『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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五十九話

 

 

 封印されていた魔神王の一柱が目覚め、悪魔の軍勢を率いて四方世界を侵略しようとしていた。その魔神王の軍勢とそれぞれの種族の軍勢に金等級の冒険者達は戦っていき、そうして一か月ほどの戦いを経て、魔神王は討ち取られた。

 

 一人の新人冒険者が聖剣に導かれ、冒険の末に二人の金等級冒険者の仲間と共に倒したのだ。

 

 当然、その新人冒険者は史上十人目の白金等級冒険者に認定され、都では盛大に祝典が開かれ、街や村でも規模はともかく世界が平和になった事を記念しての祭りが催された。

 

 しかし、完全に世界は平和になった訳では無い。

 

「GOB!!」

 

 ゴブリンに対して統率力に秀でたゴブリンロードは百はいるだろう大軍勢を率いながら進んでいた。

 

 大軍勢の中にはチャンピオンやシャーマン、ホブ、飼っている狼などもいた。

 

 そして、周辺の村や街、やがては四方世界を侵略する事を目的としていたゴブリンロードはまず、拠点に出来る場所を探していたのだが……。

 

『GOB!?』

 

幾つかの部隊に分かれて拠点となる場所を探していたゴブリン達。

 

 

 

 突如、多くのゴブリンが深い落とし穴に落ちて、底に設置されていた杭によって串刺しとなる。

 

『GOBAAA!!』

 

あるゴブリンは木と木の間に設置されていた鉄線が突如、ゴブリンの動きに合わせて強く張り詰め、それに引っかかり切り裂かれる。

 

『GROOB!!』

 

 太枝を撓ませ、しならせた状態にする事で弓とし、鋭く尖らせた杭を矢に、網を弦のようにする事で用意した原始的な大弩にて放たれた杭に幾つかのゴブリンは蹂躙される。

 

『GOOB!!』

 

人間に偽装した人形を襲った幾つかのゴブリンは人形が倒れ、それが重石代わりとなっていたのでそれが外れた網は滑車を勢いよく走り、杭を丸く束ねて縛り上げた鉄球によってなぎ倒される。

 

 それだけでなく、或いはどこかから放たれた大石やら何やら罠がゴブリンや狼を襲う。

 

 罠があるのは森だけではない。

 

 

 

『GOB!?』

 

洞窟を見つけたので使えるかどうか、探ってみると落とし穴や油がまかれていたのが燃やされたりする。

 

 陵墓を見つけもしたがその中も色んな罠が仕掛けられていた。

 

 

 

 そして、ゴブリン達を襲ったのは罠だけではない。

 

 

 

「さて、やるか。村を救われた恩をようやく返せるしなっ!」

 

 重戦士たちの一党が森にて罠にかかったゴブリン達へ襲い掛かる。

 

「頑張りましょう、皆さん」

 

「さあ、やるわ」

 

「頑張らないとなっ!!」

 

「気合入れ過ぎて失敗するんじゃないわよ」

 

 女神官に女武闘家、新米戦士に見習い聖女らも罠にかかったゴブリン達を攻めていく。

 

「あの人には散々、お世話になっているからな」

 

 他にもゴブリンスレイヤーに世話となった冒険者達も又、ゴブリンを倒すべく向かっていく。

 

 

 

 

「ったく、魔神王は倒されたってのに面倒事起こそうとしやがって」

 

「そういう、ものでしょ、ゴブリンは……」

 

 槍使いと魔女も又、ゴブリンを滅ぼすべく挑んでいき……。

 

「本当、ゴブリンってどうしてこう……」

 

「数だけは大したものじゃのう」

 

「糧にさせてもらうだけの事」

 

 妖精弓手に鉱人道士、蜥蜴僧侶の一党も同じく、ゴブリンを討伐すべく動く。

 

 そうして……。

 

 

 

 

「GOB!!」

 

 護衛代わりに幾匹かのゴブリンを伴っていたゴブリンロードの頭部と腹部を飛来した剣が深々と貫き、死体とした。

 

「ふっ!!」

 

『GOB!!』

 

更に森人剣士の剣舞とそれに混じって飛来する鋼球がゴブリンを全滅させたのであった。

 

「まったく、手間かけさせやがって」

 

 自分の故郷である村を守るために陵墓や洞窟など周囲の巡回、罠の設置、暇をしている冒険者たちの雇用などをしてゴブリンスレイヤーはこうしてゴブリンロードの軍勢を滅ぼしたのであった。

 

 

 

 

「終わったよ、姉さん」

 

「えぇ、ありがとう」

 

 村に戻り、ゴブリンスレイヤーは自分の姉に対してゴブリンの脅威が去った事を告げたのであった……。

 

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