『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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六十七話

 

 『水の街』にある『法の神殿』を訪れる者は多い。至高神に祈るのは信者だけではないからだ。

 

 地母神の神殿が孤児を引き取って育てたりするように、『法の神殿』では神の名の下に審判を行なっている。文字通り、『司法』の場であるゆえに……。

 

 細やかな日常の揉め事から、人の生き死にに関わる事まで。

 

 

 

 神の威光を以て裁いてもらおうという者はいつの世も後を絶たない。

 

「規模もあるだろうが、本当に人が多いな」

 

「それは勿論、至高神様の目が届く場所なのだからな」

 

「此処は至高神に仕える者からすれば、聖地ですし」

 

 審判を求める人々で満たされている待合室を抜けながら、ゴブリンスレイヤーは感想を言えば女騎士と見習い聖女がそう、意見を言った。

 

 そうして、待合室から神殿の奥へと向かい、審判の行われる法廷や書庫の並ぶ廊下を進んで更に奥へ……白亜の円柱が立ち並ぶ静寂に満たされた空間の一番奥へと進み、神殿の最奥にある太陽を模した神像が祀られる礼拝堂へとゴブリンスレイヤー達は到着した。

 

 

 

『……』

 

 そして、礼拝堂においては神話から抜け出たような光景が広がっていた。

 

 並ぶ円柱の狭間から降り注ぐは金色の帯を思わせる陽光、空間は一切の無粋な音が存在し得ない完璧なる静謐があり、聖域と化していた。

 

 そして祭壇には長柄で天秤の鍔を持つ長剣を逆しまにした杖に縋るようにして祈りを捧げる一人の女性がいた。

 

 豊満な肉体を覆い隠す薄い白衣、長い金髪と美しさを感じさせる容姿で本来なら顔も美しい事を伺わせるが、目元を黒い眼帯で覆い隠している。

 

 

 

「(本当に縋っているな……)」

 

 ゴブリンスレイヤーは長年培った観察眼から女性の祈っている姿や雰囲気から本当に救いを求めていると察した。

 

 

 

「すまない、『大司教』で間違いないだろうか?」

 

「……はい、そうです。貴方達は?」

 

 ゴブリンスレイヤーが女性へと問いかければ、『大司教』は頷きつつ、ゴブリンスレイヤー達へと問いかける。

 

「俺は貴女からご指名を受けたゴブリンスレイヤーだ。後は今回の依頼のパーティで……」

 

 ゴブリンスレイヤーは自己紹介すると森人剣士に妖精弓手、鉱人道士に蜥蜴僧侶と重戦士に女騎士、女神官に女武闘家と新米戦士に見習い聖女もそれぞれ自己紹介をする。

 

「ふふふ、これは頼もしい冒険者達が来てくださりましたわね」

 

 懐かしさに溢れた笑みを浮かべながら大司教は言い……。

 

「ようこそ、法の神殿へ……歓迎いたしますわ、冒険者の皆様」

 

 そうして大司教はゴブリンスレイヤー達を歓迎したのであった……。

 

 

 

 

 

 

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