クラフトは不滅である   作:最高司祭アドミニストレータ

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シスター、どうかお許しください。シャンパンが美味し過ぎて、瓶二本空っぽになってしまいました。


アレックス

「ククッ、いよいよ科学王国VS武力帝国全面戦争か。唆るぜ、これは!」

 

 

 千空の不敵な笑みが、焚き火の明かりに照らし出される。

 みんなみんな! 聞いたか? 司帝国、いよいよ石神村にやって来るって! 

 ゲンのもたらした情報によれば、『戦力が揃い次第、圧倒的な武力で村を制圧する』とのことだ。普通なら絶望的な状況だが、わたし達は違う。むしろ、待ちに待ったビッグイベントだ。

 

 あ、どうも皆さんごきげんよう。わたしは、マインクラフターのアレックス。楽しみになって来ましたァァァ!! 

 

 戦争? 上等だ。

 司? かかって来い。

 

 わたしのインベントリに眠る数々のトラップや爆発物が、火を吹く時が来たのだ。

 

 

「みんなー!! てててて敵だよー!!!」

 

 

 その時、橋の方角から悲鳴のような絶叫が聞こえてきた。見れば、兄の金狼と共に門番をしている筈の銀狼が、涙目でこちらへ全力疾走してくる。

 

 おっ、緊急事態かな? 

 しかし、彼と金狼の他にも、もう二人、村の屈強な男たちが警備に当たっていた筈だ。彼らも門番兄弟と同等の戦闘力があった筈だが…? まさか、全員やられたのか? 

 

 

「金狼と僕以外の警備サボってるよー!! 『くー! 飲まなきゃやってやらねェよ! うめぇ~』って酒盛りしてたからー!! 隙だらけだったんだよー!!」

「ハァ?」

「な、なんだと!? しばいたる!」

 

 

 バカかな??

 アホかな?? 

 

 緊急時に酒盛りとか、死亡フラグ建築士かよ。だがその気持ち、よ〜く分かる! 目の前に千空とわたしが醸造した極上の蒸留酒があったら、そりゃあ飲みたくもなるだろう。仕方がなかった、ってやつよ! ドンマイ! 

 

 

「あっ…アレックス!」

「追いかけるぞ!」

 

 

 わたしはインベントリから『俊敏のポーション』を取り出し、一気に飲み干す。視界の端がぐにゃりと歪み、身体が羽のように軽くなる。一気に現場に急行するぞ! 緊急事態だ。真面目に行こう。事は急を要する。

 

 銀狼が来たのは、金狼が一人で敵を食い止めているからに違いない。応援要請だ。到着するまで、スタミナ回復のために焼き立てのステーキをかじり、喉を潤すためにワインをラッパ飲みする。

 

 まっ、真面目なんだからね! エネルギー補給は基本だからね! 

 

 吊り橋の袂に到着。幸い、村人の居住区にはまだ侵入されていないようだ。橋の上で、金狼が数人の男たちと対峙している。その足元には、酔い潰れて寝ていた警備の男二人が転がっている。

 

 …邪魔だな。

 

 わたしは走り抜けざまに、彼らに向かって『毒のスプラッシュポーション』を投げてしまった。うっかり手元が狂ったのだ。紫色の煙に巻かれ、男たちが呻き声を上げながらのたうち回る。

 死ぬことはないだろう。多分。目覚めの一発としては最高だろ? あとで謝罪しとこう。

 

 

「バカな!? あり得ない!」

 

 

 金狼が驚愕の声を上げる。彼の突き出した槍が、いとも容易く受け流され、体勢を崩されている。

 

 

「あり得るんですよ、原始人の門番さん?」

 

 

 相手は、独特な雰囲気を持つ青年だった。黒いマスクで口元を覆い、目は糸のように細めている。手には先端が筒状になった奇妙な槍──管槍を持っている。

 

 

「おや? 貴女は…」

 

 

 挨拶は無用だ! わたしはエンダーパールを投げ、青年の背後へと瞬時にワープする。

 

 背中を取った! 

 手には愛用の木剣。ノックバックⅡのエンチャントが付与された、対人吹き飛ばし特化の一振りだ。剣先が触れただけでも、対象は数メートル後方へ吹き飛ぶ。この狭い吊り橋の上なら、一撃で奈落の底へご案内できる! 

 

 喰らえ! 

 手応えあり! 

 …筈なのだが。

 

 

「不思議ですね、その木剣。脳が溶けてる彼らでしたら、簡単に橋から落ちることでしょう」

 

 

 青年は空中で華麗に回転し、吹き飛ばされる勢いを逆に利用して、橋の欄干に軽やかに着地した。さらに、その回転の遠心力を乗せた槍の一撃が、金狼を襲う。

 

 

「ぐわっ!?」

 

 

 金狼がバランスを崩し、橋から落ちそうになる。あ、あれェ〜? 物理法則仕事しろよ! 

 

 あっ、金狼が危ない! わたしは即座に手を伸ばし、落下寸前の金狼の腕を掴んで引き上げた。ふぅ、セーフ。軽いな君、ちゃんと食べてるか? 

 

 

「いつの間に儂のところまで!?」

「ヤベー!!」

 

 

 カセキとクロムの声。気づけば、わたしの背後にいつの間にか千空たちが追いついて来ていた。わたしは引き上げた金狼を彼らに放り投げるように預ける。

 次いでに『治癒のスプラッシュポーション』を投げて、金狼のダメージを回復させておくのも忘れない。完璧なサポートだ。

 

 再びエンダーパールを投げる。橋の中央、悠々と我々を見下ろしている糸目の男と対峙する。

 

 

「気をつけて! アレックスちゃんが戦ってるの、バイヤー強い男よ! 司ちゃんの右腕、氷月ちゃんよ!」

 

 

 氷月。司帝国のナンバー2か。しかしこの男…ふつくしい。マスクで顔の下半分を隠しているが、その切れ長の目といい、立ち振る舞いといい、ミステリアスな色気が漂っている。

 見惚れてしまうやろ。顔を隠すなんて勿体ない。だが、その秘められた感じがまたイイ…!! 

 

 

「なるほど、これも司クンの情報通りですか」

 

 

 氷月がわたしを観察するように見つめる。

 

 

「君がアレックスクンですね。司クンが随分と気に入っていた創造主」

「…っ!」

 

 

 その声、その視線。まるで値踏みするような冷徹さと、獲物を愛でるような嗜虐性が入り混じっている。わたしの中で、何かが疼いた。

 

 

「アレックスが悶えてるんだよ!?」

 

 

 スイカが、心配そうに声を上げているが違う。これは武者震いだ。決して変な意味で悶えているわけではない。

 

 

「では、戦意を喪失して差し上げましょう──」

 

 

 氷月が槍を構え、歌うように言った。

 

 

「『歌はイイね。人間が生み出した文化の極みだよ。そうとは思わないかい? アレックスさん』」

 

 

 ズキュゥゥゥン!! 

 わたしのハートを何かが貫いた。そのセリフ、そのポーズ、そしてそのイケメンボイス。完璧だ。完璧すぎる。

 

 

「アレックスが発狂してるんだよ!? 呪いなんだよ?!」

 

 

 ぐわァァァァ…!! 

 膝が地面に着く! おのれ氷月! 物理攻撃じゃなく、尊さで攻撃してくるとは! 尊死させる気か…!!

 だ、だが…此処は通さない! この村は、この村は…わたしのモノだァァァ!!! 

 

 

「うんアレックス! 俺のだからな?? そこは間違えんなよ?」

 

 

 千空が冷静に訂正してくる。

 

 

「事実そうなのだが…ゲス顔にも程があるぞ? 千空」

 

 

 わたしは震える手で牛乳を取り出し、一気飲みする。ゴクゴクゴク…プハッ!

 ふぅ、またもや魅了状態となってしまった。危ない危ない。フッ、全く…この世はイケメンで溢れてるな。司といい氷月といい、わたしの乙女回路を焼き切る気か。

 

 

「落とさなきゃ…アレックスを落とさなきゃダメなんだァァァ!!」

 

 

 背後で、銀狼が何やら物騒なことを叫んでいる。

 

 

「ど、どうしたんだい!?」

「命の危機を感じたんだ!! 『じゅんあいの敵はお仕置きね♪』って訳分かんないこと言いながら、白い飲み物飲まそうとして…あの時のアレックスちゃんの目がマジだったんだ! とにかく落とさなきゃァァァ!!!」

 

 

 ターコイズが困惑する中、銀狼がパニックになっている。失礼な。わたしはただ、彼の歪んだ性根を牛乳で浄化してあげようとしただけなのに。

 

 対して、銀狼はどうか? 

 素材は大変素晴らしいというのに、中身はクズの中のクズ。悪い奴じゃないんだけれども、救いようのないクズである。中身もイケメンにしないとだなァ? 後で教育的指導が必要だ。

 

 

「いっやァァァァー!!!」

 

 

 銀狼が錯乱して槍を振り回す。

 

 

「アレックス…伏せるな!」

 

 

 千空の鋭い指示が飛ぶ。え? 伏せるな? 普通は「伏せろ」じゃないのkでハァァァ痛ィィィィ!?!? 

 

 千空貴様ァァァ! 味方を撃つとは、やりやがったな!! フレンドリーファイヤーだぞ! FFは鯖BAN対象だぞ! 確認しろや!!

 ヘイ味方! ちょっとは心配してよ!? ナニ幽霊扱いしてくれてんの!? そこに人の心はあるんか!! 

 

 

「フゥ、スッキリした♪」

 

 

 千空が清々しい顔をしている。鬼か。

 

 

「個性的な原始人ですね、彼」

 

 

 氷月が面白そうに目を細める。

 

 

「今更ですが…彼女は脳溶けてますねェ。色々と異常ですよ? そうは思いませんか…噂の千空クン?」

 

 

 おい、脳が溶けてるとか失礼だぞ。溶けてるのは心だ。

 

 

「フフッ! テメーらがトロいからとっくに完成したぞォ? 科学王国がよ」

「へえー。きっと大喜びですよ? 司クンも」

「司に伝えろ! 『科学の力で、銃を百億丁ほど完成させた』ってな!」

 

 

 わたしを一瞥することなく会話を進めているなんて…ヒドいわ! わたしの存在感、空気以下かよ! 

 そして、平気で人殺すこと躊躇しなそうな氷月もヒドいわ! 「脳溶けてる」って、初対面のレディに対して言う言葉か? 

 …牛乳を飲む。情緒が激しい。カルシウム不足かもしれない。

 

 

「今日は退きあげさせていただきますよ…今日は、ね」

 

 

 氷月が槍を収める。千空のハッタリを警戒したのか、あるいは単なる偵察だったのか。彼は撤退を選んだようだ。

 

 

「クククッ、いつでも相手してやるよ。司帝国も、科学王国になるんだからよ」

「…ホォ? 『俺のモノになる』ですか…それはそれは! 楽しみで仕方ありませんね!」

 

 

 氷月が愉悦に歪んだ笑みを残し、部下たちと共に森の闇へと消えていく。

 

 

「だろ?」

「「フフフッ」」

 

 

 千空と氷月、二人の天才が悪だくみをするような笑みを交わす。

 

 嵐が去った後の静寂。わたしは橋の上に大の字に寝転がり、夜空を見上げた。ああ、今日は疲れた。イケメンに翻弄され、味方に爆撃され、散々な一日だった。

 

 嗚呼、星空が綺麗ダナ〜。

 明日は平和だといいな。…無理か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■□■□■□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから日を跨ぎ。とどのつまり、今日。石神村は、司帝国による二回目となる襲撃を受けた。

 

 結果から言おう。

 我々の完全勝利である。

 

 勝因は三つ。

 一つ目は、カセキ爺さんの魂と千空の科学が融合して生まれた、日本刀の切れ味。

 二つ目は、あさぎりゲンによるハッタリと心理誘導──すなわちマジック。

 そして三つ目は、自然の要害、硫化水素エリアの活用だ。

 

 これらが完璧に噛み合った結果、とどのつまり、我々は一人の犠牲者も出すことなく、圧倒的な武力を誇る襲撃者たちを撃退することに成功したのだ。

 フッ、ざまあみろだ。科学王国サマに神風特攻を仕掛けてくるとはいい度胸だが、文明の利器の前では無力なのだよ。

 

 …ただ、一つだけ。

 思い出したくもないが、鮮明に焼き付いている光景がある。

 あの硫化水素エリアでの出来事だ。追い詰められた敵の襲撃部隊──ヒャッハー族とかモヒカン族とか呼びたくなるような連中──に対して、彼らの大将である氷月が取った行動。

 彼は、自分の部下を、躊躇なく毒ガスの谷底へと突き落としたのだ。足場にするためだけに。毒ガスの濃度を測るためだけに。

 

 ドン引きである。氷月ったらもう…危険人物に指定しちゃうわよ! 悪い男ね! わたしだって村人の増殖制限とか間引きとか、効率化のために非情な手段を取ることはある。あるけれど! 

 

 それはあくまでゲーム的なシステム上の話であって、生身の仲間を使い捨てにするのとは訳が違う。

 

 そ、そんなね…わたしはマッドな実験をするマインクラフターであっても、冷血漢じゃないんだから! あんな奴にこの村を渡すわけにはいかない。改めて決意を固めた瞬間だった。

 

 そして現在。戦いは終わり、科学王国民は石神村の広場に集まっている。

 あの日、御前試合が行われた、因縁の場所だ。皆、勝利の余韻と、次なる戦いへの不安が入り混じった複雑な表情をしている。

 だが、わたしだけは違う。これからの展開に、ワクワクが止まらないのだ。

 

 

「おいアレックス。さっきからニヤニヤしやがって。援軍と言ってたが、何処の援軍だ? アレックステメー」

 

 

 千空が怪訝そうな顔でわたしを見下ろしている。彼の科学的思考回路をもってしても、わたしの言っている「援軍」の正体は予測不能らしい。

 

 ふと、わたしは思ったのだ。『文明を復興させる科学王国側に、創造主であるわたしがいるなら、他の創造主を呼んでもイイよね?』っと。

 

 ルール違反? 知ったことか。司帝国だって、人数暴力で攻めてきているのだ。こちらも質と量で対抗するのは兵法の基本である。ちょうどあちらの世界──《くらふたーのせかい》から、女神の妨害をかいくぐって念話が届いていたことだし、タイミングはバッチリだった。

 

 わたしは念話に対して、こう返信したのだ。『招待する』っと。

 

 

「クククッ、まあいい。テメーの呼ぶ援軍だ。どうせロクなもんじゃねぇだろうが、戦力になるなら歓迎してやるよ」

 

 

 千空が諦めたように笑う。失礼な。ロクなもんじゃないとは心外だ。最高に頼りになる連中だぞ? 

 

 わたしは広場の中央に進み出ると、インベントリを開いた。取り出すのは、黒く輝く不気味なブロック──黒曜石。そして、火打ち石と打ち金。

 

 黒曜石を積み上げていく。縦5マス、横4マスの長方形の枠。村人たちがざわめき始める。

 

 

「な、なんなのだ? アレックス、その黒い石は…」

「不吉な色じゃのう…」

「な、なんなのだ? あの、巨大な門は!?」

 

 

 村長コクヨウが声を震わせる。無理もない。彼らの常識には存在しない、異界の物質なのだから。

 

 枠組みが完成した。わたしは火打ち石を構え、黒曜石の内側に向かってカチリと打ち付けた。

 

 

 ボウッ! 

 

 

 火花が散り、一瞬だけ炎が上がる。次の瞬間、その炎は赤から紫へと色を変え、渦を巻き始めた。ウゥン、ウゥン…という独特の重低音が響き渡り、枠の内側が紫色の歪んだ光の膜で満たされていく。

 

 黒曜石で構成された、紫色の門。ネザーゲート。

 現世からネザーへ。ネザーから現世へ。

 あるいは、次元を超えて《くらふたーのせかい》へと繋がる、禁断の扉。

 

 

「ひぃぃぃ! な、なんか出たぁぁぁ!!」

「空間が…歪んでいるのか?」

 

 

 それが出現すると…門が開いた。紫の膜が揺らぎ、向こう側の景色が一瞬だけ透けて見える。

 

 そして──全てが静まり返った。ただ、静寂だけが広場を支配した。鳥の声も、風の音も消え失せたかのような、圧倒的なプレッシャー。ゲンや千空すらも、その光景に釘付けだった。言葉を失い、ただ呆然と、門の向こうから現れる「それ」を見つめている。

 

 規則正しい足音が響く。最初に姿を現したのは、深紅の旗を掲げた一人のマインクラフターだった。顔にはカボチャや仮面、あるいは幾何学的なスキンを被り、手には剣や弓、ツルハシを携えている。

 

 その後ろから、一人、また一人と、多数のマインクラフターが続いて現れる。その数、十や二十ではない。

 軍団だ。統一感があるようで全くない、カオスで、しかし歴戦の猛者だけが纏うオーラを放つ、創造主の軍勢。

 

『何処の援軍だ?』と千空が問うた、その答えがこれだ。

《くらふたーのせかい》から招集に応じた、我が同胞たちである。

 

 村人たちが恐怖で後ずさる中、その軍勢が左右に割れ、道を作った。その奥から一人の創造主が、カツカツと靴音を響かせて、わたしの元へゆっくりと歩み寄って来る。

 

 その姿を見た瞬間、コハクが息を呑んだ。ルリが口元を押さえた。そして千空が、目を見開いて「ハァ!?」と声を漏らした。

 

 黒い軍服に身を包み、マントを翻すその少女。腰にはサーベルを帯び、頭には軍帽を被っているが、その下にある顔は──何と、わたしと瓜二つの顔ではありませんか。

 

 髪の色も、瞳の色も、顔の造作も、何一つ変わらない。まるで鏡を見ているようだ。それもその筈である。

 

 彼女はわたしの前に立ち止まると、ニヤリと不敵な笑みを浮かべて敬礼した。

 

 

「招待ありがとう──もう一人のわたし」

 

 

 凛とした、しかし聞き慣れた自分の声。彼女こそ、わたしと同じ経緯で死に、転生後は『マインクラフター』へ転生した──別ユニバースの、もう一人のアレックスなのだから。

 

 通称02。またの名を、軍事部のアレックス。わたしが建築やサバイバルを楽しむタイプだとすれば、彼女は戦争や軍事演習をこよなく愛する、好戦的な創造主だ。

 

 

「文明の復興、か…なんて心踊る夢だろうか! 荒廃した世界、失われた技術、そして強大な敵。燃えるシチュエーションだねぇ!」

 

 

 彼女は広場を見渡し、文明レベルの低さに嘆くどころか、むしろ目を輝かせている。

 

 

「必ず実現しよう! この手で、一から軍事国家を…おっと、科学王国だったか。まあいい、勝利の美酒を味わえるなら何でもいいさ! ワクワクドキドキ!」

 

 {IMG209812}

 

 彼女が右手を差し出してくる。わたしは、軍服姿のわたしと力強く握手を交わした。互いの掌から熱意と、これから始まる「楽しいこと」への期待が伝わってくる。

 

 

「わたしもそうだよ! 楽しみですな!」

 

 

 最強の援軍が到着した。科学とクラフト、そして軍事力。これで役者は揃った。

 

 さあ、司帝国よ。震えて眠るがいい。ここからは、創造主たちの独壇場だ! 

 

 

 

 

 

 

 おまけ アレックスの日記

 

 

 銃が完成し、それが表舞台に登場した。

 司帝国に放たれた武器のその正体は、マッチロック式火縄銃である。命中精度と射程の向上は申し分ないのだが、デメリットは歴史と博物館通りだった。

 

 とはいえ、このストーンワールドで銃を完成させた。これは、大きな利点だろう。

 襲撃して来た司帝国はビビってしばらく来ないだろうし、ボルトアクション式レベルアップさせるのもありだろう。軍服姿のわたしも喜ぶ。その彼女は絶賛、司の似顔絵描いてるけど。




アレックスs「「楽しくなってきましたネェ!!」」
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