ウィザーとは、何か。
黒煙をまといながら空を漂うその異形の存在は、三つの頭を持つ異様な怪物──まさしく現実に現れた悪夢だ。鈍く光を反射する無機質な質感が、不気味さを引き立てる。
三つの頭部はそれぞれ個別に動き、鋭い眼光で周囲を睨みつけている。頭部はまるで墓石のような形をしており、顔には無機質な白の縞が入り、どこか人間の顔を模したような表情が刻まれている。
中央の頭は特に大きく、他の二つを統率するかのように振る舞い、時折口元がわずかに開き、黒いエネルギーを蓄えているようにも見える。
胴体は棒状の骨のような構造で支えられており、まるで死神の鎌の柄のような形状をしている。腕のように見える突起がいくつも連なり、空中を自在に滑空可能。周囲には青白い炎を宿した頭蓋骨のような弾丸が浮遊し、まるで意思を持って標的を追尾するかのようだ。
これらの頭蓋は時折青い閃光を放ちながら高速で飛び去り、着弾と同時に地面をえぐるかのように爆発を起こす。
その姿はまるで古代の神話に登場する破壊神のようであり、ただそこに存在するだけで周囲の空気が重く、冷たく感じられる。現実世界にこのような存在が現れたなら、文明の力でさえもそれを止められるかどうかは定かではない──まさしく、終末の象徴そのものと言える。
ウィザーとはマイクラに登場するボス級のアンデットモンスターであり、創造主が任意で召喚できる唯一のボス。その存在自体が破壊と死を象徴しており、ゲーム内でも最強クラスの敵として知られている。
とどのつまり、自分は何を言いたいのかと云うとだ──
「逃げろォォォ!!!」
「ぎゃー!!?」
「退避、退避ィィィ!!!」
その存在が今、このストーンワールドに顕現しているのである。
──なぜ、こうなっている。
──自分は何もしてないのに。
──ソウルサンド並べて黒頭骨3つホイしたすらもないのに。
アレックスは視界に映る惨事に狼狽し、戦慄した。原因はイバラだ。しかもあれは、暴れん坊のウィザーはイバラ本人。
ウィザーがイバラ? 自分も困惑、いや混乱気味だ。なった経緯を簡潔にすると──
ポーションと思われる、黒い液体を飲み干す。
数秒後、ウィザーへの変質開始。
イバラ泣き喚いたのち、ウィザー変質完了。
「いやナンデそうなる??」
ウィザーは、三つの頭を持つ浮遊型のアンデッドモンスター。その見た目からも分かる通り、通常のモンスターとは一線を画している。召喚には「ソウルサンド」と「ウィザースケルトンの頭」が必要。T字型に設置することで雷のようなエネルギーが渦巻く中、ゆっくりと姿を現す。召喚から爆発的な誕生を迎える…比喩ではなく、実際に爆発する。
特徴的なのは、3つの独立した頭部がそれぞれ敵を攻撃するという点。創造主やモブを見つけると、自動で「ウィザースカル」と呼ばれる黒い頭蓋弾を発射し、爆発と共に“ウィザー効果”を与える。創造主の体力を徐々に削る危険な状態異常、それが“ウィザー効果”。
またウィザーはダメージを受けると徐々に激しさを増し、体力が半分以下になると「第二段階」に突入。周囲にバリアを展開し、飛び道具が効かなくなり、接近戦を強いられるようになる。この時のウィザーは怒り狂ったように周囲を攻撃し、あらゆる建造物を破壊していく。山に逃げ込もうものなら、突進だけでトンネルをクラフト出来る。
その全体像は圧倒的な破壊力と恐怖、そして不吉な存在感に満ちており、ウィザーはまさに“死を呼ぶ者”として、マイクラの世界における究極の挑戦の一つと言える。
ウィザーは唯一、黒曜石ブロックを自力で破壊できる存在として知られている。通常の爆発、たとえばTNTやクリーパー、さらにはガストの火球ですら、黒曜石には一切の傷をつけることができない。しかしウィザーがノーマル以上の難易度で放つ青いウィザースカルは、常識を覆す力を持っている。
青い頭弾は、ただの攻撃ではない。ブロックの爆発耐性を無視するかのような貫通力を持つ。創造主が設置可能なすべてのブロック、黒曜石すらも破壊対象となる。それはすなわち黒曜石で囲った牢獄、保管庫、防衛拠点──いずれも、ウィザーの前では無意味であることを意味している。
事実、ウィザーはペルセウス号艦隊の殆どを撃沈さしめた。更には、とあるアニメを参照してクラフトされた飛行船をも全滅させる。軍事部のアレックスと海賊部のアレックス以下乗組員のクラフター全員リスポーンという、悲しいこともあった。
「ヤベーなホント。ヤベーが…」
この性能により、唯一破壊不可能なブロックは「岩盤」のみ。そのため、ウィザーは実質的に「全てのクラフト可能・設置可能なブロックを破壊可能な唯一のモンスター」という栄誉と恐怖を背負っている──
──意味が分からん。理解出来ない。混乱しちゃうわもう。
──黒い飲みモン飲んでウィザー変質? ナンダソレ??
──闇の女神アインドラ、これはいったいどういうことなの??
なんてイヤイヤなアップデートなのかと、アレックスは深いハァンを漏らした。バイオハザード名物『メーデー、メーデー、メェェェデー!!!』みたいな形態変化は御免被りますと、身震いもする。
「守って、くれるのか?」
「もしかして…百物語で登場するアレックス様と同じ…!?」
「間違いない…マインクラフター様だ!!」
創造主は、宝島の戦士と非戦闘員をブロックで囲って守った。丸石だが、第二形態でない限りは防壁として機能しうる。一部トーチカ仕様で、弓矢を使って攻撃。また科学王国の者達も同様に、創造主は守る。
「ヤツを倒すぞ、テメーら!!」
「おう! 人間様を力、見せてやる!!」
「こっちにはマインクラフター様が、創造主様がいるんだ!!」
「ああ、負けてたまるかってんだ!!」
科学王国と石化王国は共通の脅威に協力し、反撃を試みる。それを見て、アレックスは唸る。物量において自分たちは有利だが、有効打が欲しいところ。
「どうしたの? 今は…え」
ちょうどいいとばかり、アレックスは近くにいた羽京に銃を手渡した。彼女は頷き、告げる。冗談一つ交えない、本気のそれで。
「渡しとく。ウィザーが本気出す前に、叩き込むしかない」
羽京はそっと銃を受け取った。その手つきは慣れていたが、どこか躊躇いが滲んでいる。
「これは…M1カービン、だね」
戦士や科学王国の戦闘員らにも銃を与えたかったが、扱える者は限られる。陽とかいう不良警官は問題ないだろうが、それ以外は触ったことすらない素人。彼らは仕方ないが、同志一同は一体全体どういうことか。縛りプレイで銃を扱わない。
ちょっとイラつくアレックスだったが、今は羽京。彼女は告げる。
「そう、クラフトした。君にしか扱えないと、思ったから。あと日本の自衛官って命中精度ヤバいと聞くし」
「ありがとう。でも、僕には…撃つ理由が、まだ見つけられない」
羽京の声音は穏やかだが、言葉の奥には確かな葛藤があった。ちょっと意味が分からないと目を細め、アレックスは短く息を吐いた。
「じゃあ、見つけろ。『見つけた時に遅かった』では済まないぞ? 敵は、ウィザーは」
羽京は沈黙の中で視線を落とし、指先に重みを感じていた。かつて使っていた感触と、そこに宿る決意の重さが、奇妙に重なっていた。
「…命を奪わず、終わらせる方法があれば、それに賭けたい。けれど」
「けれど? 相手は人間ですら…その顔は」
「君の信頼を無下には出来ない。預かるよ、これは。ただ、撃つかどうかは…僕が決める」
悟ったアレックスは頷いた。それでいいと言わんばかりに。
「当然だ。信じているからこそ、渡したのだから」
「ありがとう」
「しまった、魅力状態されてしまった」
羽京は微笑んだ。その笑みは、ほんのわずかな静けさと、決意の兆しを帯びていた。アレックスは笑うと、それに気づいた。こちらに、自分たちにやって来ていることを。羽京に対して、風を断ち切るような切迫感で告げる。
「来るぞ、あの爆心……次で、こっちがやられる」
「君が作った銃、よくできてるね。あはは、スコープまで完璧だよ」
羽京は静かに頷き、両手で銃を構える。スコープ越しの視界に、かつてない脅威が写っている。それでも、指はすぐには引き金にかからなかった。その様子を見て、アレックスは言う。
「当てるだけでいい。撃つのは、お前だ」
彼女のその言葉には焦りも怒りもない。ただ、信頼と覚悟が乗っていた。
「…それが、君の結論なんだね」
「違う。羽京を信じた結果だ。使うかどうかは、お前が決めろ」
「君は撃たないのかい?」
「ニホンゴ〜、ワカリマセ〜ン」
「縛りプレイするんだね、あはは」
羽京はふっと目を閉じた。遠くで何かが壊れる音がした。時間が、もう残されていない。
「命を奪うためではなく、守るための一発として」
「その言い訳、敵には通じない。撃つなら迷うな」
アレックスの言葉は鋭いが、どこか優しさをはらんでいた。羽京はようやく引き金に指をかける。彼の耳が、爆風と咆哮の中に一瞬の静寂を聞き取った。
「羽京、頼んだ」
「任せて。ソナーマンだけど。これでも僕、射撃には自信があるんだ」
乾いた破裂音が空気を切り裂いた。羽京の放った一発が、音すら抑え込むような鋭さでウィザーの中心を貫いた。
引き金を引いた瞬間、羽京の身体が微かに震えた。銃口から放たれた一発は、風の軌跡を裂いて、空中に浮かぶ黒き化け物──ウィザーの中央頭部を正確に貫いた。
空気が揺れた。黒い霧のような瘴気が瞬間的に弾け、青黒い火花が散った。
「当たった、ね」
羽京は呟いた。引き金を離さず、スコープ越しに標的を追い続けている。
「来るぞ」
「次ね」
アレックスの声が重なる。すでに彼女は、羽京の後ろに回って丸石ブロックを次々と設置していた。
爆音。破裂。視界を焼く閃光が、ウィザーの三つの頭から絶え間なく発せられる。普通のモンスターなら跡形もなく吹き飛ぶだろう。だが、羽京は動じない。音よりも、振動よりも、狙いを外す要因は己の呼吸だと知っている。
二発目。三発目。
羽京は機械のような正確さで撃ち続けた。スコープ越しに見るウィザーの動きは、僅かに鈍っているようにも見えたが、それでもなお凶悪な存在であることに変わりはない。
「丸石、右側に置いた! 一旦下がれ!」
アレックスが指示を飛ばす。羽京は無言で応じ、身を翻して遮蔽物へ滑り込む。
すぐさま、ウィザーの黒い弾頭が丸石を叩いた。石が砕け、破片が飛ぶ──爆発耐性が高いためそんなことはなく──羽京はそれに驚きつつも再び狙いを定める。
「…ここだ」
銃声。弾丸。炸裂音。数発目の直撃と同時に、ウィザーが鋭い咆哮をあげた。肉眼では捉えにくいが、全身を覆うように青いオーラが発生し始める。体力が、半分を切った──。
「羽京、変わるぞ! 第一形態だが、突進体勢に入った!」
「ゲームみたいだ、ね!」
羽京の声色は変わらない。どんな変化にも、動じる気配がない。だが次の瞬間、ウィザーが雷鳴のような音を立てて一直線に飛び込んできた。羽京のいた遮蔽が粉砕される。
「くっ…!」
跳ねるように後退。瓦礫を避け地面に伏せながら、空となった弾倉を捨てリロードする。アレックスが滑り込むようにして、新たな丸石ブロックの壁を立てる。
「頼むぞ!」
「分かってる!」
羽京は再び立ち上がる。動きを読み、突進の軌道を視線で追う。爆風、砂塵、喧騒の中で、彼の指だけが静かに引き金を絞る。
四発。五発。六発。
一発一発が、羽京の意思の証だった。生きる者を守るための最小の力。破壊するためではなく、止めるための一撃。ウィザーの動きが明らかに鈍る。青いオーラがゆらぎ、体表のパーティクルが不規則に揺れる。
「効いてる! 行けー!」
「これが、僕の…選んだ撃ち方だ」
最後の一発を放った瞬間、羽京の腕がわずかに震えた。それは疲労ではない。精神の奥底に沈んだ葛藤の、わずかな余波だった。ウィザーが叫びを上げながら、後退する。青いオーラが不安定に揺れ、戦闘の第一段階が終わったことを示していた。
羽京は深く、長く息を吐いた。銃を静かに下ろし、目を閉じた。アレックスが声をかける。
「羽京」
「…大丈夫…今は、まだ」
羽京は静かに応じた。銃口から立ち上る煙が、彼の中に残された迷いをすべて抱えて、空へ消えていった。彼は撃った。そして、守った。選び取ったその行為が、彼をわずかに強くしていた。
「ハッハー! ど〜れ見たことか! これが創造主アレックス様の力だ!」
アレックスは、満面のドヤ顔で叫んだ。銃声が止んだ直後、空中に漂っていた黒煙が揺らぎ、ウィザーの姿がしばし沈黙に包まれた。その瞬間を逃すまいと、彼女は得意気に近づいていく。
「大丈夫かな? ウィザー、の様子が変なような…」
羽京の緊張を帯びた声が背後から届いたが、アレックスは気にしない。
「変の訳ないだろう? ほれほれ〜」
彼女は腰に手を当て、腕を振ってウィザーを指さしながら跳ねるように煽る。お尻ペンペンもしている…完全に子どもの悪戯だ。三つの頭はどれも動かず、ぴくりとも反応しない。まるで意識を手放したような静けさが、そこにはあった。
「はい、チ〜ズ!」
アレックスはインベントリから一台の写真機を取り出す。手慣れた仕草で持ち上げ、ウィザーとの自撮りを試みた──その瞬間。
「アレックス…今はそれやめた方がいいんじゃない?」
羽京の声が、不自然なほど穏やかに響いた。
「どうして?」
「後ろがちょっと、ね」
ヘラヘラとした笑みのまま、アレックスは何をバカなと思いつつ肩越しに振り返る。そこには──明滅するウィザーの姿。黒と青のオーラが脈動するように光り、全身が不気味な震えを伴って震動していた。
「あっ、これマズイやつ?」
次の瞬間、大気が揺れ、巨大な爆風が炸裂した。全身を揺さぶる衝撃波。圧倒的な熱と風圧が、周囲の空気を引き裂き、アレックスの写真機ごと吹き飛ばした。彼女は吹き飛ばされながら転がり、かろうじて落下を受け身で凌ぐ。だがその目に映ったのは──
「マジかよ」
「マジだね」
爆煙の中から姿を現したのは、第二形態へと進化を遂げたウィザーだった。黒く硬質な外殻には青白い稲妻のような亀裂が走り、三つの頭部はすべてが鋭く睨みを利かせていた。
「うわっ、離れろッ!」
アレックスが叫びながら後退し、丸石をいくつか設置して身を隠す。羽京も咄嗟に身体を翻し、砕けた岩陰へと飛び込んだ。
ウィザーは咆哮しながら、空へと舞い上がる。その周囲に黒き影が次々と湧き上がった。現れたのは、無数のウィザースケルトンであった。彼らはすべての表情を持たず、黒い骨人だった。手には石剣を携え、その眼窩には禍々しい赤光が灯っている。
「ウィザースケルトン…!」
黒い骨の兵士たちは、通常のスケルトンとは異なる禍々しさを纏っていた。炎に焼かれたような骨格、通常よりデカい石剣、空洞の眼窩。無言のまま、ずるりとした動きでアレックスたちに迫る。
アレックスが設置した丸石を盾に、羽京は応戦しようとM1カービンを構えた。
静かに息を整える。M1カービンを肩に当て、スコープ越しに敵影を捉えると、引き金を迷いなく引いた。発砲音と共に一体、また一体とウィザースケルトンが黒い煙と共に崩れ落ちていく。照準、呼吸、射撃──動作は淀みなく、無駄がない。
再び撃つ。的確なコントロールにより、銃口が火を噴くたびに敵は次々と消えていった。だが、十体目を仕留めたその瞬間、感触が微かに変わった。
引き金を引いても、音がしない。冷たい沈黙。
「弾切れか…ん?」
呟きは、疲労よりも落胆を帯びていた。敵はまだ残っている。羽京は一瞬だけ、銃身を見つめた。スコープに映る次の標的が、じわじわと距離を詰めてくるのを見ながら、彼の指先は空の引き金を、もう一度だけ引いていた。
「弾倉は? アレックス」
「その必要ないぞ」
「? …!!?」
次の瞬間、小さな金属音が鳴り、羽京の手元でM1カービンが静かにきしんだ。そのまま、パキンッと軽やかな破裂音を立てて、銃身がひび割れ、瞬く間に粒子となって空気に溶けた。残されたのは、羽京の両手だけ。
「えっ? 跡形もなく消滅した!?」
「耐久度が無くなったんだから当然だろ?」
アレックスは肩をすくめて、壊れた銃の消失を当然とばかりに言い放つ。理屈は正しい。しかし、そのあまりにも淡々とした物言いに、羽京は一瞬だけ呆然と目を見開いた。
「当然じゃないよ!?」
「?」
「『当たり前なことなのに、何を言っているんだ?』じゃないの!!」
銃が壊れた直後という緊迫した状況にも関わらず、どこか平然としたアレックスの姿にツッコミする。
「来たよ!」
距離を詰めて来るウィザースケルトンの軍団に、羽京は苦悶の表情を浮かべる。アレックスも手持ちのブロックが底を突いていた。
「チッ、クラフトも出来ない! これもまた面白…どうする…!」
「面白くないからね?!」
万事休すか──そう思った刹那、風を切る音と共に影が三つ、戦場に降り立った。
「ん〜、困ってるみたいだね?」
最初に声を発したのはモズ。端正な顔立ちに微笑を浮かべながら、しかしその眼差しは冷たく鋭い。彼は肩をすくめるようにして、ウィザースケルトンの列へと無造作に踏み込む。
「んじゃ、皆殺しね。こいつら骨だし、遠慮いらないでしょ」
振り下ろされた槍が一閃、骨を纏めて砕き、破片を四方に散らす。モズの動きは洗練され、それでいて凶暴であった。
「ちゃんとしてますか? アレックスクン、羽京クン」
続いて現れた氷月が、しなやかな体躯で槍を操る。滑らかに回転させながら敵の急所を的確に突き、確実に戦力を削っていく。
「遅くなったね、うん」
最後に現れたのは霊長類最強の高校生、獅子王 司。目を細めながらもその全身から放たれる威圧感は圧倒的であり、近づくウィザースケルトンを次々と素手で粉砕していく。
「霊長類最強ってのは、伊達じゃないな…」
「最強集う、ってね」
アレックスがぽつりと呟いたそのとき、羽京は静かに銃を地面に伏せた。
「助けられたね」
「あの三人は異常だな」
「創造主のクラフトの方が異常だと思うけど」
安堵と共に、アレックスは再び立ち上がった。彼女の目は、まだ空に浮かぶウィザーを見据えていた──それは、これで終わりではないことを悟っていたからだ。
「そう?」
「そうだよ??」
そして空には、二人の戦姫がボス級アンデットモンスターと相対していた。
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