『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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六十五話

 

 冒険者ギルド内の酒場は夜だけでなく、昼日中でも酒を飲みに繰り出しに来る者は多く賑わう場所である。冒険者の仕事に昼夜の概念は戦闘時を除けば薄いからだ。

 

 延々と遺跡や迷宮に潜り、出てきたら夜、あるいは朝、なんて事はザラである。

 

 朝方潜って夜に戻って来たつもりが実は翌日の夜だったなんて笑い話もある。

 

 隊商の護衛などであれば昼に出立する事もある等、酒場から灯が消える事は無いのだ。

 

 

 

 そういう訳で今日もそうして昼食や酒を堪能する冒険者達で酒場はごった返していた。

 

 

 

「お、今回も昇級審査の立会人の仕事は終わったようだな」

 

「ああ、無事にな。それと俺を指名した依頼を受けた。複数の冒険者を呼んでも良いとの事だ」

 

 ゴブリンスレイヤーが酒場へと足を運べば森人剣士が声をかける。他にも妖精弓手に鉱人道士と蜥蜴僧侶、女神官に女武闘家、新米戦士に見習い聖女らもいた。

 

 元々、食事をしようという約束を交わしてはいたのだ。ゴブリンスレイヤーは森人剣士に応じつつ、自分が依頼を受けた事を言う。

 

 

 

「なんの依頼?」

 

「ゴブリン退治だ。それと依頼人は水の街にいる『剣の乙女』、至高神の大司教だ」

 

『あ、大司教様っ!?』

 

 妖精弓手が依頼を聞いてきたのでゴブリンスレイヤーが依頼内容と依頼人を教えれば女神官と見習い聖女が驚愕する。

 

「ああ、俺としては人手も欲しいし一党として来て欲しい。報酬は一人金貨、一袋だ」

 

「行きます、是非行かせてください!!」

 

「よろしくお願いしますっ!!」

 

 まず女神官と見習い聖女が乗り気でゴブリンスレイヤーからの求めに応じたが……。

 

 

 

「私達も是非、その依頼に入れさせてくれ。剣の乙女に会える機会なんてそうは無いしな。丁度、暇を持て余していたところだ」

 

「……俺は強制かよ。まあ、ゴブリン退治の報酬としては悪く無いから良いけどな」

 

 ゴブリンスレイヤーの話を聞きつけた女騎士が重戦士を連れながらそう言ってきた。女騎士もまた、至高神に仕える者である。彼女の言うように剣の乙女には中々会って、話せる機会が無いのでこういった機会を得られるのは魅力的なようだ。

 

「ああ、よろしく頼む」

 

 ゴブリンスレイヤーは二人を受け入れた。

 

 

 

 

「私も行きます」

 

「俺も行くよ」

 

 女武闘家と新米戦士は依頼を受ける事を承諾する。

 

 

 

「当然、私も行くわよ。この前は付き合ってもらったしね」

 

「ふふ、では拙僧も」

 

「儂も行こう」

 

「私は言うまでも無いな」

 

 妖精弓手に蜥蜴僧侶、鉱人道士、森人剣士も同様だった。

 

「じゃあ、改めてよろしく頼む」

 

 こうしてゴブリンスレイヤーは自分含めると十一人の一党で大司教からのゴブリン退治の依頼をこなす事になったのだった……。

 

 

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