vs司帝国本土決戦、始まる
むか〜し昔、その昔。
ある日いきなり、突然と不思議な光がやって来た。地球を、包み込むようにして。
世界中の人類全員、石となった。あとはもう、ゆっくり滅びるだけ。
建物も何もかも、これまで作り上げて来たもの達が全て無くなってしまった。
だが…だが! 諦めてない男がいた。石化しても意識を飛ばさなかった、人間ヤメてる男がいた。ずーっと秒数を数え、精神異常にならず正常状態だったヤベー男がいた。
そうそれが、その男こそ…石神千空!
人類石化から3700年が経過した、ある日のこと。
たった一人、千空は復活した。な〜んにもない原始時代の地球に。
千空という男は、凄く科学が大好きな科学少年。強烈な癖っ毛で逆立ちする髪は科学では説明出来ない領域なのだが、彼からすれば『これが普通』なのである。
衣装住やら何やかんや自力で作ろうとしてる最中、マインクラフターを自称する少女と遭遇した。
旧文明時代と同等の衣類を纏いし、創造主を冠する彼女の名は…アレックス!
アレックスはツリーハウスを意図も簡単に建築し、畑すらもこうも簡単に作り上げた。
前世が人間かつ別世界の地球出身かつ今世出身この地球っと、衝撃的でアンビリーバボーな情報を添えて。
常識外れの事を為す彼女を見て、千空は宣言した──『全人類を救い、科学文明を復興させる』っと。
元よりそう決めていたが、創造主がいれば『石から近代文明まで駆け上がる』はスムーズだろうと。
マインクラフターのアレックスは宣言した──『文明復興させるってロマンあるよね? わたしも科学文明復興させたい!』っと。
文明復興という意思は一切揺らぐことなく、やがては復活液というトンデモ代物までクラフトしてみせた。
その復活液で武力最強の高校生、獅子王司を復活させた。が、ヤベー男であった。
純粋な若者だけが存在し、既得権益のない理想の世界を創造しようと目論んでいたのだ。
千空の思想とは合わなく『唆らない』結果、二人は敵対。
司は帝国を作った一方、我らが千空は石神村をゲットし科学王国を作るに至る。
戦争は避けられない。だが、科学少年は不敵に笑った。
千空の思想は、『人類70億を救い、科学文明を復興させる』なのだから…。
「…とっとと登って来い。何の話だ」
「二人共おっつ〜」
どうも皆さんごきげんよう。わたしはマインクラフターのアレックス。
現在わたしは天文台にいる。当該天文台はクロム了承により、家を改装して作られた。
そのクロム本人は絶賛睡眠中だが、千空とゲンは密談中である。
「いや〜、純粋まっすぐちゃん達にあんま聞かれたくなくてさ? 金狼ちゃんやコクヨウちゃんや」
「ロクな策じゃなさそうだなァ?」
かくいうわたしも密談に参加してるのだが、実質『千空とゲンで』してるようなもの。
天体望遠鏡で覗いて、満天な星空を見ているし。星は…イイ!
「うまくいけば司ちゃん帝国、無血開城で七十億人を救える。その代わり、もしも神が見ているのなら…フフッ、言いたいこと分かるっしょ?」
「安心しろ。百億年も前から科学の世界じゃ、神は留守だ」
「その神様、アレックスちゃん達マインクラフターは科学王国にいるけどねェ」
「クククッ、こりゃイイ! 創造主サマが科学の側にいるんだ。必ず科学文明復興させてやんよ」
冬備えは出来ている。小麦やら人参やらあらゆる作物畑ありで、水流で流れる半自動回収式にした。いやはや、何故クラフトしたのか訳分からんダイヤ製クワで耕してしまったのか、不思議である。
男用と女用とで室内温泉を設けたし、牛やら豚やらニワトリやらの牧場も作った。この二点はクラフターの手によって新たに作られた、石神村居住区に隣接された小島に存在している。
「クイズ、司ちゃん帝国の秘密──A食べ物、B美女、C司ちゃん自身」
「クッフフッ、そりゃCだろ」
「ピンポーン! 100億点〜」
天体望遠鏡から離れ、自分の顔を千空とゲンに向ける。
耳も傾けた。無血開城、悪くない。直接武器を振るうなら、安心と信頼のあるエンチャント木剣が適任だろう。
「司ちゃんはさ? 霊長類最強の高校生とかって、元から有名人のカリスマだったからね」
「だな」
「つまりね、司ちゃんに負けない有名人──『超カリスマを用意すればいい…ハーイ! アイム、リリアン・ワインバーグ』…ってね」
「ブー!?!?」
近距離が木剣なら、中距離以上は銃が適任であろう。
銃はイイものだ。火薬や様々な気体の圧力を用いて、弾丸と呼ばれる飛翔体を高速で発射する武器…う〜ん、唆るものがある!
「一応ね、女声もイケるのよ? リームありありだけど」
「相当似てるがなァ…流石に100億パーセント偽って分かるわ、男の声じゃあな」
「だっよっね〜…でもね、音質荒れ荒れの
「!? そういうことか…レコードの歌が身分証か!」
銃を持っていく、これは決定事項である。軍事部の手によって火縄銃からレベルアップさせた、ボルトアクション式ライフルを。
ライフリング加工は施されている。銃身内部に螺旋状の溝を彫り、弾丸をスピンさせ飛距離を伸ばし弾道を安定させる技術を。
ライフリング加工は工作機械で行う精密な加工が必要だが、我々マインクラフターはそれをしていない。当該加工は『既にされてる状態』で作業台でのクラフトに成功したからだ。いやぁ、出来てしまいましたナァ。
「ピンポーン! 千億点〜。受話器から聞こえてくるリリアンちゃんの生歌、本物でしかありえないゴイスー過ぎの歌唱力」
「まっ、本物だからなァ」
「信じるしかない──電話の向こうに歌姫リリアンが生きている、って…ゴホン! 『アメリカからリリアン・ワインバーグです。日本の皆さん、聞いてください。世界は滅びてなんかいません。アメリカ合衆国も既に復興していて、間もなく皆さんの元にも救援がやって来ます』…フフッ」
「つまり…偽の希望で全員ハメる為にリリアンのゾンビ作って大嘘こかせる訳、か…グッフフ!」
なお、当該ライフルは軍事部が携行。
ちなみに軍事部内部でのリスポーン事件が発生した。原因は『それはオレの銃ダァァァ!!!』の奪い合いである。目撃者のわたしと
「フッ、話は聞かせたもらった」
「!?」
「テメーは確か、軍事部の」
その軍事部に所属する
登場の機会、さぞ伺っていたことだろう。わたしがしそうなことだ。
「司帝国は旧世界が滅びたと信じてやまない。事実世界は滅亡したが、それが実は復興してて助けに来る…っとなれば! この軍事部にお任せあれ! フフッ、アメリカ軍役、ずっとやってみたかったんだ」
全人類70億を復活させる目標がある。ならば、殺すという必要性は100億パーセント無い無いである。
「詳細詰めんぞ…採用だ! グッフフ!」
「唆る!」
「科学王国に就いてよかったよ、ジーマーで」
司帝国も科学王国になるのだから、尚更だ。
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全ての準備は整った。
実行部隊は村人とマインクラフター。
エンジニアにクロム。
携帯運搬にマグマ。
案内人にゲン。
黒サングラスを掛けた、背広姿の創造主。
音爆弾で監視役を逆サイドに惹きつけて、その隙に本隊が出発した。
当該監視役は
「なんで…なんでッ、
「報告させる訳にはいかない。だから…捕まって?」
ホムラを慕う弟子の少女であった。
千空「安心しろ。百億年も前から科学の世界じゃ、神は留守だ」
クラフター「呼んだ?」
闇の女神アインドラ「絶賛モニタリング中」