六十一話
辺境の街から牧場へ向かう場所から真反対の道をずっと進んだ町外れ、小川の傍には水車と煙突のある一つのあばら家があった。
このあばら家はゴブリンスレイヤーにとって魔術の師である『孤電の術師』が住んでいた家である。
「ん……ふぁ……」
そんな家の中、前は色んなものが散らばり積まれていたそこはちゃんと住みやすくなるように片づけと整理がされており、置かれている寝台の上で孤電の術師に変わって、この家の家主となっている森人の剣士が起床し、体を起こすと欠伸をした。
「おはよう、朝食は出来ているぞ」
「おはよう……いつもすまないな」
昨夜、彼女と愛を交わしていたゴブリンスレイヤーは森人剣士より早く起き上がると身支度を整え、朝食の準備をしており、そうして森人剣士を起こそうとしたが丁度、起きた所なので声をかける。
「ん、美味しい」
「それは良かった」
パンに野菜にスープという森人向けの食事を始め、森人剣士の言葉に軽く笑みを浮かべる。
「じゃあ、行くか」
「そうだな」
その後、朝食の片付けや家の戸締りなど必要な事をすると辺境の街の冒険者ギルドへと寄り添い合って移動をした。
「あ、ゴブリンスレイヤーさんおはようございます」
「おはようございます」
「おはようございます……ふああ」
「ちょっと、ちゃんと挨拶しなさいよ。おはようございます」
冒険者ギルドの中へと入れば、これから依頼をこなしにいこうと依頼書を持っていた女神官とその隣に女武闘家、そして二人の近くに新米戦士と見習い聖女がいてそれぞれゴブリンスレイヤーと森人剣士に挨拶をする。
「ああ、おはよう」
「これから、依頼をこなしに行くのか?」
「はい、頑張ってきますね」
「ああ、頑張れ」
「気をつけてな」
ゴブリンスレイヤーに森人剣士は笑顔で頷く女神官へそうした声をかけて冒険者ギルドを出発する四人を見送ったのだった。
「おはよう、二人とも。ねぇ、もし何も無いなら一緒に依頼をしない? 面白そうな遺跡探索を見つけたの。ああ、ゴブリン退治の依頼も今はほとんど無いみたいよ」
するとタイミングを待っていたのだろうか、妖精弓手が依頼書を持ってゴブリンスレイヤーと森人剣士に近づき、食い気味に依頼へ誘ってきた。
一緒に来てほしいという気持ちを隠そうともせずに出している。
「凄い断りにくそうに言うのぅ」
「はっはっは、まぁ誰とも交流しないよりは良いかと」
呆れたように鉱人道士は言い、蜥蜴僧侶は苦笑した。
「まあ、そういう事なら行こう」
「そうだな」
「良しっ、そう言ってくれると思っていたわ」
妖精弓手は二人の言葉に笑みを浮かべるとすぐさま依頼を受けるための手続きを受付嬢へとしに行った。
妖精弓手が手続きしに行ったのは三つ編みの受付嬢であり、ふとゴブリンスレイヤーへと苦笑を浮かべ、ゴブリンスレイヤーもそれに軽く手を上げて応じ、苦笑する。
ともかく、そうしてゴブリンスレイヤーと森人剣士は妖精弓手に鉱人道士、蜥蜴僧侶の三人と遺跡探索の依頼をこなしに向かったのであった……。