第一話
次の日。
いつも通りに家から雄英へ走って登校していたら、校門の前にうじゃうじゃとまるで黒光りしている名前を言ってはいけない虫の如くマスコミが登校している生徒達に接触してオールマイトの教師としての姿はどうだとか、色々聞き出そうと奮闘していた。
「オールマイトの授業はどうですか!」
「雄英での生活を教えてください!」
勿論、俺の所にもマスゴミがやってくる。
「そこをどけ、邪魔だ」
「な!?そんな言い方はないと思うのですが!?」
「登校の邪魔してるだろ」
「他の子達は受けてくれてますよ!」
周りを見れば飯田がしっかり答えてたり、麗日がオロオロしながら記者の取材に答えていた。
だが、それがどうしたというのだ?爆豪だってスルーしてるし、答えて欲しければ他を当たればいいだけの話だ。
「他所は他所、俺は俺!朝からクソ面倒臭いのに付き合ってられるか!」
マスゴミ連中を押しのけて校門に入ったら、腕を組んで立っている相澤先生が俺を見て溜め息を吐いた。
「お前な…マスコミに喧嘩売ってどうする」
「いや、ほら、校門前でカバディされてたら邪魔でしょ」
「カバディじゃなくて取材だろ。まあいい、さっさと教室に行け」
俺はさっさと教室に向かった。
教室に入ったら芦戸や上鳴達がマスコミからインタビューを求められた事を楽しそうに話していた。
「あ!西嶋はどうだった?インタビュー受けた?」
芦戸達がインタビューを受けたかどうかが気になるようで、俺の所にやって来た。俺はさっきの事を話したら、ええっ…って顔をされた。
「折角の目立つチャンスなのにもったいないよ!」
「まあ、西嶋は悪目立ちはしたよな」
芦戸達と話している間に予鈴が鳴り、気だるげに相澤先生が教室に入ってきた。教室内で立ち話していた奴らは席に着き、全員が席に着いたところでホームルームが始まった。
昨日の戦闘訓練のVTRと成績を見たらしく、昨日の戦闘訓練で酷かった出久と爆豪に行動の注意をしていた。
「今日のホームルームの本題だが…お前らにある事を決めてもらう」
相澤先生が鋭い視線で教室と言うよりは俺達生徒を見回す。相澤先生の鋭い視線に、教室の空気が一瞬にして緊張感がはしった。クラスの皆が緊張の面持ちで、何を言われるのかを待っていた。
「お前らに学級委員を決めてもらう」
【クソ学校っぽいイベント来たァ!!】
相澤先生の放たれた言葉は、まさかの学級委員決めだった。
緊張感があった空気は一気に四散し、学校生活を彩るイベントに周りの連中のテンションが爆発した。
「俺やりたい!」
「俺にやらせろ!」
「オイラのマニフェストは女子のスカート膝上30cm!」
「僕の為にあるやつ☆」
「導き手か…。興味深い」
「はいはい!私リーダーやりたい!」
学級委員をやりたい奴らが興奮気味に騒いでいた。
周りがテンション上がる中でボーッと見ていたら、隣に居る出久が俺の肩を軽く叩かれた。
「ん?どした出久?」
「西嶋君がボーッとしてるように見えたから…学級委員興味無いの?」
「別に興味無い訳じゃないが…中学時代に学級委員的な事をずっとやってたし、やる気あるやつがいっぱい居るなら俺は良いかなってな」
騒ぐクラスメイト達を制して、飯田が学級委員決めは投票制にしないかと提案した。飯田の提案に反対する者は居らず、学級委員は投票制で決める事になった。
投票用紙が配られ真っ白な紙と向かい合った。
自分以外の名前を書くのは確定してるが、誰の名前を書くか考えた。このクラスでよく関わるのは出久、麗日、飯田の3人だ、俺はこの3人の中から投票用紙に書く名前を決める事にした。
「この3人なら俺は──────」
学級委員投票結果…。
緑谷出久 三票
八百万百 二票
飯田天哉 二票
と言う結果になった。
三票を獲得した出久は確定で学級委員、同票の八百万と飯田がジャンケンで決める事になりジャンケンの結果八百万が学級委員に決定した。
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昼休み。
今日は出久達と食堂には向かわず、職員室に向かっていた。
俺が職員室に向かっている理由はトレーニングルームの使用を許可してもらえる書類を提出する為だ。
小中とは違い、実家じゃないから好きにトレーニングできる場所が無く、思う存分する事が出来るのが雄英しか無い。
『セキュリティレベル3が突破されました!!生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください!!』
バカ煩いサイレンと共に音声放送が流れた。
職員室の前まで来ていたが中に人の気配を感じず、何が起きているのか確認しようとその場を離れようとした時だった…人が突然職員室に現れたのを感じた。職員室の入り口には俺以外は居ないのは勿論、職員室の中は無人である事は気配で感じていた。
職員室のドアを勢い良く開き、中に入ったらバーテンダーのような格好の黒いモヤと薄い水色の髪の男が何かを手に持っていた。
「チッ…見られたか」
「急いで撤退しましょう。見るからに只者では無さそうです」
「いや、コイツを殺して宣戦布告としよう」
何をブツブツ二人で話したかと思えば、いきなり俺の目の前に黒いモヤが現れ、黒いモヤの中から人の手が出てきた。
「死ね…」
俺の顔に触れようとする手に殺意を感じ、触れられる前に手首を掴んで黒いモヤからこちら側に引きずり出そうと思いっきり引っ張った。
「なんだこのパワーは!」
黒いモヤから出ていた手を強く引っ張ったら薄い水色の髪をした男が出てきた。引っ張り出した事で無防備になっている腹に目掛けてボディブローを打ち込んだ。
「ガァァ!」
「死柄木弔!!」
水色の髪…黒いモヤが咄嗟に言った名前、死柄木弔って奴をぶっ飛ばしたら先生方の机の上にあった書類とかマグカップをぐちゃぐちゃにしやがった。
「考えるまでもないが…お前ら部外者だな?何処から入ってきた?目的はなんだ?」
「我々の目的は既に達成されてます。此処は撤退しましょう!」
「人の話を聞い───おい!待て!」
黒いモヤは黒いモヤを展開して死柄木弔と共に職員室から消えた。恐らく黒いモヤはワープ系の個性だ…見聞色で奴らを探そうとしたが校内から気配が完全に消えていた。
「おい、此処で何があった」
死柄木弔達の捜索を断念した所で教師達が戻ってきた。
机の上がぐちゃぐちゃにされている惨状に何があったのかと相澤先生に聞かれ、さっきまでの事を話した。
侵入者と遭遇したとはいえ、命最優先で逃げなかった事に軽く注意を受け、侵入者の名前とワープ系個性が居るという情報をゲット出来た事は褒められた。
「あ、トレーニングルームの使用許可の書類持ってきたんで承認お願いします」
「ああ、分かった。流石に今日は使わせることは出来ないから明日から自由に使え」
目的を達成して速やかに職員室を出た。
放課後。
何があったのか分からないが他の委員決めの時に出久が飯田を委員長に推薦して、出久から飯田へ委員長に変わった。そのやり取りを横で見ている八百万が肩をガクリと落としていた。
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