『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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七十話

 

 水の街の地下に入るというゴブリンの群れを退治する依頼を受けたゴブリンスレイヤー達は『法の神殿』を宿代わりに続けさせてもらいつつ、裏庭の井戸から地下水道に降り、ゴブリンの群れの討伐をしていた。

 

 実際、水の街の地下は完全にゴブリンの巣窟と化していて、規模を甘く見ていただろうゴブリン退治をしようとした水の街の冒険者は返り討ちにあい、骸と化して幾人も転がってさえいたのだ。

 

「雨か」

 

 地下水道を探索しているゴブリンスレイヤー達であるが天井より、水の雫が降り注ぐ。

 

 排水溝や運河などから雨が地下水道に回ってきているのだ。

 

 地下水道を進むにあたって、角灯を光源としているので割れない限り、問題は無いが雨天行軍というのは身体が冷えるし、それに元々、足場が悪いとあって休憩する事にした。

 

 梳毛(ウーステッド)の外套に包まると円陣を組んで腰を下ろす。

 

 

 

「ほれ、呑んどけ。冷えた身体じゃ動けんからのう」

 

 酒壷を触媒の詰まった鞄から引っ張り出し、封を破ると透明な火酒を杯に注ぐと鉱人道士は皆へと振る舞う。

 

「助かる」

 

「お、すまないな」

 

「感謝する」

 

「やっぱり、酒精が強いな」

 

「気配り、感謝」

 

「わ、私は……」

 

 ゴブリンスレイヤーに重戦士、女騎士に森人剣士に蜥蜴僧侶らが感謝しながら受け取るも妖精弓手は躊躇いがちだ。

 

 

 

「一口で良い、一口で……体を温めるのが目的じゃ」

 

「そういう事なら」

 

「私もそれなら」

 

「う……良し」

 

「飲みましょう」

 

 そうして、一口飲んで顔を歪めたり、普通に飲むだけと反応は様々だが携行食の堅パンと水で薄めた葡萄酒で食事を済ませる。

 

 

 

 

「何か、来た」

 

「だな……水路を進んでいる」

 

「泳いでるわけじゃなさそうだけど」

 

 ゴブリンスレイヤーに森人剣士、妖精弓手らが何かを察知して警告。即座に皆、休憩を止めて立ち上がり、戦闘態勢に……。

 

 

 

 そうして……。

 

 

 

 

「益々、きな臭くなってきているな」

 

 角灯で水路の彼方を照らせば、廃材を組み合わせて作られた筏にも似た粗雑な船にゴブリンが複数乗っていた。

 

 手製の弓でゴブリンスレイヤー達を狙う。

 

 

 

「≪いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らを、どうか大地の御力でお守りください≫」

 

 女神官による≪聖壁(プロテクション)≫の奇跡がゴブリンの矢の雨を防ぐ。

 

「≪聖壁≫が消えたらいくぞ。ゴブリン達は落とすだけで良い」

 

「分かった」

 

「心得た」

 

 ゴブリンスレイヤーは森人剣士に≪竜牙刀≫を持った蜥蜴僧侶へと言い……。

 

 

 

「今だっ!!」

 

 そうして、船へと飛び込むと共にゴブリン達に対し、ゴブリンスレイヤーは盾で殴り飛ばし、あるいは蹴り飛ばす事で船から水の中へと落とす。

 

 森人剣士に蜥蜴僧侶も落とすための戦い方で次々と落としていった。

 

 落とされたゴブリン達は鎧を着ているのもあって泳ぎも出来ずに沈んでいった。

 

 

 

 そうして、船から全部のゴブリンを叩き落とし跳躍して岸へと着地する。

 

「どうやら、まだ何か来る。逃げた方が良い」

 

「AAAAAARRRRRIGGGGGGG!!」

 

森人剣士が告げた直後、白い鱗の大きな蜥蜴にも似た怪物が水の中から現れる。

 

 

 沼竜(アリゲイタ)である。

 

 

 

「あれが先に言った至高神の使徒(ファミリア)だな。特徴とも一致する」

 

『おお……』

 

 ゴブリンスレイヤーは沼竜が至高神に仕える秩序の守人で都市地下の守護獣である事を剣の乙女から聞いており、情報共有をしていた。

 

 実際の姿を見て、皆が軽く驚くのであった……。

 

 

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