励みになります。
今日は良い天気だ。快晴かな快晴かな。わたしが建築したツリーハウスも、そうだと言っているようだ。感無量。
「テメーの畑作り、見せてもらうぜ」
そうそう、今日は畑を作る日となる。わたしが提案し、提案者であるわたしが作る。千空は見学するだけ。
とくとその目に刻むがよい、クラフターアレックスの畑作りをなァ•••!!
もし千空から『畑を作って欲しい』と頼まれても、元よりやるつもりでいっぱいだった。腹が減っては死に至る、はクラフター界ではよくあることだし。どのみち、やらないと。
そういえばわたし、他に食べる物が無かった頃はしょっちゅうゾンビ肉を食べていたな。 腐肉をだ。《くらふたーのせかい》では、それで飢えを凌いだものだ。牛乳で中和しないといけない、状態異常もセットされるが。
さて、どういった風に作ろうか。自動回収畑か? いやここは、自分の手で収穫するタイプにしよう。たまには悪くない。
「アレックス」
「どうした? 千空」
「いや何、なんでもねぇよ。ただ、テメーの非常識が見れんのが楽しみでな」
そこまで非常識かな。首を傾げたわたしは、作業に取り掛かる。
まずは無限水源だ。無限水源はイイ。『バケツ』で水を取っても、水が無くならない。手持ちの水バケツが二つとなれば、なおの事。畑を作るのなら、作るしかないのである。
アイテムスロットにシャベルを戻して、水バケツに持ち変える。
「ククッ、あの時もだが、どこから出してやがるんだよ。どっかの青ダヌキみたく、ポケットに突っ込んでくれればちと良かったんだがなァ」
無限水源には、二種類ある。三マス型のI型とL型。前者は場所を取らないので、主流となっている無限水源。後者は4マス型だ。
わたしの場合、綺麗に水源を作りたいのでいつも後者だ。
端っこのほうに水バケツを撒いては掬うを繰り返せば、ほらこの通り。無限水源の出来上がりである。
「…は?」
あヤベ、撒いては掬うが楽し過ぎる。クセになっちゃう。でも仕方ないよね、うん。だからあと一回、あと一回だけ…やり過ぎには注意しよう。危うく目的を見失うところだった。
「おいおい、どうなっていやがるんだ? たった二つの水バケツで、無限に水が湧いてしまってんぞ」
転生してからこのかた、水を飲んだことなど気分ででしかない。特に、体育の時は困ったものだ。
皆は汗を流し『喉が乾いたよぉ〜』で水分補給をするのに対し、わたしだけが『別に乾いていないけど、とりあえず飲んでおくか』で飲んでいた。
正直、ちょっと気まずかった。『お腹減ってますよ〜』のゲージはあるのに、水は無いのだ。喉が乾く訳ない。
後で、それ専用の無限水源でも作っておくか。千空の場合、それで飲みたいだろうし。
《くらふたのせかい》はマイクラの世界と同じく、様々な食料がある。その中で回復量で優秀なのが、ベイクドポテトとパン。収穫量でいえば、ポテトが優秀。
無限水源も作ったことだし、畑作りに取り掛かろう。収穫する手間を考えると、拠点の近くに作ろうと思う。
サイズは、スタンダードの9x9にしよう。畑の周囲を丸石ブロックで囲む為、シャベルで土を掘る。
掘り終えたら、該当のブロックでポンポン設置。これで、囲むことが出来た。9×9であると、わかりやすくなった。
「クククッ、こりゃスゲェな。しっかし、草がある。除草剤が必要だな」
土を湿らせなければ。作物は水で湿った土でないと、植えることが出来ないからだ。水無しでも出来なくはないが、収穫してそう時間が経たないうちに土が駄目になってしまう。それはいただけない。
畑の中央で1マスの穴を掘り、無限水源から水を汲んで、掘った穴に撒う。水の効果は直線で4マスの範囲に及ぶ。
だから、である。9x9にして中央の穴に水を撒いたのも、その為であるのだ。水の上で、トラップドアを設置。水に『ドポン!』を防ぐ為だ。
「除草剤をやらねぇとな。その後スコップで土を掘り起こす。だが、ここはストーンワールド。除草剤の代わりを••••••は?」
クワで土を耕す。鉄やダイヤ製のクワもあるが、耐久性を除きスピードに差は無い。したがって、土を耕す際は石のクワが常。よし、当たり前だが草ブロックでも耕地になったな。これで、作物が植えられる。
そもそも、石製以上のクワに利用価値は無い。飾るとかの使い道ならあるが。
「クククッ、農家様も笑うしかねぇわな。もう、ご立派な耕地がデキてやがるんだからよ」
ジャンプしてはいけない。ジャンプしたりすると、やってきた事が水の泡と化してしまう。気をつけなくては。
さて、何を植えようか。小麦の種か、それともジャガイモか。スイカは論外だ。この畑には適していない。
ならば、そうだな。ジャガイモにしよう。ちょうど、インベントリにあることだし。
よし、植えよう!
「それは、ジャガイモだよな? ジャガイモ畑にするのか。春にはうってつけの作物だが、種ジャガイモでないと••••••なんで植えれている??」
最後にジャガイモを全耕地に植えたら……はい、完成! ジャガイモ畑の出来上がり!
「芽がもう出てるの、いくらなんでも速くねぇか??」
そうだ。夜になるとジャガイモの成長が止まってしまう。周りを松明で囲っておこう。明かりよし、囲みよし。完了。後は勝手に成長する。
試しに一つのジャガイモを、骨粉で成長させてみよう。よし、完全に成長した状態となったな。
「おっかしぃな。収穫時期は3ヶ月から4ヶ月。それが、こうもあっさりと•••。骨粉ホホイして収穫状態ってのは、目の前で見ねぇと100億%信じられねぇわ」
ついでにだ。もう一つの無限水源を作っておこうか。4マス掘って、その下と周囲を掘って、丸石ブロック設置。
最後には端っこに水バケツを撒いては掬うをすれば、水分補給用の無限水源の出来上がり。
フェンスで囲っておこう。フェンスゲートを設置するのも忘れない。
ふぅ、イイ汗をかいたな。転生してからこのかた、汗など無縁の日々だが。わたしが爽やかな笑顔を浮かべた、その時だった。千空が、こちらにやって来たのは。
「千空、どうだ? 畑が出来たぞ」
さぁ、感想をどうぞ。
「アレックス、テメー•••」
おや、間をおいてどうしたのだろうか。何か、不備でもあったか? 小麦畑も作ればよかっただろうか?
あ、わかった。あまりにも長い感想を、短くまとめているのか。ふっ、感嘆したのか。
「やっぱり、人間ヤメてるだろ。ど〜こが人間だ」
全然違った。ショックである。わたしは、勢いよく膝から崩れ落ちた。
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畑作りの熱狂から一夜明けた。千空は仕留めた鹿の皮を広げながら、ツリーハウスでくつろぐアレックスに声をかける。
「鹿の皮で服作れるか? アレックス」
アレックスは寝転がったまま、片目だけを開ける。その問いに面倒くさそうに答えた。
「フッ、すまん。作業台では作れない。パスで」
「嗚呼、あのソッコーでできるやつか」
千空は納得したように頷く。彼女のクラフト能力は、レシピさえあれば万能だが、なければただの木箱だ。
「そうだ。だから一人でやってくれ。残念ながら、わたしは今非常に忙しい」
「…手伝ってくれねぇのか? 昼寝してるだけなのに?」
千空はジト目でアレックスを見る。彼女はただゴロゴロしているだけに見えた。
「フッ、本当にすまんなァ。これも立派な仕事なのだよ」
アレックスは全く悪びれずに言い放つ。そのふてぶてしい態度に、千空の中で何かがプツリと切れた。
「あ? …なら仕方ねぇわな」
千空はそう言うとすっくと立ち上がりおもむろに石の斧を手に取る。
「? 何を…アァー! わたしの作業台がァァアー!!」
次の瞬間、千空はアレックスが愛用する作業台に斧を振り下ろした。木っ端微塵に砕け散る作業台。アレックスの悲鳴が森に響き渡る。
「クククッ。これでチート作業台様は無くなったなァ? アレックス。一緒にクラフトしてもらうぜ」
千空は砕けた作業台の残骸を指差し、悪魔のように笑う。
「やっやめろォォオー!! くっ来るナァー!?」
地獄の共同作業が終わった。アレックスは魂が抜けたように項垂れている。
「…泣きたい」
「初めましてだなァ。オレはこの地球上で今たった一人の——人間だ」
千空は完成した鹿皮の服を身に纏い、満足げに言う。その姿は、原始人そのものだった。
「わたしもカウントしてくれよォ…」
「冗談だ。今のは科学者のって意味だ。安心しやがれ」
「目を見て言ってくれないかな??」
石神千空!
おめでとう! 科学少年は鹿の鞣し革でクラフトした衣類をゲットした!
千空、トリオ猿に自己紹介! 千空のセリフ、ちと大変かも。だが、わたしは彼が好きだ。推しなんだ。これくらい、どうってことないわよ!
アレックス、強く生きろよ•••。しかしアレックス、君は••••••。
作者、最高司祭アドミニストレータでございます。
原作が完結した今でも、ドクターストーンは愛されております。アニメ四期の制作がされているのも、その証拠です。
わたしはこの原作の二次創作を執筆し、本日投稿させていただきました。これからもお付き合いいただけると、幸いです。
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