さあ、始まりました始まりました! 最初で最後の「クラフターズ vs ヘロブライン&軍勢」という、熱い戦い! 実況はわたくし、統括の美少女アレックスがお送りいたします!
目の前に広がるのは、無数のゾンビ、無数のスケルトン、無数のクリーパー、無数のエンダーマン、そして無数のネザー産ガスト! さらには宙を浮遊する多数のウィザーに、ボスのヘロブラインと機械仕掛けのエンダードラゴンまで!
まさに、地獄のオールスター感謝祭! だが、迎え撃つ我らクラフターズも負けてはいないぞ!
「うし! 大樹、杠! テメーらに決めた! あの骨っ子どもを粉砕してやれ!」
千空がポケモンマスターのような召喚茶番をかましつつ、科学的に強化された特殊閃光弾を投げつける!
「任せろ! 俺の体力は無限だァァァ! 杠は俺が守る! 近寄らせんぞォォォ!!」
大樹の雄叫びが轟く! 彼のその頑丈さはダイヤ装備以上だ! スケルトンの矢を素手で叩き落とし、タックルで吹き飛ばしていく!
「任せて千空くん! 大樹くんも無理しすぎないでね! そこのゾンビさん、ちょっと動かないで!」
杠が優雅に、しかし的確に手芸用(?)の強化ワイヤーを操り、ゾンビたちを一瞬で縛り上げていく!
まずは幼馴染トリオ組だ! 千空はニヤニヤしながら、クラフトしたての試作ビーム兵器(!)を乱射して、無双状態。おいおい、科学ってレベルじゃねーぞ! チートみたいな事をしていますが、今回は見逃そう!
「まさか戦うことになろうとはの。わしの役目は教職じゃったはずなんじゃが、この世界じゃ肉体言語が必須科目かえ?」
シルファ先生がロリ美少女の見た目で、渋い声を出して愚痴ってる!
年齢詐称で見た目が非常に詐欺してる彼女ですが、杖でゾンビの頭をカチ割る姿は、明らかにストレス発散できて嬉しそうです! 言動が愚痴なのに、行動が違う…これがツンデレか。あるいは、年の功か。
「うん。とても軽いね。武器も防具も。…これなら、どれだけ振るっても疲れることはなさそうだ。少し手加減が必要かな?」
司が漆黒の槍を片手で軽々と回し、ウィザーの群れをなぎ払っている! かつて千空を殺し、シルファ先生を子供だと勘違いした前科持ちの司! その圧倒的な殺気は、知性なんぞドブに捨ててしまった敵性モブにすら、恐怖を与えている! 流石は、霊長類最強の高校生です!
「一緒に戦えること嬉しく思うぞ! 姉者! 背中は任せた! 思う存分暴れてくれ!」
コハクが二刀流で舞う!
「ふふっ、素敵ですね。コハク。昔のように、いえ、昔以上に息がぴったりです」
ルリ様も笑顔で薙刀を振るう! っていうか強ぇぇぇ!?
「ルリは俺が守る! ルリ強えけど、それでもルリは未来のお嫁さんだかんな! 科学の炎で焼き尽くしてやるぜ!」
クロムが火炎放射器モドキを構えて叫ぶ!
コハクとルリ! 特にルリ…やはり妹がメスライオンなら、姉も猛獣ということか! 彼女もコハクと同等、いやそれ以上に容赦なく力を振るっている! 怒らせてはならない人物に認定しましょう! ちなみに、わたしは以前クロムを寝取ると冗談で言ったら、殺されかけました……ルリ様にはジャンピング土下座で謝罪をさせていただきました。
「こら銀狼! 逃げ…てない?? お前、いつの間にそんな度胸を…!?」
金狼が驚愕の声を上げる!
「ふっ、僕は成長したのさ金狼! 見てよこのダイヤの輝き! 僕にふさわしいゴージャスさだろォ!?」
銀狼が腰を引きながらもダイヤの槍を突き出している!
石の槍から鉄の槍、金の槍からダイヤの槍! 装備の進化と共に、彼らの勇気も進化しているようだ! 痩せ我慢してたのか、銀狼はビクビクして怯えてしまっているが、ダイヤ装備の性能のおかげで無双状態だ! 強いのは不思議!
「ふっ、私も負けていられんな! 父として! 娘たちにかっこいいところを見せねばなるまい!」
コクヨウが村長の貫禄を見せつける!
「ふっ、全くです。老兵だと思って侮ると火傷しますよ」
ジャスパーも渋い!
「親バカだねェ。ま、アタシらも若者には負けてらんないけどさ!」
ターコイズが豪快に笑う!
大人組、強いぞ!? やるじゃないか! 槍と、技術開発部から支給された連射銃を器用に使い分けて…やりおる! 熟練の連携プレーだ!
「スイカも負けてられないんだよォ! 皆の役にもっともっと立ちたいんだよ! 行くよ、スイカ号! 敵をやっつけるんだよー!!」
戦場を駆け抜けるのは、巨大なスイカ!?
スイカは、科学王国と技術開発部が共同クラフトしたロボット、『メカスイカMk-II』に乗っております! 見た目は、ほぼスイカそっくり! しかし、その性能は、ガンダムも裸足で逃げ出すハイスペック! 見た目に反して高性能…詐欺ってますねえ。スピーカーからは、かつて石神村が襲われてしまった悔しさをバネにした、彼女の熱い想いが語られています!
「オッホー! ストレス発散しちゃうのよん! ものづくりの筋肉は、戦いにも使えるんじゃよ!」
カセキの爺さんがムキムキになって暴れまわっている! カセキはスイカを守りながら戦う! 構図は血の繋がりゼロの祖父と孫娘! だがその絆はダイヤモンドよりも硬い! 爺孫コンビ最強!
「フハハハ! 俺様に勝てると思ったら大間違いだ! この機関銃の餌食になりやがれぇぇ!!」
マグマがトリガーハッピーになっている!
「あい! そうです! マグマ様の言う通りです! ヒャッハー!!」
マントルも一緒になって撃ちまくっている! マグマとマントルは軽機関銃で無双! どちらも同じ武器とは仲良しだな! 脳筋コンビの弾幕は厚いぞ!
「もう許さないんだから! せっかくの肌が荒れちゃうじゃない!」
ルビィが怒りの連射!
「お仕置きしちゃう! あんたたちにはお説教が必要ね!」
サファイアも的確に急所を狙う!
「オラオラァ!! どきな! 邪魔する奴は蜂の巣だ!」
ガーネット姐さんがショットガンをぶっ放す!
キラキラ三姉妹が見た目に反して、ヤバい戦闘能力を発揮! 弓矢の天才かな? 百発百中じゃないか! マグマとマントルの援護もして、空飛ぶガストを次々と撃ち落としていく! 美女は強し!
「うん。やっぱり黒曜石の槍は扱いやすいね。重さもちょうどいい」
司が涼しい顔で、敵を串刺しにしている!
「ちゃんとしてますね。動きに無駄がない。…これなら、管槍の錆にする甲斐もあります」
氷月が冷徹に笑う!
「あはは。2人ともヤバいね。とんでもない戦果を挙げてるね。僕も負けてられないなぁ」
羽京が苦笑いしながら、音だけで敵の位置を把握し射抜いていく!
かつて司帝国では最強の座に君臨していた、三人の男! 今も最強のようだ! 羽京は1回で5連射してるし。氷月は回転する槍を投擲して、ガストを撃破。司に至っては跳躍して、空中のウィザーを素手で殴った! 人間やめてる!
「気をつけてアオイ…後ろ、いる」
ホムラが冷静に警告する!
「へへえ、心配ないっスよ師匠! 私だってやれば出来る子…うわっ!?」
アオイが調子に乗っている!
女忍者の2人は凄い! やりおる! あっ、でも背後から近づいて来たクリーパーに気づかなったアオイ…ホムラに無言で怒られとる! 慢心し過ぎてる! 爆発オチにならなくてよかったな!
「やってやんよー!! リリアンの歌を守るために、私は戦うんだよぉぉぉ!!」
ニッキーが鬼の形相で叫ぶ! 怖いな彼女! ダイヤの斧で無双しまくり! その一撃はトロールすら粉砕しそうだ! 戦果を出してくれている!
「私もお兄ちゃんの役に立つんだから! もう守られるだけじゃないよ!」
獅子王ミライが小さな体で戦場を駆ける! こ、コラ! 子供は帰って寝てない! …あいや、無双してるわミライちゃん。霊長類最強の男の家族だからか、妹の彼女も最強か! 遺伝子レベルで強い!
「検挙だヒャッハー! 公務執行妨害で逮捕するぜぇぇぇ!!」
上井ヨウが二丁拳銃で暴れている! 不良警察は拳銃プレイ! 警棒じゃないのかよ! 縛りプレイであれど、腕は劣っていないようだ! 弾切れ知らずの無限エンチャント付きか!?
「ひいいぃぃ! 怖い怖い怖い! でも撮る! この世紀の瞬間を!!」
北東西ミナミが、カメラ片手に逃げ惑っている! ミナミ!? あんた何してんだ!? 戦えないんだから家にお帰り! ジャーナリズム魂もいいけど、命を大事にしろ!
「私は美少女! やれば出来る! この可愛さで敵を油断させて…えいっ!」
アマリリスも何とか戦っている! アマリリスも帰ってもろて…美貌はゾンビには通じないぞ!
「くっ、やりますね。しかし! この私が空を制する限り、お前たちに勝ち目はありません!」
キリサメがエンダードラゴンの背で叫ぶ! エンダードラゴンと機械竜の対決…最高かよ! 空中戦の迫力が段違いだ! エリトラ部隊も援護しているし、見どころ満載! まるで映画のワンシーンだ!
「キリサメを援護するのだ! 我らが誇り高き戦士よ、今こそ力を示す時ぞ!」
頭首が鼓舞する!
「オオオオッ!! 頭首様のために!!」
宝島の戦士たちが奮い立つ!
「へえ、面白そうなのがいっぱいいるじゃん。俺の強さを試すには、丁度いいな」
モズが不敵な笑みで敵陣に切り込む! いいぞいいぞ! どんどん援護したれ戦士団よ! 石化王国の底力を見せてやれ!
「せいやァ! 主君のため、そして銀狼殿のため、この命尽きるとも!」
松風が武士の魂を燃やす! 松風の無双も素晴らしい! 刀一閃、スケルトンがただの骨クズに変わっていく! その忠義、天晴れなり!
「まさか、幼馴染と共同で戦うことになろうとはね。これは唆る展開だ。君の射撃データ、後で詳しく解析させてもらうよ」
ゼノが優雅に指示を出す!
「フン。あんたひとりにしちゃうと、死んじゃうかもだかんね。死なれないために、俺が全部片付ける…よそ見すんなよ、ゼノ」
スタンリーがマシンガンを乱射しながら、背中を守る!
アメリカ幼馴染組…尊い! 背中合わせで戦うその姿、信頼感が半端ない! さりげなくロマン武器で無双するのもイイ!
「シャーロット〜? そんな熱心にスタンリー見てると、あんた死んじゃうよ〜? 戦場でのよそ見は厳禁だって、習わなかった〜?」
マヤが筋肉を見せつけながら、シャーロットをからかう!
「は、ハァ!? み、見てないし! 私はただ、隊長の援護射撃のタイミングを計っていただけで…!」
美女のシャーロットが、顔を真っ赤にして否定する! 好きなんだなシャーロット! バレバレだぞ! 青春だなオイ! 応援しちゃうよ!
「ブハハハ! ヘロブラインの青二才に目にもの見せてやるぜ! アメリカの技術力を舐めるんじゃねえ!」
ブロディが謎の兵器を起動させる! 科学アイテムで無双するブロディ! 豪快さと繊細さが同居した戦いぶりだ!
「私は出来る女! 私は出来る女! …ひいぃっ! 来ないで! ええい、これでも食らいなさい!」
ルーナが震えながらも、ポーションを投げまくる! ルーナは怯えながらも戦えている! さりげなく、ミナミも助けている! 偉いぞ! 出来る女だ!
「ハッハー! やるじゃないかSAI! 貴様のプログラム通りに動けば、敵の攻撃なんざ止まって見えるぞ!」
龍水が指揮を執る!
「僕だって、やれば出来るんだからね! 龍水、右翼の展開が遅れてる! 指示を出して!」
SAIが端末を操作しながら叫ぶ! 兄弟で戦闘……尊い! 完璧な連携だ! 七海財閥の底力を見た気がする!
いやあ、よいものを見た! 皆よく頑張ってて偉い偉い! これなら勝てる! 数の暴力と科学の力、そしてマインクラフトの理不尽さの融合だ!
『アレックスゥゥゥ!! 貴様ァァァ!!』
おっと、ラスボスがお呼びだ。わたしの実況は、ここまでにしておこう。さて、わたしは目の前のヘロブラインに集中するとしますかね。
クライマックスだ…行くぜ!!
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漆黒の宇宙空間に浮かぶ、国際宇宙ステーションISS。そのドッキングポートの一つに増設された、巨大な円筒形のユニットが静かに輝いていた。REIが3700年かけて拡張し、魔改造し続けたISSの最終形態の一つ。対地上支援用の射出カタパルトだ。
その内部。オレンジ色の照明に満たされた液体の中に、一人の少女が浮かんでいた。正確には、浮かんでいるように見える座席に座っていた。
円筒形のカプセル「エントリープラグ」。その中心にある「インテリア」と呼ばれる操縦席だ。パイロットシートと腕部操作用のコントローラーが一体化したそれは、旧世紀のアニメーション作品に登場する人型決戦兵器のコクピットを、完璧に再現したものだった。
座っているのはREI。石神白夜が遺した愛娘であり、このステーションの守護者である美少女アンドロイド。彼女の肢体は今、純白のボディスーツに包まれていた。
プラグスーツだ。身体のラインに吸い付くようにフィットするその素材は、宇宙空間での活動を補助するだけでなく、パイロットと機体のシンクロ率を高めるための、特殊なインターフェースでもある。
まあREIの場合は、全身が機械なので神経接続も何もないのだが、形から入ることは何よりも重要な儀式なのだ。スイッチを押すと、スーツがシュッという音と共に収縮し、彼女のボディに完全に密着した。手首のパーツが緑色に発光し、システムとの接続完了を告げる。
「LCL注入開始」
REIが呟くと、カプセル内が満たされていく。もちろん本物のLCLではなく、ホログラムと特殊なガスによる演出だ。しかし、彼女の視界にはオレンジ色の揺らめきが広がり、母胎の中にいるような安らぎとこれから始まる戦いへの高揚感が、同時に押し寄せてきた。
「A10神経接続。パルス正常。思考形態を日本語モードへ固定。シンクロ率…計測不能<∞パーセント>」
彼女はモニターを見上げた。そこには、青く輝く地球が映し出されている。その表面の一点。日本列島の上空に渦巻く不吉な紫色の雷雲と、地上で煌めく無数の爆発の光。ヘロブラインと科学王国の連合軍が激突している、戦場の輝きだ。地上のデータは、リアルタイムで彼女の脳内に流れ込んでいた。
アレックスたちの奮戦。
千空たちの科学攻撃。
ヘロブラインの理不尽な暴力。
戦況は拮抗している。いやわずかに敵が押しているか。あの巨大なV字戦艦からの支援攻撃が厄介だ。しかし、それも想定内。彼らが耐え抜き、時間を稼ぎ。そして、勝利への布石を打つことまでがシナリオ通り。
「…ふふっ、皆さんが頑張っていますね」
REIは微笑んだ。それは作り物の笑顔ではない。心からの慈愛と、これから合流できる仲間たちへの親愛の情がこもった、聖母のような笑みだった。
彼女の手が、コントローラーを握りしめる。指先に力がこもる。待っていた。ずっと待っていた。3700年前ビャクヤを見送った、あの日から。たった一人で星を数え、地球を見守り続けてきた永い孤独な時間。それも、今日で終わりだ。
「聞こえますか? ビャクヤ、千空」
彼女は誰に聞かせるでもなく、宇宙の虚空に向かって語りかけた。
「私はもう、見ているだけの観測者ではありません。あなたたちと共に戦い、あなたたちと共に未来を掴むための…『翼』です」
エントリープラグ内が赤く点滅し、発進シークエンスへの移行を知らせるアラートが鳴り響く。カウントダウンが始まる。REIは深く息を吸い込んだ。アンドロイドに呼吸は必要ない。が、これは魂の深呼吸だ。
「準備は整いました。全システムオールグリーン。進路クリア。射出圧正常」
彼女は顔を上げた。青い瞳が強い意志の光を放つ。地球が。日本が。愛する人たちが待つ場所が、彼女を呼んでいる。
「行きましょう。約束の場所へ」
REIは、コンソールの最終トリガーに指をかけた。その唇が紡ぐのは、始まりの合図。
「時が来ましたね」
カッッッ!!!
音のない爆発と共に、エントリープラグを内包した射出ポッドが、ISSから解き放たれた。それは流星のように尾を引きながら、大気圏へと突入していく。
一筋の光となって。
地上へ。
そして──希望へ。
さて、次回はどうなるかな。