俺のゲンコツアカデミア   作:星天さん

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第六話

第2種目・騎馬戦のチーム作りの時間が始まった。

周りがチーム作りの為に動いている中、拳斗は腕を組んだままその場に立っていた。そんな拳斗を周りは見ていたが、声を掛けに行く者は誰も居なかった。

それも其のはず...拳斗は1000万Ptという莫大なPtを所持しており、騎馬戦が始まれば真っ先に狙われる。

圧倒的な個の力を見せた拳斗とチームを組むのはそれなりのプレッシャーもあり、足を引っ張りたくはないという考えが尻込みさせていた。

 

「俺と一緒に狙われる覚悟がある奴は居ねぇか!!」

 

誰かに声をかける素振りも無く、腕を組んで立っていただけの拳斗が突然大声を上げた。周りの人達は拳斗の大声に驚いたが、拳斗が発した言葉に耳を傾けた。

 

「1000万という莫大なポイントを所持している俺は確実に狙われる!だが俺は、向かってくる奴らから逃げる様なマネはしたくねぇ!迎え撃って返り討ちにする!俺は逃げずに戦える奴と組みてぇ!」

 

拳斗がそう締めくくると、拳斗の元に爆豪、緑谷、轟の三人の男達が集まった。

 

「俺のところに来るって事はそういう事でいいか?」

 

「俺が求めている事とテメェが求めている事が一致したから組んでやる」

 

「俺は次へ確実に進む為にここへ来た。お前から声を掛けたんだ、無下にはしないだろ?」

 

「俺から言い出したんだ、組むってならそんな事しねぇよ」

 

「西嶋くん、僕も組ませて欲しい!」

 

たった今、それぞれの思惑はどうであれ此処に高火力すぎるパーティが爆誕した。他クラスの生徒達はこの四人が組むことに関して何とも思ってないが、Aクラス全員にとって最強のラスボス騎馬チームが出来てしまった事に頭を抱える。

Aクラスはラスボスに挑もうとしている他クラスに対して、心の中でひっそりと手を合わせていた。

 

「何か...一騎だけやべぇの出来てねぇか?」

 

「うちの高火力組が組んだか...」

 

 

「さて、騎馬の編成は俺が前、爆豪が左側、轟が右側、出久が騎手でいいか?」

 

「ちょっと待てやゴラ!!何で俺が騎馬でデクが騎手なんだよ!」

 

「いや、お前を騎手にしたらぴょんぴょん飛んで行くだろ?」

 

爆豪を騎手にしたら好き勝手やられて、俺らが振り回される未来しか見えなかった。それに騎馬戦は土台が強ければ強い程やれることがある。

 

「俺は全員ぶっ飛ばして、完全勝利だけを狙っている。お前も俺と同じだろ?完膚無き勝利を目指すなら生半可な騎馬じゃだめなのはお前も分かってる筈だ」

 

「チッ...。完全勝利が出来なければ土下座して詫びろ」

 

「という訳で出久頑張れよ?一騎でも残ってたら俺、土下座しないといけなくなるから」

 

「え、えぇ...。急に物凄いプレッシャーが...」

 

俺らが言い合っている間に時間が過ぎ、騎馬戦の時間がやって来た。俺らも騎馬を組んで、ミッドナイト先生のスタート合図を待った。

 

「3!」

 

「行くぞオメェら!全員ぶっ倒して次に進むぞ!」

 

「2!」

 

「ヘマしたらぶっ殺すからなデク!!」

 

「わ、わかってるよかっちゃん!」

 

「1!スタートよ!!」

 

 

ミッドナイトの合図で騎馬戦が始まった。

騎馬戦が始まり、真っ先に狙われたのは拳斗達の騎馬だった。全騎馬から襲いかかられている状況で、拳斗は笑いながら迎え撃った。左右から来る騎馬に対して爆豪の爆破と轟の氷結で牽制しつつ、前から来る騎馬は拳の気迫に怯んだ瞬間を緑谷がすかさずにハチマキを強奪していた。

 

「だ、ダメだ!1000万は諦めるしか「逃がすか!!」ひぃぃ!」

 

拳斗達の騎馬に恐れを成して逃げようとするが、ラスボスから逃げられるはずも無く鬼気迫る拳斗達の前に為す術無くハチマキを奪われていく。そんな様子に実況席にいるプレゼントマイクはどう実況していいか分からず頭を抱え、盛り上がっていた観客達は一方的過ぎる状況で静まり返っていた。

 

「君達の快進撃はそこまでだ!」

 

快進撃を繰り広げる拳斗達の騎馬の前にB組で構成された騎馬が行く手を阻んだ。拳斗達が足を止めると、残っている騎馬が周りを取り囲んだ。

 

「徒党を組んだか?」

 

「君達が暴れ回っている間にね...。君達ばかりを目立たせる訳には行かないのさ!だから、徒党を組んで君達を倒させて貰う!」

 

拳斗達の足を止めたB組騎馬の騎手・物間寧人は、拳斗達がハチマキを強奪している間に声を掛けて仲間を作っていた。

 

「君達の個性は強い...だけどあくまで個の力。チーム戦という縛りがある以上本来の力は出せない!」

 

物間寧人の言葉を最後に騎馬が一斉に拳斗達を討ち取ろうと動き出した。

 

「ど、どうする西嶋くん!」

 

「俺に任せろ!」

 

拳斗がそういうと緑谷の首根っこを掴んで上に投げた。突然の奇行に拳斗達を討ち取ろうとした騎馬は動きを止め、轟と爆豪が驚くが、その2人も首根っこを掴まれて上に投げられた。

 

「爆豪!俺のタイミングに合わせて出久を投げろ!」

 

拳斗は腕に力と覇気を込めて力いっぱい地面を殴った。

地面を殴ってから数秒もしない内にスタジアム全体が揺れ始め、拳斗達を囲んでいた騎馬達は揺れで崩れないように踏ん張っていたが、何騎かはバランスを崩し騎馬が崩壊して脱落していた。

 

「今だ爆豪!!」

 

「俺に命令するんじゃねえ!」

 

文句を言いつつも爆豪は拳斗の言う事に従って、緑谷を思いっきり拳斗に目掛けて投げた。投げられた緑谷は自分の扱い方について色々と言いたい事があるが飲み込み、拳斗の肩に着地して肩車の状態になった。

 

「やることは分かってるよな出久!」

 

「うん!!」

 

まだ奪っていないハチマキを強奪する為に拳斗が全力で駆け出した。拳斗が起こした揺れで体勢を整えようとしている騎馬からハチマキを奪って行く。拳斗達の動きを止めた騎馬達に期待していた観客達は大盛り上がりをしていたが、結局状況は何も変わらず再び静まり返っていた。

拳斗達の前に立ちはだかった物間寧人率いるB組騎馬も為す術無くハチマキを奪われ、拳斗達以外に残っている騎馬は1騎も無かった。

 

「いきなり上に投げやがってふざけんじゃねぇ!お前とデクで終わらせやがって、じゃじゃ馬はお前もじゃねぇか!」

 

爆豪は突然上に投げられた不満を漏らしながら、拳斗と緑谷の元へ歩いていた。轟は文句を垂れている爆豪の後ろを静かに着いていた。

 

「ま、まだ時間はある!ハチマキを取り返すんだ!!」

 

「どうやらまだ終わってないみたいだぞ爆豪?」

 

爆豪が拳斗に不満を言っている間に、ハチマキを奪われた者達がハチマキを奪還する為に再び騎馬を組んでいた。

 

「ここからは防衛戦だぜお前らぁ!!気ぃ引き締めろ!」

 

「うん!!」

 

「・・・おう」

 

「掛かって来いやぁ!!モブ共!!」

 

拳斗達は時間の限り暴れ回った。

多対一の状況で多勢に無勢の状態になる筈が拳斗達の前では意味は無く、返り討ちにあって騎馬を崩されたりと圧倒的な力の前で殆どの生徒達の戦意が削がれていた。

 

 

「試合終了よ!!えぇっと...西嶋チーム以外のポイントは0!!よって!西嶋チームの一人勝ちよ!」

 

競技終了までポイントの防衛をやり遂げ、拳斗達は完全勝利を手に入れた。ミッドナイトに退場を促され生徒達は退場していく…退場する生徒達は悔しそうに唇を噛み締め、色が変わるほど拳を強く握っていた。

 

「この後は1時間程、昼休憩に入ります!各自お昼を済ませてから再び自分達の応援席に集合してください!」

 

 

 

 

 

「いや〜楽しかったな出久!」

 

「う、うん…。こんなに目立ったのは生まれて初めてだよ」

 

「この先ヒーローになれば嫌でも目立つから今のうちに慣れとけ」

 

俺は出久を連れてランチラッシュの食堂に向かっている。

爆豪も誘ったんだけど、さっきの事でまだお怒りらしくて断られてしまった。轟は何処かふらっと居なくなってたから声をかける事はなく、必然的に出久と行く事になった。

 

「次の競技はなんだろうね?」

 

「ガチンコバトルでも来そうだな…」

 

食堂へ向かいながら次の競技について話していたら、ふらっと居なくなっていた轟が俺達の前に現れた。

 

「緑谷、西嶋、話したい事がある」




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