俺のゲンコツアカデミア   作:星天さん

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第三話

出久を鍛える為に相澤先生に体育館γ使用許可申請書を貰い、申請書を受理してもらい体育館γを借りる事が出来た。

早速、出久を連れて体育館γに向かった。

 

「よし、先ずは体を温める事から始めるぞ」

 

「よろしくお願いします!」

 

体育館をウォーキングで3周、ランニングで2周、準備体操で身体を温めた。体の準備を入念に整えてから、出久の修行に取り掛かる。

 

「昨日寝ながら考えた修行なんだが」

 

「ね、寝ながら...」

 

「俺とタイマンしてもらう!」

 

「えぇ!?体を鍛えたりとか「お前は体の鍛え方はオールマイトから教わってるだろ?」う、うん...」

 

「俺が出久に教えるのは体の使い方だ」

 

この間の戦闘訓練の時、爆豪を捕縛しようとした時は滑らかな動きができていたが、タイマンとなった途端に動きがすごく悪くなり一方的に爆豪にやられていた。

それに出久は無機物に対して100%ブッパしかして来ていない、俺とのタイマンで力の込め方等を身につけられれば体育祭でいい結果を残せる筈と思ってこの修行を考えた。

 

「短い期間だが、今よりはいい動きになると思うがどうだ?」

 

「確かに西嶋くんの言う通りだ...入試の時のロボ、戦闘訓練でのビルの天井に個性を使った時は加減なんて考えてなかった。でも、脳無ってヴィランを殴った時は無意識だけど個性の制御ができていた、西嶋くんが考えたメニューなら個性を制御するきっかけになるかもしれない!」

 

「100%そうなる訳では無いがな。それじゃあ始めるぞ!」

 

俺が拳を構えると出久も同じように拳を構え、俺から出久へ攻撃を仕掛けた。俺が動いたと同時に出久はガードを固めたが、ガードの上から思いっきり殴り、出久は俺の拳をガードし切れず吹っ飛んで体育館の壁に激突した。

 

─────────────────────────

 

ガードしたのに思いっきりぶっ飛ばされた...。

西嶋くんの攻撃をガードした両腕、体育館の壁に激突した背中に痛みがはしる。痛みで膝をつきたいが、西嶋くんの追撃がそれを許さなかった。西嶋くんの追撃から逃げる為に走り回ったが、西嶋くんから逃げれる訳もなく先回りされて殴り飛ばされた。

 

「・・・今から5分間、俺から一切攻撃は仕掛けねぇから攻撃して来い出久」

 

西嶋くんが攻撃の手を止め、僕から攻撃するように言った。

西嶋くんは手を後ろに組んで目を閉じた...僕を挑発しているのだろうか、西嶋くんは棒立ちのまま僕が攻撃するのを待っていた。

少し腹が立つが僕から攻撃を仕掛けた。

先ずは1発当てようと腹に仕掛けたが、西嶋くんは見えていないにも関わらずに避けた...。もう一度仕掛けたがこの攻撃も避けられ、次々と攻撃を仕掛けても全てを避けられた。

 

「どうした?もう終わりか?」

 

「ハァ...ハァ...見えてない筈なのに」

 

「鍛え方が違うからな!それよりもうそろそろ5分経つか?」

 

5分の猶予を与えられたのに一撃も西嶋くんに当てられなかった。僕がほんの少しだけ油断した時、目の前から西嶋くんが消えたと同時に腹に鋭い痛みがはしり目の前が真っ暗になった。

 

──────────────────────────

 

「oh......ジーザス」

 

昼休みに緑谷少年から西嶋少年が体育祭が始まる前の間だけ鍛えてくれると聞き、少し様子を見に来てみたら腹パン食らってダウンしている緑谷少年が居た。

 

「に、西嶋少年...」

 

「ん?どうしたんですかオールマイト?」

 

「い、いや〜昼休みに緑谷少年から放課後の話を聞いて見に来たんだよ!」

 

「そうですか。見に来てもらって悪いんですが、今見ての通りなんですよね」

 

腹を抑えて気を失っている緑谷少年の姿に...過去の修行の時のトラウマが蘇ってきて何も無い筈なのに急にお腹が痛くなってきた。

 

「腹痛いんですか?」

 

「ちょ、ちょっとね...」

 

「出久を保健室に連れてくんですけど、次いでにオールマイトも腹診てもらいます?」

 

「私は大丈夫!でも、緑谷少年が心配だから私も着いていくよ」

 

西嶋少年は緑谷少年を持ち上げて肩に担いで、保健室に移動を始めた。ボロボロの緑谷少年を担いで歩く西嶋少年は、すれ違う生徒達に奇異の視線を送られていた。

 

─────────────────────────

「全く!少しは加減したらどうだい!」

 

「いや〜すみませんリカバリーガール!」

 

ボロボロになった気を失ってる出久を担いで保健室に連れてきたら、リカバリーガールに怒られてしまった。リカバリーガールの指示で出久を保健室のベッドに寝かせ、治癒の能力で目立つ怪我を治癒してもらった。

 

「何したらボロボロになるんだい!」

 

「いや〜修行でつい力入れすぎちゃって...」

 

「もう少し加減してやりなよ」

 

手加減してあげたいが体育祭に間に合わなくなる。

約2週間位で始まる体育祭に間に合わせるには多少の無茶をしなければ、出久が周りから離されてしまう。それに出久には少しでも強くなってもらわなければならない。

 

「出久には少しでも強くなってもらわないと...リカバリーガールもオールマイトの話は分かってますよね?」

 

「はぁ...まあ、この間の戦闘訓練みたいに骨をバキバキに折るような事が無ければいいよ」

 

「ありがとうございますリカバリーガール」

 

何とか理解してもらえたけど、骨を折るような怪我をした場合はリカバリーガールは一切の治療をしないと言われた。

 

「それじゃあ、俺は帰ります。出久が起きたら明日もやるのなら体育館で待つと言っておいてください」

 

オールマイトに出久への伝言を頼んで、俺は保健室を後にした。

 

──────────────────────────

 

「来たか...」

 

「僕は強くなりたくて西嶋くんに頼ったんだ。途中で逃げすような真似はしないよ」

 

「その心意気は良し!後は実力をつけるだけだ!昨日と同じ感じでやっていくぞ!」

 

「お願いします!!」

 

昨日ので来るか来ないかと考え、来ないと思っていた出久が体育館にやって来た。体育館にやって来た時の出久の目は普段の頼りなさそうな目ではなく、キリッと覚悟を決めた漢の目になっていた。

 

リカバリーガールの約束を守りつつ、出久を強化する修行を続けた。2.3日は俺がボコって出久を保健室まで担ぐって感じだったが、4日目位からはお得意の分析で俺に何とかくらいつこうと色々と出久は策を弄していた。

まあ、出久の策を真正面から打ち砕いたけど...。

今日より明日、明日より明後日って感じで修行を重ねれば重ねる程、出久の動きが良くなり始めていた。気絶する出久を保健室に運んでいたが、修行を重ねる毎に意識がある出久を保健室に運ぶようになった。

 

「個性を使ってみろ出久」

 

「え!?」

 

体育祭まで残り2日まで迫り、俺は出久に個性を使ってみろと個性使用を解禁した。俺の発言に驚いたようで、目を見開いて俺を見ていた。個性を使うまで腕を組んで待っていると、出久は手足を挙動不審に動かしながら慌て始めた。

 

「個性を使えって...む、無理だよ!制御する特訓できなかったし!」

 

「いや、出来る!」

 

「な、何を根拠に...」

 

「今までの修行内容はお前の個性を上手く使う為の修行だ!短期間とはいえ体に使い方、力の込め方をお前の体が覚えたはずだ!覚えた感覚で個性を使ってみろ!此処でやれないならヒーローを諦めろ!!」

 

「ッ!!や、やってみせるよ!」

 

出久は目を軽くつぶり、大きく深呼吸を複数回行い、余計な力みが入らないようにリラックスをし始めた。

出久がゆっくり体に力を込め始めると、出久の体が少し発光し始めた。腕やふくらはぎ等に赤く光る血管の様なものが浮かび上がり、出久の体の周りに雷が迸った。

 

「!?で、出来た!制御出来た!」

 

出久は個性の制御に成功した。

個性を体を破壊せずに発動できたのが嬉しいのか、拳を握ったり開いたり、個性を発動した状態で動けるのかを試していた。

 

「今までのお前は力の込め方を知らなかった。だが、俺と殴りあっている内に体の動かし方と力の込め方を身につけた」

 

「本当にありがとう西嶋くん!」

 

「感謝の言葉は素直に受け取るが...出久、個性制御がゴールじゃ無いからな?その力を使いこなしてヒーローになるまでは気を抜くなよ?」

 

「分かってるよ西嶋くん。今の状態は5%の出力くらいだ...オールマイトみたいに100%の出力でも戦えるように頑張るよ!」

 

「分かってるなら良い...所でその状態で何処までやれる?」

 

俺が拳を構えると、出久も拳を構えて戦闘態勢に入った。

 

「お前の修行に付き合うのは今日が最後だからな、その状態で何処までやれるか見てやる」

 

「よろしく...お願いします!」

 

俺と出久はぶつかった──────当然俺が勝った。

制御が出来たばかりで個性を発動させている状態を長く維持出来ず、少しでも気を抜くと個性を発動した状態が維持できなくなるようだ。

 

「俺のサポートはここまでだ」

 

「ヴぁ、ヴァイ...」

 

顔中を腫らせた出久を担いで体育館を出た──────そしていつも通りリカバリーガールに叱られた。




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