クラフトは不滅である   作:最高司祭アドミニストレータ

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衝動で書いてしまった拙作。
温かな目で見てくれると嬉しいです。お気軽に誤字報告や感想お願いします。



STONE WORLDへ
どうやら、文明は滅んでしまったようだ


 突然だが、わたしの話に付き合ってもらいたい。わたしは珍しい事故で死亡し、前世と全く変わらない現代社会に転生した。

 

 え? 

 お酒の飲み過ぎでどうかしてしまったのか? 

 

 何を言っている? 未成年だもん。飲める訳ないじゃないか。

 

 え? 

 思い込み? 妄想? 

 

 違うな、間違っているぞCC! ……誰だろう、CCって? イニシャルの名前を持つ人間など、存在する訳がないじゃないか。

 

 さて、話は戻り、だ。違う。決して、思い込みという訳ではない。妄想でも無い。信じられないだろう。私だってそうだった。

 しかし、事実である。前世ではどういった人生を送ってきたのか、一から十まで欠如することなく語られる。

 

 それは、死因についても同様だ。

 

 死因は……フフっ、情けない事だが、タンスの角に当たった衝撃で死んでしまったのである。え、タンスの角に当たっただけでは死なない? 当たっても、悶絶するだけだって? 

 

 その通り。普通なら悶絶するだけだろうが、私の場合それに該当しない。いや、確かに悶絶していたがその最中だ。衝撃により、落下した陶芸品《有田焼》がたまたま頭に当たってしまったである。

 

 上に飾るなよ、と今でも怒っている。自分に対してではなく、そこに置いた父親に対して。

 

 そんな私を憐れんでくれたのか、なんと慈悲深いことに次の機会──―新たな人生を与えてくださったのだ。

 

 相手は女神だった。テレビで見るトップアイドルなど霞んでしまう、人間離れした美貌。淡く柔らかな印象を与える、黒色の長い髪。外見年齢は、わたしと同じ年代くらいだろう。羽衣と呼ばれる、ゆったりとした服に包まれている。

 

 女神の名前はアインドラ、だそうだ。

 

 アインドラはその時、何故か息が苦しそうだった。茶色の事務机をドンドン、っと叩く。どうしたのだろうと首を傾げれば、彼女は告げた。

 

 

『ちょ、ちょっと思い出してェ。わ、笑いが止まらないィ!』

 

 

 そこまで笑ってしまうのは何故なのかと、理由を聞けば失sy……あぁと納得した。

 

 元は日本の田舎町に住む男子高校生だったが、人気ゲームの初回限定版を購入するため外出した帰り道、トラックから女子高生を庇いそのまま轢かれて死亡。

 

 …………かと思いきや、だ。

 

 実はそれ、トラックではなくトラクター。当の女子高生は無事。どうやら彼はトラックに轢かれたと勘違いした、ショック死とのことだ。轢かれそうになった恐怖で失禁、というオプションもセット。近くの病院に搬送されのは良いものの、だ。

 

 

『なっさけねぇーw』

 

 

 居合わせた医者と看護師、に笑われていたとか。病院に搬送されたものの目を覚ますことなく、かの男子高校生は心臓麻痺でこの世を去った。病院に駆けつけた家族にさえ、笑われる始末。 救いがねぇ。

 

 

『──さて、真面目に行こうか」

 

 アインドラが落ち着いたところで、転生について説明された。通常は記憶をリセットし新たな人生を歩むが、かの男子高校生と同様、記憶を保持したまま転生させるとの事。

 

 これまた配慮してくださったのか、現代文明を築いている時間軸──並行世界に転生。またまた更には、『特典』なるものも付与すると言ってくれた。それも、本人が最も望むものを。

 

 なんて優しい女神なのか。そんな女神は村人みたいに、ハァ、と溜息を吐いて顔をしかめていた。その理由が、アインドラの口から語られる。それは、前任者へ向けての愚痴だった。

 

 前任者は元々優秀な者だったが、訳あって駄女神へと堕落。《ポテトチップス》を筆頭とした菓子を食べながら、うつつを抜かす。一番ヒドいのは私が受けていたサポートのようで、それがさも適当だったようだ。

 

 そんな駄女神は男子高校生に『モノ認定』されたようで、彼とは今も行動を共にしているようだ。アインドラ曰く、『魔王を討伐するまで天界には帰れまてん』、だそう。

 

 ちなみにその女神、アインドラから『アホ女神』とも呼ばれていたとの事。どれだけの属性の持ち主なんだ、彼女は。

 

 とまぁ、愚痴が終わるとだ。青く光る魔法陣が足元に現れ、眩い光に包まれた瞬間、気がづけば日本に転生していたのである。

 

 転生して早16年。わたしはクラフターとして、何不自由なく暮らしていた。物を創るクラフト能力が、またまた便利であった。創造が好きなわたしには、ぴったりな特典だ。

 

 あ、察しているかもしれないが、特典は『マインクラフト』である。

 

 マインクラフト。

 

 それはパソコンやスマホ、家庭用ゲーム機などにも対応している、世界中で愛されているゲーム。その世界は立方体のブロックで構成されており、ブロックを壊し素材を集め、建築物や道具など創ることが可能。プレイヤーであるクラフターやモブ達の姿形も、マインクラフトの世界観に準じている。

 

 特典に伴い、わたしの容姿は『アレックス』となった。左側に垂れた明るいオレンジ色の髪、淡い白い肌、緑の瞳が特徴的な少女。美少女らしい。

 

 クラフト能力を保有するわたしは、学生しつつクラフトに勤しんでいた。といってもクラフトは地球ではなく、アインドラが用意してくれた《くらふたーのせかい》で行っている。

 

 クラフト能力を振るいたい気持ちでいっぱいだが、わたしは常識人。アッチの世界でしかと、固く決めている。

 

 ……のだが、状況は変わった。

 

 何故かというと……文明が滅んでしまったのである。そう、それも唐突にだ。《くらふたーのせかい》から帰還したら、文明が滅んでいたとは何事か。

 

 ふぅ。さて、状況を再確認しよう。目の前に広がるは青い空、豊かな自然、そして人の形をした──―裸でスッポンポンな石像が沢山ある。

 

 それらを見て、ハッと閃いた。

 

 ”文明が滅んだということは、この世界でもクラフト出来るんじゃね? ”

 

 嘘だろう工藤。

 せやかて工藤。

 最高かよ工藤。

 

 胸踊る、心が踊る! そうと決まったら早速、探索を開始。サバイバルモードの始まりである。先ずは、素手で木を伐採する。殴る、が正しい表現であろう。ちょっと手が痛い気がするものの、これといって問題はない。慣れた。一定時間が経過した瞬間、見覚えのあるブロックに変化。

 

 マインクラフトの世界ではないからか、《くらふたーのせかい》でもそうだったが、干渉する間はその部分だけブロックとなるようだ。

 

 木を木材へと変え、作業台をクラフトした。完成したばかりの作業台を地面に置いて、木剣をクラフト。

 

 材料、木材二つ棒一つ。超お手頃コストである。本来であれば木のツルハシをクラフトした後、丸石を採取し地下に潜るのが定石。

 

 しかし今回は、探索を優先したいと思う。人間の石像、気になるし。だから丸石を石ツール一式分のみ採取した後、地上の作業台で石ツールをクラフト。そして、探索を続ける。

 

 ふむふむ、なるほどなるほど……。

 

 じっくりと観察してみるに、だ。これ、あれだ。今わたしの近くにいる人間の石像達、元々は生きていたぽい。

 

 恋人の手を取って逃げようとしている男もいれば、考えるポーズ姿勢の少年もいる。また団欒しているであろう主婦や老人の姿など、老若男女問わず。

 

 空へと指差しながら『あれはなんだ!?』してる、下半身が土に埋まっている者すら存在。シャベルで堀ってあげよう。よし、これで大丈夫。

 

 察するに、全人類が石化されたのではなかろうか。動物園でしか見かけない筈の動物が、今こうして見かけているし。文明の痕跡が全く無いという事は、本当に文明は滅んでしまったようだ。なぜ人類のみ石化なのかは、全く分からんが。

 

 どれくらいの年月が経過していたのか、考えていた時だった。

 

 

「ククっ、初めましてだなァ?」

 

 

 わたしの背後から声? が聞こえた。振り返ってみる。槍を持ち、不敵に笑みを浮かべる少年がいた。歳はわたしと同じ、同年代といったところか。箒のように逆立った髪は白髪ベースで、前髪を垂らしている。

 

 何よりも印象づけるのが……この男、裸だ。スッポンポンだ。

 

 あいや、『男にとって大事なところ』は葉っぱで隠れているし、一応裸ではない部類か。まぁ仮にスッポンポンだとして、何とも思わんが。クラフターたる者、その程度で動じる事はないのだ。

 

 

「オレの名前は石神千空。テメーは?」

 

 

 ふむ、知っている名前だ。彼は、わたしが通っている広末高等学校の生徒。確か科学部の部長を務めている、科学が大好きな男だったか。それが、石神千空。おっと、そうだった。名乗られたからには、こちらも名乗らねばなるまい。

 

 

「わたしの名前はアレックス──」

 

 

 

 ──マインクラフターだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「忘れていたぜ。これを伝えるのがな」

 

「?」

 

「人類が石化してから、3700年が経った事をよ」

 

「マジ?!」

 

「マジだぜ」

 

「千空、君は本当に人間か??」

 

「ただ数えていただけだぞ? どこからどう見ても人間様だろうが。•••でだ、一つ聞きてぇことがある」

 

「?」

 

「全人類を石化したのは、テメーか?」

 

「君は何を言っているんだ??」




作者、最高司祭アドミニストレータでございます。

原作が完結した今でも、ドクターストーンは愛されております。アニメ四期の制作がされているのも、その証拠です。
わたしはこの原作の二次創作を執筆し、本日投稿させていただきました。これからもお付き合いいただけると、幸いです。

感想やお気に入り登録、高評価などをいただけますと、作者のモチベーションとなりますので、是非よろしくお願いします。
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