『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

90 / 116
八十九話

 

 ゴブリンスレイヤーは五年前、白磁等級の時にとある村で二十の群れとして侵略をしようとしたゴブリンの群れを退治した事がある。

 

 その依頼を達成した事でゴブリンスレイヤーは黒曜等級になったのだ。

 

 そして、その村の少女の一人はゴブリンスレイヤーに冒険者になる事を誓ったのだが、五年後である今――その少女とゴブリンスレイヤーは再会したのだ。

 

 

 

「本当に冒険者になったようだな」

 

「え、ああ、うん……あの時のお兄さんのように……皆を守るためにね」

 

 少女へとゴブリンスレイヤーは言葉をかけると少女は言いにくそうな表情をしながらも頷く。

 

 だが、ゴブリンスレイヤーはこの少女と先程問答をした剣士、別に長大な杖を構えた女性の一行が魔神王を倒した勇者一党である事を知っていた。

 

 水の都で勇者たちの特徴は聞いていたし、勇者である少女が身に着けている剣はあまりにも立派な拵えのそれだったからだ。

 

「もっと話をしたいが、宿をとるなら急いだほうが良い……それに俺はこの街を活動拠点にしているから何かあれば、冒険者ギルドを訪ねると言い。収穫祭も明日はあるし、会う機会もあるだろう」

 

「うん、後でまた話をしようね。お兄さん」

 

「ああ、ゆっくりとな」

 

「うん」

 

 そう言い合うと勇者は街の方へ駆け出していき、仲間である女性剣士と女性術師もそれぞれ、ゴブリンスレイヤーへ頭を下げると勇者を追っていく。

 

 

 

「人生ってのはやっぱり、面白い物だな……あの時の少女が勇者になるとは」

 

 思わぬ再会だったが、それでも約束をした少女が世界を救うために頑張っているのでゴブリンスレイヤーは嬉しくなりながら、だからこそ自分は自分でやれるべき事をやろうとゴブリン襲撃に備えた罠を仕掛けていく。

 

 

 設置できる場所に限りがあり、杭と網、材木を使った複雑な仕掛けである。

 

 そうして、罠を仕掛け終えると牧場の方へとゴブリンスレイヤーは帰っていたのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゴブリン襲撃に備えた罠を仕掛け終えた翌朝……。

 

 

 

「えへへ、どうかな?」

 

「良く似合っているよ、なんせお前自体が美人だからな。俺は本当に幸せ者だ」

 

「っ~~、も、もう……」

 

 牧場にて牛飼娘は数年前に母親から渡された青のドレスで刺繍とレースの飾りを付けたそれを着ており、更に大きなリボンの付いた鍔の広い帽子を被っていた。

 

 その姿は貴族の子女のように華やかである。

 

「それじゃあ、行きましょうか。お嬢様?」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 ゴブリンスレイヤーが手を差し出せば、牛飼娘は微笑んで手を握り、そうして二人は『収穫祭』が開催されようとしている辺境の街へと向かうのであった……。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。