オーガはゴブリン達を雑兵と従えつつ、砦としていた古代遺跡のそれを攻略中、捕虜になっていた森人の冒険者を里へと送り届けたのだがそれによって、森人の戦士の集団が送られてきた。
オーガもゴブリンも片付けた事で遺跡を出たゴブリンスレイヤー達はその森人の戦士の集団と出会い、彼等の厚意によって用意された馬車に乗り、辺境の街へとゴブリンスレイヤーの一党は帰還する事になった。
夜が明けた朝にて出発し、休憩も挟みつつ移動した事で辺境の街に到着したのは一晩かかった。
「馬車をありがとう、お陰で快適な移動で早く戻る事が出来た」
「ああ、そんな……こちらこそ、里や同胞を救ってもらって感謝しているんですから……」
「良いから、受け取ってくれ。また、縁があればよろしく頼む」
「はい、縁があれば……」
街に着くと馬車を降り出す一党。ゴブリンスレイヤーは御者の元へ行き、少しばかりの金を出して遠慮する御者に言い聞かせながら、渡し握手を交わすと別れた。
そうして、冒険者ギルドへと向かい……。
「っ、お帰りなさい」
「ああ、今、依頼が終わったところだ」
三つ編みの受付嬢の元へとゴブリンスレイヤーが向かえば、彼女は笑顔を浮かべて対応を始め、ゴブリンスレイヤーは早速報告を始める。
「オーガが出て来るなんて……でも、倒すなんて流石ですね」
「まあな」
そうして、一応の依頼人にもなっている蜥蜴僧侶との手続きなどを終えて古代遺跡でのゴブリン退治の依頼は完了となったのである。
「じゃあ、今日の晩に……」
そうして、宴を冒険者ギルド内にある酒場でする事を約束すると一旦、ゴブリンスレイヤーは牧場へと向かった。
「お帰りなさい」
「ああ、ただいま」
牧場で仕事をしていた牛飼娘がゴブリンスレイヤーの姿を見ると駆け寄り、そうして抱き締め合った。
持って行った装備の片付けや消耗品の確認などを済ませていき……。
「じゃあ、行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい。楽しんできてね」
夕方に牛飼娘に見送られながら、辺境の街へと出発。
そうして……。
「無事、ゴブリン退治の依頼を完了出来た事に乾杯っ!!」
『乾杯!!』
ゴブリンスレイヤーに森人剣士、女武闘家に女神官、新米戦士に見習い聖女、妖精弓手に鉱人道士に蜥蜴僧侶の九人が宴を始めた。
「おお、やってんな」
「冒険、どう、だった?」
ゴブリンスレイヤーのへと槍使いとその相棒である魔女が声をかけた。ゴブリンスレイヤーと同期である二人は数年の間に男女の関係にもなっている。
「ああ、オーガがゴブリンを従えていた」
「オーガっ!? 相変わらず、お前が受けるゴブリン退治には色々と絡んでくるな」
「何か、引き寄せて、いるのかも、ね」
「止めてくれ、縁起でも無い」
何度かゴブリンスレイヤーのゴブリン退治に付き合った事もある槍使いは経験談から言い、魔女は悪戯染みた笑みを浮かべつつ、言うとゴブリンスレイヤーは軽く手を振る。
「実際、結構色々絡んでいるだろう」
「お前まで向こうにつくなよ……」
森人剣士まで加わった事にゴブリンスレイヤーは軽く、頭を抱える。
「おい、聞こえたぞ。オーガに出会ったと……どうやって倒したんだ?」
「ふふ、凄い大物にあったじゃないか」
重戦士と女騎士もゴブリンスレイヤーの元へと近づき、声をかけてくる。
「巻物を使ったんだよ」
『ぁぁ~……』
ゴブリンスレイヤーの一言に実際にそれを使って水攻めを行なったのを目撃した槍使い達は納得した。
「お前、相変わらず正攻法では挑まないよな……」
「力は強く、魔法は強力、再生までするような怪物とまともにやり合う気にはなれん。それしか手段が無いなら、仕方ないが」
「俺はお前のやり方は好きだけどな、楽に片付けるのが一番良い」
「私は普通にやり合いたいけどな」
槍使いは溜息を吐きながら言うとゴブリンスレイヤーは自分の考えを言い、重戦士は軽く言い、女騎士は重戦士に反論するように言った。
因みに重戦士と女騎士もゴブリンスレイヤーや槍使い達に影響されるように男女の関係を築いていたりする。
そんな他愛ない話をしつつ……。
「えへへ、オルクボルグって優しいわね。大好きよ」
「そうか」
「んふふー」
「おい、耳長娘が猫みたいになっとるぞ」
「好奇心旺盛なところとか割と近しいですな」
葡萄酒で酔った妖精弓手がゴブリンスレイヤーにご機嫌な様子で近づき、そんな彼女の頭をゴブリンスレイヤーは撫でてやった。
そんな様子を見て鉱人道士と蜥蜴僧侶が突っ込みを入れたりする。
そろそろ酔い潰れそうだと判断し、ゴブリンスレイヤーは冒険者ギルドにて宿を取っていた妖精弓手を彼女の部屋へと運んで寝かせた。色々と荷物が散らばっていたのを見て見ぬ振りもした。
「それじゃあ、またな」
ある程度の時間で宴を終え、料金をゴブリンスレイヤーが払って別れ……。
「ふ、う、んんっ……好きだよ」
「ああ、俺もだ」
牧場に戻ると牛飼娘の部屋にて彼女へ口づけし、体に触れていき、やがて深く交流をしていったのだった……。