『ゴブリンスレイヤー』と呼ばれた投擲手   作:自堕落無力

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九十二話

 

 ゴブリンスレイヤーは牛飼娘に受付嬢、森人剣士に妖精弓手と女勇者に女剣聖と女賢者と『辺境の街』で開催されている『収穫祭』を楽しんでいた。

 

 そんな時、酒場の一つで開催されていた蛙の口に銀玉を投げ入れる事でエールかレモネードを景品として貰える出し物のところで重戦士の一党に与している少年斥候と圃人の少女巫術士、ゴブリンスレイヤーが色々と教えたり、一緒に依頼を何度かこなした事もある新米戦士と見習い聖女がいた。

 

 そして少年斥候と新米戦士はそれぞれの連れである聖女と巫術士に良いとこを見せようと出し物に挑戦したが、どうやっても入れられずに困っていた。

 

 そこへゴブリンスレイヤーが近づいてきたのを見て、彼の投擲技術の凄さを知っているので手本を見せてもらおうとしたのである。

 

 

 ゴブリンスレイヤーの投擲技術の凄さは冒険者だけでなく、街の人でも知っている。なので普通よりも遠い距離から投げ入れる条件で出し物の参加を許される事となり、ゴブリンスレイヤーは見事に蛙の口に銀玉を投げ入れた。

 

 その後、少年斥候と新米戦士の二人にコツを聞かれたが『結局、こういうのは練習あるのみだ』と残り、八個の銀玉を二人に渡し、景品であるエールを飲み干した後、牛飼娘と共に再び、街を歩き出した。

 

 出し物、出店を楽しんでいた一党であったが。昼が近づくと……。

 

 

 

「ぅぅ、まだお兄さんといたいよー」

 

「そうは言っても、私達にもやるべき事はあるでしょう」

 

「十分楽しんだんだから、我儘は駄目」

 

 どうやら女勇者の一党にはやるべき事があり、向かうべき場所があるとの事で別れる事になったのだが、女勇者がごねてしまい、女剣聖と女賢者は説得し始める。

 

「やるべき事があるなら、それをしっかりこなせ。俺だってお前の村に出たゴブリンを倒したのはそれが俺のやるべき事だったからだ。それにこの街が俺の活動の拠点なんだから、いつでも会いにくれば良い」

 

 ゴブリンスレイヤーも説得に加わった。

 

「……うん、じゃあ明日にまた会いに来ても良い?」

 

「勿論だ、待っててやる」

 

「分かった、じゃあ僕は僕がやるべき事をしにいくねお兄さん」

 

「ああ、行ってこい」

 

 

 女勇者はゴブリンスレイヤーの言葉に頷き、そうして頬へと口づけすると手を振り、ゴブリンスレイヤーの元を去り、『ありがとうございました』と女剣聖と女賢者は礼を言いながら、頭を下げて女勇者を追った。

 

 

 

「(俺は俺でやるべき事があるかどうかだ……今日ぐらいは無ければ良いがな)」

 

 彼女達を見ながら、収穫祭が行われているこの周囲にゴブリンの群れがくるかどうか考える。そして、願わくば何も無ければ良いと願うのであった……。

 

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