人剣士が呆れ混じりの苦笑を浮かべつつ、小突いた。

 

「本当に仲良いわね、貴方達」

 

 かなり、親し気で甘い雰囲気を出すゴブリンスレイヤーと森人剣士の二人を見て、どこか羨む様子で見ていた。

 

「ああ、見ての通りだ」

 

「彼は付き合いやすいからな」

 

「そうね、私達に対しても色々と気配りしているし……その、お幸せに」

 

『ありがとう』

 

 妖精弓手からの温かい言葉に二人は礼を言う。

 

「さて、戻ったら宴をしないとな。後はオーガ退治になった分の報酬は追加してもらわないと……どうせなら、巻物代も必要経費で加えてもらうか」

 

「こ、小鬼殺し殿、流石に巻物代は……」

 

「分かってる、冗談だ……依頼は達成し、宝もそれなりに獲得出来て報酬も貰えて帰れる。冒険者として大成功だな。皆もそう思うだろう?」

 

 馬車での帰り道、ゴブリンスレイヤーの問いに皆は頷き、そうして他にも雑談を交わしたりしながら街に帰還するまで穏やかな時間を過ごすのであった……。

 

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