「フォームが乱れてるわよ拳斗!」
「はぁ、はぁ、はぁ…」
現在俺は母さんと一緒にランニングをしている。
まずは体力をつけることから始めた。最初は1kmからのランニングを始めて、その距離が慣れてきてから徐々に距離を増やしていくスタイルにしている。母さんは俺の付き添い兼自分のダイエットで一緒に走ってくれている。
「今日は3キロね。明日も同じ距離を走る?」
「はぁ、はぁ…。そうだね」
息を整えながら母さんの問に答えた。
「プロテイン飲む?」
「飲む…」
近くにある公園のベンチに腰を下ろしてから、母さんに持ってもらっていたプロテインを受け取った。
ランニングの後に飲む冷たいプロテインは格別だ…チョコバナナフレーバーを豆乳で割っているから程よい甘さが体に染み渡る。
「仕事終わりのお父さんを見てるみたい…」
「走った後のプロテインは染みるよ?」
「おっさんみたいな事言って…。少し休んだら帰りましょう?」
「うい〜」
少し体力を回復させてから今度は家まで歩いて帰った。
「夕飯の準備をしている間にお風呂に行って汗を流してきなさい」
「はーい」
家に帰ってから直ぐに母さんが夕飯の支度に取り掛かった。母さんが夕飯の準備をしてくれている間に俺はお気に入りの漢方入浴剤を片手に風呂場へ直行した。風呂に入ろうとしたタイミングで父さんが仕事から帰ってきて、一緒に風呂に入った。
「あ〜効く〜」
「ウチの子が子供らしくない…」
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「よし、準備OKだよお父さん!」
風呂から上がった俺は床にヨガマットを敷いて父さんを待っていた。風呂上がりには必ず柔軟体操を欠かさずにやっている。
「お父さん、もう少し強く押して欲しい」
「はいよ、こうか?」
「おお〜、いい感じに筋が伸びる〜」
柔軟体操を始めた頃は痛い思いしかし無かったけど、今では筋が伸びる感じが気持ちよく感じる。いつも通りにネット検索で拾ってきた柔軟体操を一通り行った。
「柔軟体操は十分に出来た?そろそろ夕飯にしましょう」
「「はぁ〜い」」
夕飯を作り終えてから風呂へ行っていた母さんに呼ばれた。柔軟体操で使ったマットを片付け、夕飯が並べられている食卓についた。母さんが作ってくれた夕飯に舌鼓を打った。
「美味〜」
「拳斗が好き嫌いせずに美味しそうに食べてくれるから毎日作りがいがあるわ」
「拳斗の食べっぷりは見ていて気持ちいいからな」
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夕飯を食べ終えて今日を締める最後のトレーニング…。
みんな大好き100円ショップで購入したアイマスクを着けて、柔らか素材で出来ている棒を父さんと母さんに持たせて見聞色の覇気(習得できるか分からない)を習得する修行に取り掛かった。
「よし!何時でも来ていいよ!」
本当だったらプラスチックのバットでお願いしたかったんだけど、小さい息子を硬いもので叩きたくないと至極真っ当な事を母さんに言われて柔らか素材の棒にしてもらってこの修行に協力してもらった。
「頭はやっぱり怖いから肩とか背中を狙うからね!」
二人にはただ叩きに来るのではなく、俺を叱っている体で叩きに来てもらっている。見聞色…覇気自体が身につけられるか分からないけど、とりあえずはやれるだけの事をしてみる事にした。個性という特殊能力持ちが生まれてくる不思議な世界、そんな不思議な世界なら覇気だって習得出来る筈だと思っている。
スパンッ!!
「はい、一本」
「チクショッ!」
この見聞修行では闇雲に動かず、父さんと母さんが棒を振り下ろそうと感じた時にだけ躱す為に動いている。
「もう1回!」
スパンッ!スパンッ!
「もう1回!」
スパンッ!スパンッ!スパンッ!
全然気配を掴めねぇ…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。