皆さんごきげんよう。わたしは、マインクラフターのアレックス。同志たちからは統括のアレックス、とも呼ばれているぞ。
…クソデカ溜息が出てしまう。ペルセウス1号船のメンバーが何故か石化してしまうという、一大事件が発生したというのに。あの光がと最後の通信で聞こえたような気もしないでもないが、クラフターの織田 信奈は見てもいないし石化の影響すら受けていない。
彼女には生き残りがいないかの確認で、残ってもらっているが…今のところ生存者ゼロ。
あいや、石化してるからと言って「死んでいる」訳ではないが、千空曰く「意識を保ち続けなければ復活出来ない」とのこと。大丈夫だと信じたいが、何分と村人にとっては初となる体験だ。
わたしも体験したかった。石化される条件としては、「石化光線の目撃可能な種族」ということ。あくまで、だが。
とどのつまりマインクラフターは「除外」なのか、もしくは「あえて除外したのか」…後者であれば選べるということだよな、きっと。
……えっ、創造主リスポーン出来ない可能性濃厚では?? マジかよ、ヤベーな石化光線。復活液じゃないと復活出来ないとって、マジパネ〜。
さて、話は次に移行する。この島の住人で、誰よりも「おっふ! ふつくしい」の美少女とコンタクトすることに成功した。
名を、アマリリス。男3人に「結婚してください!」されていた少女。「可愛さ」を備え自身の美貌と、「男ウケ」する振る舞いを磨き続ける努力家。自称美少女ではなかったのだ。
どうやら彼女は友人たちと島を出ようとしたらしいのだが、自分以外は石化光線の影響を受けてしまったようなのだ。元々その石化は頭首様のみの能力なのだが、なんと特別な武器の可能性大とのこと。
アマリリス曰く『あの時、頭首様は乗っていなかった』と断言していたことから、可能性大どころか「確実」らしい。
そしてその特別な武器はお抱え戦士の一人、女キリサメが保有。数は不明だが、一つ以上は無いとアマリリスは言う。
アマリリスの話を聞いて、判明したことがある。
効果範囲あり。投げて使う。つまり使用者も石化する、が彼女によるとその使用者自身は石化しなかったらしい。石化の連鎖はブチ切れば止まる。
『そこにはルールがある。ルールさえありゃ、それは全部科学だ』
千空の言う通り、何でもありのファンタジーではない。「創造主も影響するよ♡」でもない限り、勝てる可能性は高いのだ。
「あなた達が乗って来たの? あんな大きい船、初めて見たわ…!?」
「クククッ、アレックスサマサマだったぜ?」
「アレックス様が!?」
時は現在。太陽は沈み、星空がよく見える夜。
「ん…だがやはり、敵に占有されているな」
「クククッ、ったりまぇだ。連中が超ド級のウルトラアホでもねえ限りな」
我々は『科学のメイクアップ大作戦』を成功させるため、ラボを取り戻そうとしてる最中である。復活液の材料があるから、も理由に入る。別に「動くラボ」はわたしの手でもクラフト出来るが、肝心のものが我がインベントリにはないのだ。ガッデム。
…キラキラ視線を送らないで欲しい、アマリリスよ。不思議と心が痛む。
どうやらわたしのことが、百物語として語られているようなのである。いやぁ、人気者で困っちゃうなァ。アマリリスの家、改修してよかったァ。
「気持ちは分かるけど特攻はダメよ? コハクちゃん。じ、ジーマーで」
「あの今来たアホほどデケーおっさんが、頭首か?」
「ううん。頭首様はもっと若い。あれは頭首様の意見を聞いて、実際に皆に指示出しするお役人」
しかしどうしようか。どう取り返そうか。いくらわたしでも、制圧するには少々苦労するだろう。お抱え戦士がよくてコハク、最悪は司クラスだってあり得る。二人はポーション飲んでるかってくらい強い。素でも強い。最近では丸石ブロックとはいえ、たった1回で破壊してみせた。
いったいいつからこの世界は少年漫画になったんだと、最近ではそう想います。
「島のもう一人のトップ…宰相イバラ…!!」
「あの男が、か」
鎮圧として、催涙弾でも使うか?
催涙弾とは目や喉、皮膚などの粘膜を強烈に刺激する化学物質を拡散させることで、人の行動を一時的に制限するために用いられる非致死性兵器だ。警察の暴動鎮圧や軍事訓練などで広く使われている。
最も一般的な成分は「CSガス」と呼ばれる化学物質で、使用されると「視界不良・激しい咳・涙・鼻水」などの症状を引き起こし、敵対者の行動を封じる効果がある。
だが、本来は精密な化学合成が必要であり、安全性の確保や制御も難しいため、簡単にはクラフトできる代物ではない。だがそれは、マインクラフターと科学使いであればクラフト可能である代物だ。
「何をしているの? 貴女、こんなところで…どこの集落の人?」
「はっ!? まるで気づかなかった…!!?」
「この子、即座に臨戦体勢…」
SWAT装備で乗り込むか? 革防具に黒塗装して、SWAT風に独自カスタムしたやつを着用して。そしてMM1グレネードランチャーに催涙弾を装填し、装備するのもあり。
「ふっ!」
「うっ…あっ!」
殺傷能力ある弾を装填してしまってはダメ! 相手の、人間の命は一度限りでリスポーンしないのだ。試してみたい気持ちはなくはないが、してしまったら荒らしに成り下がってしまう。それはいただけない。
「くぅ…ッ、強い! この女が島最強戦士の一人、キリサメ!」
「随分と戦い慣れてるわ、ね!」
…先ほどからドンパチうるさいなァ! 殴り合うなよ小娘が! 誰だ? コハクか? それとも第三者か? ったく、ちょっと静かに…おっふ! 彼女が…キリサメか!? …抱き枕にさせていただきたいものだ。お金なら、お金ならいくらでもあるから!
…おふざけしてる状況では、ないのかもしれない? そうなのソユーズ? …そっかァ…じゃあ君でイイや。
「ひっ」
冗談だよ冗談。間に受けんなって。ささ、行こう行こう。
「ラボだ!! ラボが欲しい!!」
「あっ!?」
「絶対にラボが欲しい!! それだけでいい!! なんとか!!」
「ら、ぼ…?」
キリサメが「??」だ。無理もない。
「メンゴメンゴ〜。この子、超ド級で束縛でさァ? 彼氏のラボ君に女子がいただけで、す〜ぐ嫉妬してケンカ初めちゃうのよ〜」
「うむ、その通り! 私とラボは恋人同士でな! ブッチュー」
宝島の村人からすれば知らぬこと。動くラボが車を示すなんて、想像すら出来ない。
「ぬ〜」
「う〜」
ちなみに恋人のラボ君とは、千空である。
「と、とともかく早く帰りなさい! 二度とこの付近で逢引なんてしないで///」
そして顔真っ赤にして、キリサメが去っていく。可愛い。好きだ、結婚したい…いやでも人間は100年程度しか生きれないから、結婚は…ダメかァ。
「「「銀狼だったか〜」」」
「えっ? ええっ、ダメなの? その銀狼って男の人じゃ」
「SSRカードじゃなくて、GGRカードだからねェ…後ろの女の子はSSRカードだけど」
あっ、元戦国姫武将の織田 信奈が銀狼の後ろに立ってる。裸絞めしてるぜ…草である。
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