それでは、本編をどうぞ。
青く澄み渡る大海原を、三隻の大型機帆船が悠然と進む。その名はペルセウス。科学王国が誇る旗艦であり同型艦であるペルセウス2号船、3号船と共に波間を切り裂くように航行していた。
鋼鉄と木材が融合した巨大な船体は、陽光を受けて輝き、波に映る影は深い青の海と溶け合う。三本のマストに張られた白の帆は、風を孕んで優雅に膨らみ、静かに潮風を切る。帆の隙間から差し込む日差しが、甲板を柔らかく照らし、そこに立つ者の影を長く引いていた。
船首に飾られた船首像は、鋭い眼差しで海を睨みつけるようにそびえ立つ。その牙を剥く表情は、まるで未知の海域へ挑む科学者たちの不屈の精神を体現しているかのようだった。三隻の船が等間隔に並び、風と波を巧みに捉えて進む様は、さながら天空を舞う渡り鳥の群れのような美しさを醸し出していた。
甲板の上では、潮騒と共に足音が響く。クレーンや滑車が軋み、索具が風に揺られてわずかに鳴る。帆の調整を行う者たちが、熟練の手付きで綱を引き、風向きを見極めながら巧みに操る。マストの上では見張りの者が双眼鏡を片手に遠くを見渡し、水平線の先を静かに見据えていた。
ペルセウスのエンジンが低く唸る。帆に頼るだけでなく科学の粋を結集したディーゼルエンジンが、必要に応じて推力を補助し船団の均衡を保っていた。風が凪いでも三隻は速度を落とさず、進むべき道を突き進む。その動きはまるで、一つの巨大な生命が鼓動を刻みながら進んでいるかのようだった。
しかし、その航跡には不思議な静寂があった。激しく波を切るはずの巨船が、あたかも大地の上を滑るように安定している。波に揺られることなく、甲板上の者たちは足元を気にすることなく動き、荷物も微動だにしない。その異様な安定感は、まるで見えざる力が海そのものを支配しているかのようだった。
海の上であるにもかかわらず、まるで陸地にいるかのような確かな足元。強風が吹いても揺れは最小限に抑えられ、揺蕩うはずの水面の上で、船は意のままに滑るように進む。
まるで世界そのものがこの船団のために調整されているかのような異質な感覚。その静けさに気づいた者は、船の作りにどこか異様なものを感じつつも、深く考えないようにしていた。
海は静かに、時に荒々しく彼らの行く手を試す。大波が船腹に打ち付け、白い飛沫が弧を描く。しかし、ペルセウスたちはびくともしない。高い耐久性を誇る船体は幾度の試練にも耐えうるよう設計されており、波を割るようにして前へと突き進む。
ふと、遠くの海面に群青の波が大きくうねる。海流の変化を知らせる兆しに、三隻の船は瞬時に対応する。
帆の調整、舵の微調整、機関の出力調整──すべてが緻密に計算され、三隻は一糸乱れぬ動きで方向を修正する。その統率の取れた姿は、まさに科学と技術の結晶であり、未知の大海原においても彼らは確かな航路を切り拓いていく。
空を見上げれば、雲がゆっくりと流れ、太陽は燦々と輝く。潮の香りが肌を撫で、波音が心地よく響く。どこまでも続く海と、限りない空。
科学の力を信じる者たちの夢と希望を乗せて、ペルセウスとその同型艦は、大海原の果てへと航り続けるのだった。
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プラチナとは何か?
プラチナは元素記号Pt──原子番号78を持つ貴金属であり、その特性から様々な用途で重宝されている。美しい銀白色の輝きを持ち、極めて耐食性が高く、酸や塩基による影響をほとんど受けない。このため、古代から王族や貴族の装飾品に使用されてきた。
この金属の最大の特徴は、その化学的安定性と希少性にある。地殻中の存在量は非常に少なく、金よりも採掘が難しい。特に南アフリカが世界のプラチナ供給の大部分を占めており、採掘には高度な技術と多大な労力を要する。そのため価格は常に高水準にあり、『白金』とも呼ばれるように、貴金属の中でも特別な価値を持つ。
またプラチナは優れた触媒作用を持ち、工業用途でも不可欠な存在だ。自動車の排ガスを浄化する触媒コンバーターや、石油精製、化学合成などに活用されている。更に電極材料や燃料電池など最先端技術にも利用され、未来のクリーンエネルギー社会においても重要な役割を果たすと期待されている。
その高い耐久性と美しさから、プラチナはジュエリーとしても人気がある。特に結婚指輪や高級時計に用いられることが多く、一生ものの象徴とされる。金とは異なる落ち着いた輝きが、洗練された印象を与えるのも魅力のひとつだ。
希少でありながら、現代社会に欠かせない。プラチナとは、単なる装飾品ではなく、科学と産業を支える『未来の金属』とも言えるだろう。
「ほんの一欠片でもいい。ゲット出来りゃ触媒にして硝酸作り放題、つまり…石化復活液 無限生産マシンの爆誕だ…!!」
「ナニィィィ!!? 本当に神アイテムじゃないか! プラチナ!」
「クロム自慢の鉱石コレクションにはなかったのか?」
「おうクッソ。んなヤベーウルトラレア鉱石が、都合よ〜くひと欠片でも入ってりゃあな」
皆さんどうもごきげんよう! わたしは、マインクラフターのアレックス! 統括のアレックス、とも同志たちに呼ばれているぞ。
しっかし、石化復活液を無限生産出来るようになるのか…スゲーなァ。我々の目的地である、宝島にあるのか。
やはり、硝酸が必要不可欠だな。
復活液の要ともいえる硝酸は、科学王国において最も重要な資源の一つである。これさえあれば石化された人々を救い出すことが可能となり、文明復興の速度が飛躍的に向上する。科学王国にはマインクラフターがいることから、現実味を帯びている。
しかし、硝酸の安定供給は決して容易なことではなかった。
元々硝酸は、自然界において『グアノ』が長年にわたり分解されることで生成される。《奇跡の洞窟》がその例だ。グアノには尿酸やアンモニアなど、窒素を含む成分が豊富に含まれており、微生物の働きによって酸化が進むことで最終的に『硝酸塩』が蓄積する。これを水に溶かして抽出することで、石化復活液を作ることが可能となる。
【目指せ宝箱! プラチナをゲットするのだ!】
【やったね! これで全人類復活計画がスムーズだね!】
ちょっとアインドラ? メッセージ使って介入しないでもろて。パナソルの『創造神との契約』を引き受けるくらい、女神というのは暇人なのだろうか。知らんけど。
話を戻そう。
ただし、この自然由来の方法には決定的な欠点があった。それは『時間がスッゲー必要』となることだ。グアノが硝酸へと変化するには膨大な時間が必要であり、科学王国が必要とする量を確保するには到底間に合わない。
《奇跡の洞窟》から採れる硝酸量が増えたりしても、《くらふたーのせかい》で『《奇跡の洞窟》と同じく硝酸を確保出来る洞窟』が一つあっても、科学王国は効率的な生産手段が求められている。
「おう! でもよ、その宝箱ってどこだよ?」
「そうだね。無人島に3700年も保存する箱なんてあるのかな? 千空のお父さんたちはマインクラフター、じゃあない訳だし」
【ほんとうに…すびばぜんでじだァァァ!!】
【草】
そこで登場するのが、プラチナの触媒作用である。プラチナは、硝酸の工業的な製造法である『オストワルト法』の重要な触媒として機能する。このプロセスでは、まず『アンモニア』を酸化させ『一酸化窒素』を生成し、さらに酸化を進めて『二酸化窒素』へと変換し、最後に水と反応させて『硝酸』を得る。
今度は
「クククッ、宇宙船ソユーズだ…!!」
「ってことは…宇宙船の宝箱を探し出せば人類全員、救えるんじゃないかァァァ!!?」
「うん♪ 全部今俺が言ったやつな? それな」
話を戻そう…二度目だなこれ。
この一連の反応を促進するのが、『プラチナ触媒』の働きである。プラチナは極めて優れた触媒能力を持ち、反応のスピードを飛躍的に高める。さらに、プラチナは化学反応を繰り返し促進し続けるため、『半永久的に使用可能』なのだ。
半永久的って響き最高だよね。つまり一度プラチナ製の触媒装置を作り、アンモニアと酸素を供給し続ければ、『硝酸を無限に生産出来る! やったぜ』となる訳であ〜る!
凄いやろ工藤。
唆るやろ工藤。
そうだぜ工藤。
「でも場所とか分かるの?」
「ハ! 人海戦術で探せばよかろう!」
「そもそも数千年経ってんだ。実際に行ってみるしかねぇよ」
最も
嗚呼、実に素晴らしい…!! 嗚呼、わたしは今、猛烈に
「そこまで眩しくねえってんのにサングラス必要あっか? アレックステメー、クククッ」
プラチナゲットするの楽しみだな。そう思わずにはいられない、わたしなのであった。〈くらふたーのせかい〉にもあれば早くクラフト出来るんだけどナァ。同志たちに探して貰うのもありかも。
船員リスト
1号船 アレックス以下数名の創造主とオリジナル世界同様の科学王国民
2号船 軍事部のアレックス以下の創造主のみ
3号船 創造主のみ