他の作品も現在執筆しながら気分転換に書いてます。
中国・軽慶市から発信された「発光する赤児」が生まれたというニュース。以後各地で「超常」が発見され、原因も判然としないまま時は流れ──────世界総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった。生まれ持った超常的な力“個性”と称し、個性を悪用する犯罪者・
そんな彼らと同じく“個性”を持つ者たちが“ヒーロー”として
「検査の結果…。残念ながら君は無個性だね」
世界総人口の八割が特殊能力持ちの世の中で、どうやら俺は残った二割を引いて生まれたようだ。俺には前世の記憶というものがある。
生前に読んでいたワンピースと言う漫画に出てくる悪魔の実の能力が殆どの人間に宿っている世界に生まれたなって思ってて、俺にも何らかしらの能力が得られるのでは無いかと少し期待していた結果が無能力者だった。
「うそ…ごめんね拳斗」
個性把握検査へ一緒に来ている母さんが泣きながら俺を強く抱き締めて謝罪をしてきた。
「何でお母さんが謝るの?」
「だって、私が拳斗を無個性で産んだせいで虐められるかもしれないの…」
「お母さんは無個性の僕は嫌い?」
「そんな事ない!!私だけでなくお父さんも拳斗の事愛してるわ!」
「なら、大丈夫!お母さんとお父さんが僕の事嫌いにならないなら無個性でも大丈夫だから泣かないで?」
俺の言葉を聴いて更に泣き出す母さんを俺も抱きしめて慰めた。母さんだけでなく、俺を検査した先生と看護師まで泣いちゃって大変だった。少ししてから母さん達が泣き止み帰る支度をすると、先生と看護師から頑張れって激励の言葉を貰って病院を後にした。
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「おかえり二人とも!!検査の結果はどうだった?」
家に帰ると俺と母さんを父さんが元気に出迎えてくれた。
玄関からリビングの方に向かうとテーブルには俺の好きな物やケーキが並べられていた。検査の結果を待ってくれていた父親に俺は無個性と診断された事を素直に話した。
「拳斗が無個性か…」
「僕の事嫌いになった?」
「そんな訳あるか!無個性でも拳斗は拳斗だ!俺の…俺達の大事な息子だ!個性有る無しで嫌いになんてなるもんか!」
病院での母さんと同じ様に父さんにも抱きしめられた。
この個性社会で無個性や異形型個性は差別の対象にされるとネットで読んでて、二人から捨てられるんじゃないかって不安があったけどその心配は無さそうだ。二人とも俺を愛してくれている。
「さて!お父さんに頼んで拳斗の好きな物を準備してもらったし、食べましょう!」
「そうだな!食べようか拳斗!」
父さんにそのまま抱っこされて食卓についた。
父さんはビール、俺はジュース、母さんは冷たい烏龍茶を片手に持って乾杯をした。
「ねぇ、お父さん、お母さん。聞いて欲しい事があるんだ」
「どうしたの急に改まって?」
「僕、無個性でもヒーローになる!」
病院を出てからずっと考えていた事を話した。
俺の発言に当然二人は驚いてフリーズしてしまった。この世界の歴史上、無個性でヒーローになったという記録は無い。能力持ちに無能力者がかなうはずはないのがこの世界の常識だ。
「無個性が個性持ちに勝てないって言うのは世界共通の常識。だけど、僕は…俺はヒーローになる!」
「そうか…。拳斗がやりたいようにやりなさい」
「あなた!?」
「俺達が拳斗のやりたい事を否定してどうする?個性があろうと無かろうと拳斗の事を応援してやるのが俺達親の仕事だろ?」
父さんに何か言いたそうにしていた母さんだったが父さんと少しの間見つめ合って、小さなため息を零して俺の事を応援すると言ってくれた。
「でも、どうやって個性持ち達と渡り合っていくんだ?俺みたいな増強系と戦闘になれば勝てないぞ?」
俺の父さんの個性は剛力。物凄いパワーの持ち主で個性を使って建設会社を立ち上げて社長をしている。
「死ぬ程鍛えるかな。父さんみたいな増強系にも負けないくらい鍛えて強くなる!」
俺には憧れている存在がいる。
自由に動けるようにわざと地位を上げずに自分のしたい事を貫き通して英雄とまで呼ばれた男
───モンキー・D・ガープ。
ワンピースで海賊王ゴール・D・ロジャーと対等に戦ってきた無能力者。ワンピースみたいなこの世界で生まれ、無個性という立場にいる俺はこの人のように…いや、越えられる男になりたいと思った。
無個性と診断された時少しだけガッカリはしたけど、ガープさんの様に無能力者になれた事の方が嬉しかった。
「死ぬ程鍛えるって…時々、拳斗が5歳に見えなくなるのよね…」
「きっと早熟なんだよ。俺らはこれからの事を考えようか」
二人が何かコソコソ話しているが耳に入らない。
これからどうやって鍛えて強くなるかを考えてワクワクしながらその日を過した。
最後まで読んでいただきありがとうございます!(´▽`)
2話以降
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